第61回全日本新体操2日目女子レポート
6日の全日本新体操選手権2日目は個人総合後半2種目(クラブ、リボン)が行われた。
優勝は昨日トップの日高舞(東京女子体育大学)。クラブで落下ミスがあったが、昨日からの4種目を通じて実に思い切りのいい演技で他を圧倒した。
昨年に比べ投げ技も増え、スピード感も増した。また音楽を表現しようという姿勢も出てきて、文句なしの優勝であったろう。日高が他の選手に比べて秀でている点は度胸の良さ。その度胸でこのままチャレンジし続けていってくれることを望みたい。
2位は川原唯(日本女子体育大学)。個性的でリスキーな技を駆使して昨日より一つ上のポジションを獲得した。
3位は大貫友梨亜(ウーマンズ新体操クラブ)。リボンはフェッテのとびや、ピボットで軸に乗れない箇所もあったが、クラブは音楽に乗った力強さを見せた。ラストの投げ技で落下があり惜しい出来であったが、全体的には動きのキレが出てきたように思う。
井上実美(飛行船新体操クラブ)はリボンでは多少もたつきがあったが、クラブはほぼノーミスの落ち着いた演技を見せ、4位。5位には4種目を通じて安定した力を見せた庄司七瀬が入った。
穴久保璃子(イオン)は全体的には強さが出てきたが、落下ミスやキャッチミスがあり、6位。本番で力を出し切るということが課題であろう。
同じく6位には浅沼圭(東京女子体育大学)が入ったが、スピード感に溢れた演技を見せた。
そして8位に入ったのは長田侑里乃(東京女子体育大学)。難度のレベルはまだ低いようだが、体全体の連動性が良く、表現力も豊かであった。
全体的には出場したどの選手もみな落ち着いた演技を見せていたが、来年のルール変更を考えると、手具の動きが少なすぎるように思う。また手具操作に果敢に攻めている選手は逆に美しさに欠ける。来年に向けては、自分たちの良いところをのばしていくとともに自身の欠点を認識して課題克服につとめていかなければならないだろう。
<日高コメント>
出番が早かったので、気持ちと体のずれがあって大変でしたが、今日も全般的には納得のいくものでした。
4種目目のリボンの出番前、ものすごく緊張してしまったんですが、先生から「挑戦しなさい」とアドバイスを受け、私のテーマは”挑戦すること”というのを改めて思い直し、平常心で臨むことができました。
この大会前、大学で何度か試技会をしていただいたとき、クラブの最後の二本投げの確率が悪く、一本投げにしたほうがいいんじゃないかと言われたこともあったんですが、無難にやってもおもしろくないし、二本投げのほうを選びました。
4種目ともパーフェクトにやることが目標でしたが、今日はクラブでちょっとミスが出てしまったので、明日の種目別ファイナルはパーフェクトな演技で4つとも優勝を狙いたいです。
私はスタイルも良くないし、特別なにも持っていない。でも今年グランプリシリーズに出させていただいてファイナルにも1種目残ることができて、がんばれば世界で戦えるという自信もついてきました。ロシアのカナエバ選手のようにはなれないけど、これからも、もっともっとチャレンジして印象に残るような選手になっていきたいと思います。
団体競技は2種目目のフープ+クラブが行われ、東京女子体育大学が20連覇を果たした。
昨日のロープはミスがあったが、今日はほぼ完璧な抑揚のある演技で、会場を熱くさせた。
<東京女子体育大学チーム・キャプテン嶋田芽久未コメント>
昨日はミスがあったので、今日は挽回しようと必死でした。今日の演技は難度も交換もうまくいき、納得のいく演技ができたと思います。20連勝ということで、先輩方がつくってくださった伝統を次につなげていくための責任やプレッシャーもだんだん重くなっているんですが、そういった偉業に携われるということの幸せも感じています。
大学でたくさんの人に支えられているんだという感謝の気持ちを教わり、がんばり続けていくことの難しさと、でもそれが一番重要だということも教わりました。私は卒業しますが、後輩たちも感謝の気持ちと努力し続けるということを忘れないでがんばってほしいと思います。