2015新体操W杯ポルトガル大会レポート
報告者:
現地㋂26日、新体操W杯ポルトガル・リスボン大会初日は団体総合前半(リボン5)と、インターナショナルトーナメント・ジュニアの部が行われた。 大会情報へ
<団体総合前半・リボン5>
今年はオリンピック予選の年となるため、シーズンインしたばかりにも関わらず本大会には15ヵ国という多くの国が出場した。ベラルーシは欠場したが、ロシア、イタリア、ブルガリア、スペイン、ウクライナ、アゼルバイジャン、フランス、ドイツ、中国など、強豪国、中堅国が顔をそろえた。
そんな中、試技順3番で登場した日本(フェアリージャパンPOLA)は、出だしの交換が不正確な受けとなった。中盤でも連係が成立したのち、集めたリボンの処理に手間取り、動きが止まった箇所があったのと、フェッテピボットでのリボンの絡みなどがあったが、落下は防ぎ、16.350。モスクワグランプリでは消極的な印象があったが、今大会に臨むにあたって追い込んだ練習をしてきたせいか、慌てずにこらえることができていた。また今回初出場の鈴木歩佳も終始落ち着いており、エネルギーのある演技ができていた。日本は前半を終えて6位につけている。
前半1位はロシア。
最初からリボンに結び目ができ、パンシェターンでも跳ねてしまうなど、少々ばたついた印象であったが、最後までこらえて17.750。
2位はイタリア。
交換でスティックが床に当たった音がするキャッチがあり、最後には大きな結び目ができたが、いずれも大きな影響はなく、17.250。曲のボリュームと動きのボリュームの合った演技であった。
3位はイスラエル。
若干のキャッチの移動はあるが、そこからスムーズに流れるため、大事に見せないうまさがある。またリボンに張りがあり、乱れが少ない。17.150。
4位はスペイン。
エカルテのバランスやフェッテピボットなど、身体難度がクリアではなく、リボンの不正確な受けもあったが、落下はなく16.850。
同点でウクライナが並んでいる。
ウクライナはスペインと比較し、身体難度がクリアで、リボンの乱れも少ない。結び目ができたが、うまく処理をしていた。16.850
そして6位が日本で、7位はドイツ。
連係で小さな落下があり、身体難度も悪く、16.000。
8位はアゼルバイジャン。
交換のたびに大きな移動キャッチがあり、15.900。
9位はブルガリア。
出だしから落下があり、その後連係でも2回落下した。
重量感のある演技がブルガリアの良さであるが、ミスが重なると、ただ単に重い演技になってしまった。15.850
10位はフランス。
投げる前にポロリと落下する箇所があったのと、全体的にリボンの乱れが目立つ演技であった。15.050。
11位は中国。
連係で落下があり、フェッテピボットでも乱れがあった。
工夫のある演技であるが、リボンが乱れる箇所が多く、14.600。
以下、アメリカ、ポルトガル、フィンランド、シンガポールとなっている。
団体総合後半は1日おいて28日に行われる。
<インターナショナルトーナメント・ジュニア前半2種目>
日本からは喜田純鈴(エンジェルRGカガワ日中)と柴山瑠莉子(イオン)が出場した。
喜田はフープの種目から。
ジャンプ中に手でフープをはじく箇所で、フープが少し後ろに流れたが、喜田は非常に落ち着いていた。直後の転回をしながらフープを蹴り上げる技を行うにはフロアーのスペースが少なくなってしまったが、慎重にフープをさばいた。モスクワグランプリと比較して伸びやかさも出てきて、喜田のステップに合わせ、会場内からは自然に手拍子がわいた。足持ちのローテーションが、かかとが早く床についてしまったのと、ラストの足キャッチのあと、フープの上に身体が乗ってしまい、フープがぐにゃりと曲がったせいで、ラストポーズがうまく決まらなかった点は惜しく、14.900。
ロープは前半で少々操作に手間取る箇所があったが、高速パンシェターンが決まると、ここでも大きな拍手がわいた。しかし、ラストのDERでロープを投げすぎ、キャッチはしたものの、ロープの端が場外の床にわずかに触れてしまい、14.250。
柴山はロープから。
出だしは堅さが見え、バランス中のエシャッペが不正確なキャッチとなった。ローテーションも軸が流れぎみであったが、途中から落ち着きを見せ、13.950。
フープは非常に伸び伸びとした演技であった。ほぼミスのない演技で15.050。国際大会で15点に乗せてきた。
速報が出ていないので確認が必要であるが、喜田はロープで、柴山はフープで種目別決勝に残った。
明日はジュニアの部後半種目とW杯個人総合前半が行われ、W杯には早川さくらと皆川夏穂が出場する。
レポート 山﨑浩子