2015新体操モスクワ・グランプリ等レポート2

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<モスクワグランプリ種目別決勝> 大会情報ページへ
早川さくら(フェアリージャパンPOLA・個人選手)はクラブを除く3種目に出場。

最初の種目フープでは、少々操作に手間取る箇所はあったが、難度はのびやかで、17.216。5位となった。

1位はロシアのMamun。観ているだけて泣けてくる作品で、圧倒的な表現力により、いい意味で難度が浮き立ってこない。作品の中にうまく難度が溶け込んでいて、「これぞ新体操!!」という感じである。

2位にはベラルーシのStanioutaが、3位にはイスラエルのRivkinが入った。
ロシアのKudryavtsevaは、途中からリズムがわずかに狂い始め、ラストの背面キャッチのDERで落下ミス。8位に沈んだ。

2種目目はボール。
早川は、総合の時にミスをしたMでのころがしの箇所を修正し、大きなミスなく演技を終えた。ローテーションの回転数が減ったため、16.983と、惜しくも17点には乗らなかった。

1位はロシアのSoldatova。総合でKudryavtsevaがミスをしたことで、種目別ファイナルに出場することができたが、そのチャンスをしっかりとものにするところはさすがである。
ローテーションの回転数が非常に多く、難度の正確性も表現力も持ち合わせた選手である。

2位はベラルーシのStaniouta。Mでワンバウンドになってしまったが、ダイナミックな演技を披露した。

3位はMamun。ボレロの曲に乗せ、すばらしい演技を行っていたが、バランスの難度がくずれ、ラストのDERでもワンバウンドとなり、3位となった。

3種目目はクラブ。
1位はStaniouta。安定感のある演技で18.166を獲得した。
2位はKudryavtseva。軽快に、難易度の高い技を繰り広げていたが、ラストのDERで落下してしまい、会場内では大きなため息がもれた。
3位はジョージアのSalome。多様なステップを武器に3位に食い込んだ。
SoldatovaはMGで落下し、パンシェターンも崩れ、また投げも場外するなどミスが続き、表彰台を逃した。

4種目目はリボン。
早川はパンシェターンなどのローテンションで、回転数が足りなくなったが、終始落ち着いて演技し、17.200。
どの種目も落下なしでおさえることができた。

1位はMamun。ミスになりそうな箇所はあったがうまく対処し、18.966の高得点をたたきだした。
2位はKudryavtseva。出だしのMでミスが出たが、難度の正確性と手具の扱いのうまさはすばらしい。
3位はStaniouta。今大会は大きなミスが少なく、すべてにおいて表彰台にのぼった。

早川は回転数をしっかりと増やしていくことと、表現力が増していくことで、17点中盤に乗せていくことができるであろう。またインターナショナルトーナメントで銀メダルを獲得した皆川夏穂(フェアリージャパンPOLA・個人選手)は、ハイレベルな手具操作を極めていくことで、勝機を見いだすに違いない。
いずれにしても、今大会で、ふたりの成長が見て取れた。試合を重ね、より成長した姿を見せていってほしい。

<団体種目別決勝・リボン>
団体総合リボンで大きなミスが出てしまった日本(フェアリージャパンPOLA)は、出だしにリボンが他の選手の首にからんだが、なんとか難度を行い、リズムを戻した。
コラボレーションの際に、足に挟んだリボンが離れるミスが出たが、総合時よりエネルギーもあり、ラストの4本投げが移動がありながらも成功すると、会場からは大きな拍手がわいた。16.350で4位。
出だしのコラボレーションから交換のあたりが、人と手具の距離が近いので、そのあたりを修正することと、全体の伸びやかさを出していく必要がある。

1位はロシア。
移動のキャッチはあったが、落下はおさえて、18.050。

2位はブルガリア。
コラボレーションで落下があったが、リボンが常に張りがあり、空間に浮いている。音のエネルギーと手具や動きのエネルギーが合っていて、落ち着いて観ていられる作品である。17.100

3位はイスラエル。
交換でリボンが接触し、落下があったが、リズムは崩れることなく演技した。

<団体種目別決勝・フープ&クラブ>
日本は前半のダンスステップコンビネーションで落下。パンシェターンでも不正確になったが、この種目も総合時よりずっとエネルギーがあり、修正した姿が見られた。16.750で4位。
空き手の使い方や上半身の使い方など、改良しなければならない点があることと、とにかくミスをしないような練習を積んでいかなければならない。

1位はロシア。
コラボレーションで落下ミス。パンシェターンや他のローテーションでも軸の乱れがあり、すさまじい勢いで飛んでくるフープやクラブの処理に四苦八苦していたが、なんとか1位を死守した。17.350

2位はイスラエル。
安定感のある演技で17.200。

3位はブルガリア。キャッチの移動があり、16.950。
オリンピック予選の年なので、どの国も仕上がりが早い。日本も投げ受けの練習量や質を上げ、常に上位に食い込んでいけるようにしたい。