男子団体総合の得点修正に関する報道について
ロンドン現地7月30日に開催されました男子団体総合の最終結果について、一度、表示された順位が入れ替わり、日本が銀メダルを獲得した報道において、一部、事実と異なる内容が拡散しております。これらはすべて正当な手続きによって進められたもので、一切の不正は存在いたしません。以下、ロイター/英ガーディアン紙に掲載されました国際体操連盟アンドレ・ガイズビューラー事務総長のコメントを含めた記事をご紹介いたします。
原文 http://www.guardian.co.uk/sport/feedarticle/10363154
メダル獲得チームの入れ替えは公正、とFIGがコメント
2012年7月30日(月) ロイター Clare Fallon
ロンドン 7月30日(ロイター)‐月曜日に開催されたオリンピック男子体操競技団体決勝において、人的ミスが日本チームの銀メダル獲得を待たせることとなり、健全な検証システムが即時に過ちを正した、と役員が語った。
「皆、人間で、人間は間違いを犯すことがあるものです。」と競技終了時のメダル獲得チームの入れ替えが発生したのち、国際体操連盟のアンドレ・ガイズビューラー事務総長が報道陣に語った。
前回のオリンピックおよび世界選手権において銀メダルを獲得している日本は、主力の内村航平選手のあん馬着地時のミス後に、団体のメダルを手にすることなくロンドンを去ることとなりかけた。
世界体操個人総合3連覇の内村航平選手は最終種目の最終演技者で、審判は13.466と採点し、スクリーンには中国以降の順位としてイギリス銀メダル、ウクライナ銅メダルと表示された。
日本のコーチは、内村選手の着地にミスはあったが、もっと高いDスコアが与えられえるべきとの得点確認の申告を行い、役員は検証と議論ののち同意した。
「サッカーも含めてどこでも見られるように、皆、判定ミスと共に生きなければならないのです。」と内村選手のスコアが14.166に上がってチームが銀メダルとなり、イギリスチームが銅メダルに下がった後、ガイズビューラー氏は語った。
「我々が選手を守るための適切なシステムを備えていることをとても嬉しく思います。」
技術委員会が、内村選手の着地シーンを10回スロー再生し検証したとガイズビューラー氏は語った。この決定は最終となり、ウクライナは申し立てする権利を有しない。
「正義が勝ったと言えるでしょう。もちろんウクライナとイギリスの皆さんががっかりしておられることには申し訳なく思いますが、日本は値するメダルを獲得したのです。」
「イギリスはフェアプレーの国であり、本当にスポーツ倫理の高い国で、誰も値しないメダルは欲していなかったでしょう。」
オリンピックの体操競技大会において、スコアの変更が獲得メダルの変更につながった初めてのケースであった、とガイズビューラー氏は語った。
「人々は審判判定に多くのミスがあると考えますが、それは当てはまりません。」
変更ののち審判にノースグリニッジ・アリーナの観衆からブーイングが起こったが、イギリスの選手は許すというよりも、大らかにただ100年振りの団体メダル獲得の興奮に酔いしれた。
「どうあれ我々はメダルを獲得できたわけです。」と記者会見の場でエディ・ヴァンフーフ・コーチは語った。「本当に、1年前は中国と日本が我々の上にいて、我々は銅メダルの獲得を考えていたのです。」
「銀メダルは確かに素晴らしいですが、とにかく我々は銅メダルをいただきます。」
ウクライナチームの選手5名は意見を胸に秘め、表彰式が始まる前に無言のまま報道陣の前を通り過ぎて行った。
ユーリ・ククセンコフ・コーチは不満をあらわにし、チームについて「よくやったと思うし、よく戦ったと思いますが、残念ながら今日の競技会ではある種の主観性がおそらく役割を果たし、妨げとなったのだと思います。」「選手はメダルに値すると思いますし、私は銀メダルに値すると思います。」と語った。
追加レポート Mark Trevelyan 編集 Justin Palmer
国際体操連盟採点規則上、現在、「抗議」は一切認められておらず、すべてDスコアのみの問い合わせ(得点照会)が決められた時間内にできるようになっております。第一段階としては得点表示された後、直ちにDスコアを算出するD審判員に口頭で確認することができます。しかし、そこでの対応に納得できない場合、書面による問い合わせになります。合わせて300米ドルの支払いを求められることになります。今回、日本のコーチは落ち度のない確実な手順により審判長へ得点照会を依頼し、ビデオ判定による再確認が行われ、得点の修正が行われました。