第67回全日本体操競技団体選手権大会男子決勝
○第1ローテーション
・コナミ ゆか 45.050
植松、2節目後ろとびひねり前方屈身2回宙返りひねりで大きく前に動くが、大きなミス無く演技をまとめる。
内村、ほとんどすべての着地を止める素晴らしい実施で演技をまとめる。
沖口、入りの前方宙返り2回半ひねりで大きく前に動くが、ロウウンなど後の部分は確実に演じる。
・徳洲会体操クラブ あん馬 44.250
山本、コンバインで1手入らず不成立の可能性あり、見た目は大きなミスの無い演技だった。
出口、Eコンバインを成功させるなど大きなミス無く演技をまとめる。
亀山、後半若干動きが詰まった感があったが、世界チャンピオンの貫禄を見せつける演技を披露。
・相好体操クラブ つり輪 44.400
各選手力技をていねいにこなす。田中、伸身月面を止める。
・仙台大学 跳馬 42.800
古谷、シューフェルトで右に大きく動きラインオーバー。
吉本、アカピアン、小原シューフェルトを良い実施でまとめる。
・順天堂大学 ゆか 43.850
今林、タンブリング系はまずまずの実施、力倒立で肘をまげて調整。
金子、入りの前方2回半で大きく前に動く、ほとんどの着地動く。
加藤、ほとんどすべての着地を止める素晴らしい実施で演技をまとめる。
・日本体育大学 あん馬 42.950
横山、逆交差倒立上げきれず、あとはミス無くこなす。
武田、若干力の入った感のある実施だったが大きなミス無く演技をまとめる。開脚のマジャール~シバドが映える。
岡、高いDスコアの構成、後半シバドで少し詰まったが通しきる。
・朝日生命 つり輪 44.300
塚原、振り上がり上水平とほんてん倒立でバランスを少しくずす。岡村、中水平~十字倒立などで力強さを示す。
・市立船橋高等学校 跳馬 43.400
柏木、アカピアン、谷川、ドリッグス。2人とも着地をまとめる。早坂、ドリッグスの着地をほぼ止める。
○第2ローテーション
・順天堂大学 あん馬 88.800
フロップ、コンバインで2回大きく振られるが落ち着いて捌き、雄大な旋回で演技を押し通す。
垣谷、ほとんど上下動しない安定した旋回で演技を通しきる。
加藤、後半少し力を使った感のある実施だったが、姿勢を崩さず通しきる。
・日本体育大学 つり輪 87.650
瀬島、力強い実施で演技をまとめ着地も止める。
神本、けあがり十字が少し高かったが中水平などの表現は素晴らしかった。ほんてん倒立で詰まったのが惜しまれる。
武田、非常に力強い実施で演技をまとめる。新月面の着地は少し動く。
・朝日生命 跳馬 85.750
塚原に代えて山本が1番手、アカピアンをまとめる。山崎、岡村もアカピアンを実施。
・市立船橋高等学校 平行棒 86.400
倉島、ディアミドフで倒立からはずれる。早坂、後方屈身2回宙返りの着地で大きく前にはずむ。
・コナミ あん馬 88.650
小林、後半コンバインで腰が引け危ない場面があったが凌ぐ。予定の演技構成を遂行できなかったもよう。
山室、フロップで少しふくらむ場面があったが、大きなミス無く演技をまとめる。
内村、前半少し慎重な感じがしたが、ほぼ完璧な実施で演技をまとめる。
・徳洲会体操クラブ つり輪
渡邊、まずまずの実施で演技をまとめる。
山本、雄大さを感じさせる実施で演技をまとめる。
佐藤、振動倒立で若干肘で調整する場面が見られたが、大きなミス無く演技をまとめる。
・相好体操クラブ 跳馬 87.400
北條、アカピアンで大きく動く。さらに田中もドリッグスで大きく動く。
・仙台大学 平行棒 85.750
村上、開脚前宙でバータッチ。古谷は大きなミスは無かったが手のずらしが多くあわただしい印象のある演技だった。早瀬、雄大なヒーリーから開脚前宙、ツイスト後に少し肘がゆるむ。
○第3ローテーション
・コナミ つり輪 134.000
小林、力強い力技で入ったが屈身ヤマワキ~振り上がり中水平でケーブルが揺れる。続く振動倒立で立て直し、新月面の着地は後ろに大きく1歩。
田中、カトウ、ツカハラの2つの新技を取り入れた構成。正確な実施で新月面の着地も止める。
山室、後方けあがり中水平で入り、ほんてん十字倒立~倒立などを入れた圧巻の構成。実施も良く、伸身月面の着地も見事に止める。
・徳洲会体操クラブ 跳馬 130.600
山本、ドリッグス前に1歩。ライン減点あり。
佐藤、ドラグレスク、後ろに1歩。
齋藤、ヨーⅡ、右に大きくくずれ転倒。膝を痛めた模様。
・相好体操クラブ 平行棒 130.200
北條、後方屈身2回宙返り下りの着地で大きく後ろに流れる。田中、尾崎ともに小さなミスがあった。
・仙台大学 鉄棒 125.750
吉本、前方車輪1回ひねり大逆手で片手を持ち損ね下りる。古谷、カッシーナで落下、さらにもう一度落下しチームとして大きなマイナスとなる。
・順天堂大学 つり輪 133.800
加藤、自らの名を冠するカトウで入り、振り上がり倒立で若干力を使うが大きなミス無く演技をまとめる。
吉岡、非常に美しい技捌きで演技を遂行、大きなミス無く最後の前方屈身2回宙返りもわずかな動きにまとめる。
野々村、中水平、上水平の姿勢が美しい実施。アザリアンで若干肩が上がったが、全体としては素晴らしい実施で伸身月面の着地も止める。
・日本体育大学 跳馬 132.000
瀬島、ドリッグスで着地を止めてガッツポーズ。
池尻、ドリッグスで前に大きく動きライン減点あり。
岡、ロペスで着地は後ろに大きく流れたがガッツポーズ。
・朝日生命 平行棒 128.600
塚原、棒下で片手を握り損ねバランスをくずす。
岡村、着地でまえに手と膝をつく。
・市立船橋高等学校 鉄棒 129.350
丁寧に手放し技を行う。早坂は伸身新月面の着地も止める。
○第4ローテーション
・順天堂大学 跳馬 176.450
今林、ドリッグス 雄大で美しい実施だったが前に大きく1歩。ライン減点あり。
加藤、ロペスで突き手がうまく入らず、なんとかひねりきったが転倒。ライン減点もあり。
野々村、ドリッグス 姿勢欠点の少ない実施で着地は前に1歩。
・日本体育大学 平行棒 177.050
横山、まずまずの実施で演技をまとめ、1番手の責任を果たす。
瀬島、ドミトリエンコ、屈身ベーレを綺麗に成功。着地は少し低くなり前に動く。
神本、シャルロ、屈身ベーレなどうまく捌いたが、車輪ディアミドフで反ってしまい手をずらす。その他にも手をずらす場面が多々見られる実施となった。
・朝日生命 鉄棒 173.550
3選手とも大きなミス無く良い演技を披露。
・市立船橋高等学校 ゆか 171.300
倉島、谷川が後方宙返り3回ひねりの着地をまとめる。早坂、後方宙返り3回半ひねり~前方宙返りひねりで転倒、さらに後方宙返り2回半ひねり~前方宙返り1回ひねりで転倒。
・コナミ 跳馬 178.400
内村、シューフェルトで両足で前に1歩。相変わらずの美しい跳躍を披露。
山室、ドリッグスで着地が止まったように見えたがライン減点あり。
沖口、ロペスで着地が右に大きく傾きあわや転倒となるところをこらえる。ライン減点あり。
・徳洲会体操クラブ 平行棒
渡邊、微妙に倒立からはずれる場面があったが全体としてはまずまずの実施で演技をまとめる。
齋藤、ドミトリエンコを前半に入れ、順調に演技を進めるが後半の開脚前宙のあとの倒立で肘をまげて調整。着地は痛さをこらえて踏ん張る。
出口、シャルロなど棒下系の
・相好体操クラブ 鉄棒 174.650
3選手とも大きなミス無く演技をまとめる。
・仙台大学 ゆか 168.100
大きなミスは無かったが、全員着地を止めきれず。
○第5ローテーション
・コナミ 平行棒 224.000
小林、シャルロで入る。途中棒下宙返りで少し歩く、さらにヒーリーに行く前に倒立が戻りそうになるがこらえる。我慢の演技で演技を通しきる。
田中、シャルロを良い捌きで成功、全体として美しい実施で演技をまとめる。着地は少し動く。
内村、マクーツ、ヒーリー、ドミトリエンコ、ハラダなどを入れた構成ほぼ完璧な実施で着地も止める。
・徳洲会体操クラブ 鉄棒 218.950
渡邊屈身コバチ、コールマンを成功、正確な技捌きで伸身新月面の着地は1歩に押さえる。
山本、美しく雄大なカッシーナ、コバチ、コールマンなどを成功し順調に演技を進めたが伸身新月面の着地で後ろに大きく動く。
出口、アドラーひねり~伸身トカチェフの後の車輪で肘まげがあったが、全体としては大きなミス無く演技をまとめる。
・相好体操クラブ ゆか 218.800
古賀、宗像が最後の着地をきめ、チームのいい流れを継続。
・仙台大学 あん馬 209.050
大川が最初の倒立の下ろす場面で腰をおろし、シバドで落下。古谷は良い実施で演技をまとめる。
・順天堂大学 平行棒 221.200
吉岡、入りの逆上がり倒立で少し握り損ね、車輪ディアミドフで手がずれる。その後は立て直し、美しい実施で演技をまとめる。
野々村、シャルロをほぼ完璧に捌き順調に演技を進めたが屈身ベーレの後のバブサーで大きく乱れる。なんとか続行しようとするが支柱に背中をぶつけ落下。痛みをこらえ演技を再開し演技を終了。
加藤、野々村のアクシデントの後落ち着いた演技を披露、まずまずの実施で演技をまとめる。
・日本体育大学 鉄棒 221.100
神本、アドラーひねり~伸身トカチェフ、アドラー1回ひねり~ヤマワキなど大きなミス無くこなす。随所で膝、足首の乱れが気になる演技だった。
岡、アドラー1回ひねりが流れヤマワキに続けられず。その後は立て直し美しい実施で演技を進め、伸身月面の着地は大きく動く。
横山、開脚モズニク、モズニクなどを美しく豪快に成功
・朝日生命 ゆか 217.000
3選手とも大きなミス無く演技をまとめる。
・市立船橋高等学校 あん馬 212.850
谷川がフロップ後にバランスをくずし落下。前野は素晴らしい演技でフォロー。
○第6ローテーション
・順天堂大学 鉄棒
吉岡、コールマンで近づくがうまく捌く、その後順調に美しい演技を続けたが伸身新月面の着地で前に倒れ込み手をつく。
野々村、アドラーひねり~トカチェフ、開脚モズニク、アドラー1回ひねり~ヤマワキなど正確で美しい実施でこなし、伸身新月面の着地はわずかに動く。
加藤、アドラーひねりは単独とし車輪を挟んで伸身トカチェフ、さらにコールマン、アドラー1回ひねり~ヤマワキを安定した捌きでこなし、伸身新月面の着地はわずかに動く。
・日本体育大学 ゆか
池尻、最後の3回ひねりを止める。
岡、2節目の前方宙返り1回ひねり~前方宙返り2回半ひねりで大きく動く。
瀬島、最初と最後で少し動いたが他の部分の着地はほぼ止める素晴らしい実施で演技をまとめ、本人ガッツポーズ、応援席からも大歓声。
・朝日生命 あん馬
塚原、終末技の倒立移動で馬体を越えず手前に下りる。
寺尾、良い実施で演技をまとめる。
山本、大きなミスは無かったが終末技がC難度になってしまう。
・市立船橋高等学校 つり輪
3選手とも高校生らしい演技構成で締めくくる。
・コナミ 鉄棒
田中、コールマンからリバルコはつなげなかったが非常に美しい実施で演技を捌き、伸身新月面の着地はわずかに動く。
植松、コバチ~コールマン、アドラー1回ひねり~ヤマワキなどすべて成功、最後の伸身月面の着地も止める。
内村、カッシーナ、アドラーひねり~コールマン、アドラーひねり~ヤマワキをほぼ完璧に実施、伸身新月面の着地も見事に止め本大会有終の美を飾る。
・徳洲会体操クラブ ゆか
山本、安定した実施で演技をまとめる。
出口、2節目に新月面、その後後ろとびひねり前方屈身2回宙返り、最後は月面宙返り。大きなミス無く演技をまとめる。
佐藤、前方屈身2回宙返りで入り、後ろとびひねり前方屈身2回宙返り、3節目の宙返り連続で若干低い着地となったが力強い実施で演技をまとめる。
・相好体操クラブ あん馬
前半2選手は姿勢が乱れるが持ちこたえる。佐藤は良い実施で演技をまとめる。
・仙台大学 つり輪
各選手終末技の着地を止めきれなかったが、無難に演技をまとめる。
最終順位 詳細結果
1位 コナミ 271.150
2位 日本体育大学 265.850
3位 順天堂大学 265.500
4位 徳洲会体操クラブ 262.800
5位 相好体操クラブ 260.600
6位 朝日生命 258.050
7位 市立船橋高等学校 254.600
8位 仙台大学 252.250
※ 各ローテーションのチーム名の横の数字は累計チーム得点
若干のミスはあったものの高いDスコアの演技をそろえ、得点を積み重ねたコナミが2位以下に大差をつけて圧勝。2位にはミスの少ない演技で日本体育大学が入った。跳馬、平行棒で致命的なミスが出てしまった順天堂大学が0.350の僅差で3位となった。
1つのミスが命とりになる6-3-3制の怖さを思いしらされるような競技会だったが、この緊張感がとりわけ大学生、高校生の若い選手にとっては良い経験を積む非常に有意義な場となっていると思う。こうした経験を積むことは必ずや日本代表として世界の舞台で戦う場合にも役立つことだろう。