第1回世界ジュニア体操選手権大会男子代表決定競技会

報告者:日本体操協会広報委員会 湯浅和宗

ユースルール適用のため、跳馬を除く5種目では終末技+7技をカウント。終末技はC難度で0.5、B難度で0.3のグループ要求点が与えられる。

つり輪のグチョギー、リーニン、平行棒の宙返りから腕支持で受ける技が禁止技とされる。

 

第1ローテーション

田部紫央(ゆか)
かかえこみルドルフ、前方1回ひねり~前方2回ひねり、前方2回半ひねり~前方伸身ひねり、十字倒立、後方3回ひねり
2節目でラインオーバーがあったが大きなミスなく通す。

土井陵輔(つり輪)
屈身ヤマワキ、ヤマワキ、振り上がり倒立、ほんてん倒立、かかえこみ月面ひねり
まずまずの実施で上々のスタート。

末次耕太朗(鉄棒)
コバチを成功、シュタルダーひねり、伸身ルドルフの着地は前に動く。
美しい姿勢で技を正確にこなす。

佐藤優樹(ゆか)
前方2回宙、前方2回ひねり~前方1回ひねり、後方1回半ひねり~前方ひねり、最後の後方3回ひねりで大きく動く。

日高大輝(あん馬)
逆交差倒立、雄大な開脚旋回での前後移動、逆リヤ倒立ひねり移動~前後開脚入れ、逆リヤ倒立5/4ひねり移動下り
柔軟性、つま先の個々の技を正確に美しく捌く。

中村天地(跳馬)
アカピアン、若干着地が詰まったが大きなミスなくまとめる。

矢野雄大(鉄棒)
ヤマワキ、伸身ピアッティで惜しくも落下。やり直して成功するが、続く伸身トカチェフで落下。その後はトカチェフを成功し、伸身サルトの着地はまとめる。

岡愼之助(ゆか)
前方1回ひねり~前方2回半ひねり(前に大きく1歩)、後方2回半ひねり~前方伸身ひねり、後方2回ひねり、後方3回ひねり(ほぼ止める)
入り技で大きく動いたが、個々の技を美しく正確に実施。

第2ローテーション

川上翔平(ゆか)
後方2回半ひねり~前方ひねり、後方1回半ひねり~前方1回ひねり(前に跳んでラインオーバー)、かかえこみ2回宙、マンナ、後方2回ひねり、後方3回ひねり(前に1歩)

長崎奏人(跳馬)
アカピアン、若干頭の下がった着地となったが、両足で後ろに1歩でまとめる。

岡愼之助(あん馬)
ブスナリ、開脚横移動、開脚での前後移動、逆リヤ倒立ひねり移動下り
小柄だが雄大な開脚旋回を披露、安定した実施でしっかり通しきる。

倉田大輝(鉄棒)
ヤマワキ、伸身トカチェフ、トカチェフ、ホップターン、伸身ルドルフのチ着地止める。

矢野雄大(ゆか)
前方2回半ひねり(止める)、かかえこみ2回宙(はずむ)、前方1回ひねり~前方2回ひねり(低くなり前に流れる)、後方2回半ひねり~前方1回ひねり、後方3回ひねり(大きく1歩+1歩)

土井陵輔(跳馬)
ドリッグス、まずまずの跳躍を見せ14点台を獲得。

日高大輝(つり輪)
順調に演技を進め、かかえこみルドルフの着地は後ろに1歩。

福嶋冬真(ゆか)
前方2回ひねり(横に1歩)、後方1回半ひねり~前方1回ひねり、後方2回半ひねり~前方ひねり、後方2回ひねり、後方3回ひねり(横に大きく1歩)
2節目、3節目の宙返り連続は低い実施。

末次幸太朗(ゆか)
高さのある前方2回宙、前方1回ひねり~前方2回ひねり、後方2回半ひねり~前方ひねり、後方3回ひねり
正確で美しい実施、丁寧に演技を進め最後の着地もわずかな動きにまとめる。

第3ローテーション

岡愼之助(つり輪)
屈身ヤマワキ、振り上がり開脚上水平、振り上がり倒立など正確にこなし、終末技はF難度の伸身ルドルフ、着地もわずかな動きでまとめる。

平松航河(ゆか)
前方屈身2回宙でしりもち、前方1回ひねり~前方2回半ひねり、後方1回半ひねり~前方2回ひねり(横にはずむ)、後方3回ひねりの着地は余裕をもって止める。

矢野雄大(あん馬)
Dコンバイン、ロスで惜しくも落下、その後はしっかりまとめる。

江俣有寿彩(跳馬)
アカピアン、まとまりのある跳躍で後ろに1歩

倉田玲男(ゆか)
前方2回宙(前に動く)、前方1回ひねり~前方2回ひねり、後方1回半ひねり~前方1回半ひねり、後方2回ひねり、マンナ、後方3回ひねり(止める)

平田祐一郎(鉄棒)
伸身トカチェフ、トカチェフを成功。伸身ルドルフの着地もほぼ止める。

湯元和志(ゆか)
前方屈身2回宙(はずむ)、前方1回ひねり~前方2回半ひねり(少しはずむ)、後方2回半ひねり~前方ひねり(低くなり、前に1歩)、マンナ、後方2回ひねり、後方3回ひねり(止める)

末次耕太朗(あん馬)
逆交差倒立、Eフロップ、Dコンバイン、ロス、前移動・とび前移動、シバド、美しく大きな旋回で順調に演技を進めてきたが中向き旋回で落下。

土井陵輔(平行棒)
車輪、モイ、バブサー、チッペルト、屈身2回宙
力強さを感じさせる演技、しっかりと通しきる。

川上翔平(あん馬)
Dフロップ、開脚での前後移動、シュテクリAで若干バランスを崩すが大きなミスなく通しきる。

向中野蓮(ゆか)
前方1回ひねり~前方2回ひねり、かかえこみ2回宙、後方2回半ひねり~前方ひねり(低くなり前に動く)、後方2回ひねり、後方3回ひねり(横に1歩)

土井陵輔が暫定1位、岡愼之助が追う展開。

第4ローテーション

壁谷日陽(ゆか)
かかえこみ月面、前方2回ひねり~前方ひねり、後方2回半ひねり~前方伸身宙、十字倒立、後方2回ひねり、後方3回ひねり(後ろに大きく1歩)

津村涼太(鉄棒)
伸身トカチェフ、トカチェフを成功、伸身ルドルフの着地を見事に止める。

倉田翔平(あん馬)
逆交差倒立、Dフロップ、Dコンバイン、ロス、マジャール、シバド、逆リヤ倒立ひねり移動下り
中身の濃い構成をしっかり通しきる。

土井陵輔(鉄棒)
コールマンを成功、順手背面車輪~ケステ、伸身サルト

平田祐一郎(ゆか)
入りの前方かかえこみ1回ひねり~前方2回ひねりでラインオーバーがあったが、勢いのあるゴゴラーゼを見せる、終末技にかかえこみ月面、しっかり通しきる。

岡愼之助(跳馬)
ドリッグス、姿勢欠点のほとんど見られない跳躍、しっかりひねり切り少しの動きで着地をまとめる。

徳田大生(ゆか)
前方2回宙(深いしゃがみ立ち)、後方2回半ひねり~前方ひねり、前方1回半ひねり(低い着地)、マンナ~倒立(少し戻る)、後方2回ひねり、後方3回ひねり(少しはずむ)

江俣有寿彩(平行棒)
ホンマ、棒下、車輪、モイ、バブサー、チッペルト、屈身2回宙返り
後半若干力を使い、終末技の姿勢も少し乱れたが大きなミスなくまとめる。

矢野雄大(つり輪)
振り上がり開脚上水平、ほんてん倒立で肘をゆるめて調整、屈身ヤマワキ、ヤマワキ、かかえこみルドルフの着地は少しの動きでまとめる。

中村天地(ゆか)
前方2回半ひねり、かかえこみ月面(低い着地となりはずむ)、後方1回半ひねり~前方1回ひねり(両足で後ろに1歩)、十字倒立、後方2回ひねり、後方3回ひねり
すべての着地をまとめきれない演技となった。

岡愼之助が土井陵輔をかわし暫定1位。土井陵輔が0.233で追う。

第5ローテーション

末次耕太朗(跳馬)
アカピアン

土井陵輔(ゆか)
大きなミスなく演技を進め、最後の後方3回ひねりを見事に止める。

田嶋将太(鉄棒)
ヤマワキ、ホップターンで少しぶれる、伸身サルトの着地は後ろに1歩。

猪口謙蔵(ゆか)
前方2回ひねり~前方1回ひねり、後方2回半ひねり~前方ひねり(お手つき)、後方2回ひねり、伸肘倒立で歩く、後方1回半ひねり~前方1回ひねり、後方3回ひねり(後ろに大きく動く)

日高大輝(鉄棒)
アドラー1回ひねり、アドラー、順手背面車輪~ケステの捌きは見事。伸身サルトの着地もまとめる。

矢野雄大(跳馬)
ドリッグス、大きな跳躍。

長崎奏人(ゆか)
後方2回半ひねり~前方1回ひねり(横に動く)、かかえこみ2回宙(はずむ)、前方2回ひねり、前方1回半ひねり(低い着地となる)、後方3回ひねり(ひねりすぎて大きく動く)

平田祐一郎(あん馬)
開脚での前後移動、シュピンデルなど開脚旋回技を多用した構成。大きなミスなく通しきる。

江俣有寿彩(鉄棒)
伸身トカチェフ、ホップターン、伸身サルトは高い位置でひねり切り余裕のある実施、着地は後ろに1歩。

津村涼太(ゆか)
前方2回宙でしりもち、前方2回ひねり~前方1回半ひねり、後方2回半ひねり~前方ひねり、ゴゴラーゼ、後方2回ひねり、後方3回ひねり(前に小さく1歩)

岡愼之助(平行棒)
ホンマ、棒下ひねり、棒下、車輪、チッペルト、バブサー、ツイスト、前方2回宙ひねり
着地は後ろに1歩動いたが個々の技を正確で美しく捌く。

北側凛太郎(平行棒)
後ろ振り上がり倒立、車輪、モイ、チッペルト、ツイスト、屈身2回宙
途中倒立で反ったりする場面があったが大きなミスなく演技をまとめる。

岡愼之助が暫定トップをキープ、0.656差で土井陵輔が追う。2位土井と3位江俣有寿彩との差が約3点。優勝争いは岡と土井に絞られてきた感じ。

最終ローテーション

平松航河(跳馬)
アカピアン、雄大な跳躍。

日高大輝(ゆか)
大きなミスなく演技を進め、最後の後方3回ひねりの着地を見事に止める。

岡愼之助(鉄棒)
伸身トカチェフ、トカチェフ、アドラー、アドラーひねり、ホップターン、伸身ルドルフ
この種目も一つ一つ丁寧にこなし、着地もしっかり止める。

津村涼太(あん馬)
Eフロップ、Dコンバイン、開脚での前後移動、逆リヤ倒立ひねり移動下り
安定感のある実施でしっかり通しきる。

江俣有寿彩(ゆか)
前方屈身2回宙(前に1歩)、前方1回ひねり~前方2回ひねり、後方2回半ひねり~前方1回半ひねり、後方2回ひねり(少しはずむ)、十字倒立、後方3回ひねり(横に1歩)

壁谷日陽(つり輪)
けあがり十字懸垂、開脚上水平、ほんてん倒立、振り上がり倒立、ヤマワキ、かかえこみ月面
大きなミスなく演技をまとめる。

土井陵輔(あん馬)
逆交差倒立、Eフロップ、Dコンバイン、ロスの終末局面で落下。前移動3/3、シバド、逆リヤ倒立下り
途中惜しくも落下、さらに終末技も倒立に上げきれず。

田嶋将太(ゆか)
前方2回宙(少し動く)、前方2回ひねり(少し動く)、脚上挙~倒立(脚を抜くときゆかに触れる)、マンナ、後方1回半ひねり~前方ひねり、後方2回ひねり

末次耕太朗(平行棒)
後ろ振り阿賀委r倒立、ヒーリー、棒下ひねり、棒下、車輪、モイ、チッペルト、屈身2回宙(後ろに1歩)


6種目大きなミスなく正確で美しい演技を見せた岡愼之助が2位以下に2点近い大差をつけて優勝、世界ジュニア日本代表の座をつかんだ。

2位には最終種目あん馬でミスのあった土井陵輔が、3位には江俣有寿彩が入った。