第73回全日本個人男子予選2班報告
第1ローテーション
萱 和磨(鉄棒)
アドラーひねり、伸身トカチェフ、トカチェフ、順手背面車輪~ケステ抜き、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、ホップターン、伸身ルドルフ、大きなミスなく演技をまとめる。
田中佑典(ゆか)
かかえこみルドルフを止め、出だし順調だったが2節目の前方2回半ひねりで胴体着陸、その後は丁寧にまとめる1種目目で出遅れる。
野々村笙吾(鉄棒)
伸身トカチェフ、リンチ、アドラー1回ひねり、ヤマワキなど順調な演技、伸身ルドルフの着地もほぼ止める。
谷川 翔(あん馬)
新たにアイヒホルンを入れた構成、ベルキでバランスを崩すが持ちこたえる。開脚シュピンデル、開脚の前後移動など開脚旋回で目を引く演技。
前野風哉(ゆか)
後方3回半ひねりから入り順調に演技を進め、最後の後方3回ひねりまでしっかりまとめる。
三輪哲平(あん馬)
逆交差倒立、Eフロップ、Dコンバイン、ロス、トンフェイなどを取り入れた構成。しっかり通しきる。
千葉健太(ゆか)
前方2回宙ひねりで入り、宙返り連続を2本。美しい実施で最後の後方3回ひねりもまとめる。
北囿丈琉(平行棒)
棒下ひねりで少しもたついたが、開脚前宙、バブサー、チッペルトなど美しい実施、中でもE難度のリチョルホンの捌きは見事だった。前方2回宙ひねりの着地は少し動く。
杉本海誉斗(鉄棒)
ヤマワキ、アドラーひねり、伸身トカチェフ、リンチ、勢いのある実施で伸身ルドルフの着地止める。
谷川 航(あん馬)
正交差倒立で片手を前に2回動かす、逆交差倒立はわずかに倒立から逸脱。落下することなく立て直し、フロップ、コンバイン、ロスなどをしっかり捌き通しきる。
府殿大祐(平行棒)
一つ一つの技を基本に忠実に捌く好感のもてる演技。最後はガッツポーズ。
加藤裕斗(あん馬)
体線を活かした美しい実施、ウーグォニアン、ロスで少し動きが詰まるがしっかり通しきり14点台に乗せる。
内村航平(ゆか)
前方1回~前方2回半ひねり、後方3回半~前方2回ひねり、かかえこみルドルフ、大きなミスなく演技を進めたが、個々の着地が微妙にきまらず。最後の後方3回ひねりはしっかり止める。
白井健三(つり輪)
振り上がり中水平、アザリアン、ヤマワキ連続、ホンマ十字懸垂がやや高め。かかえこみルドルフの着地は少し動く。
武田一志(ゆか)
前方屈身2回宙、宙返り連続を3本、丁寧な演技で最後の後方3回ひねりは後ろに1歩。
第2ローテーション
野々村笙吾(ゆか)
前方屈身2回宙で入り、まずまずの実施で演技を進め最後の後方3回ひねりを止める。
前野風哉(あん馬)
ショーン、Eフロップ、Dコンバインなどを入れた構成。移動技の向きも正確に捌く。
谷川 翔(つり輪)
Dスコアは高くないが、丁寧な演技。
三輪哲平(つり輪)
ホンマ十字懸垂、振り上がり開脚上水平など丁寧に捌き、着地もまずまず。
千葉健太(あん馬)
大きなミスはなかったが、逆交差倒立で入り、微妙にバランスを崩した状態で、ブスナリ、ショーンなどを実施、ロスで脚を馬体に少しぶつける。
北囿丈琉(鉄棒)
順手背面車輪~ケステ抜きを美しく捌く。伸身ルドルフの着地も止める。
加藤凌平(あん馬)
若干旋回の勢いがなく慎重に演技している様子。逆交差倒立、マジャールシュピンデル、トンフェイなど大きなミスなく実施。
白井健三(跳馬)
シライ・キムヒフン、着地が少し乱れる。
谷川 航(つり輪)
逆上がり中水平、後方けあがり中水平、アザリアン、ホンマ十字懸垂などしっかり止め、かかえこみルドルフの着地は吸い込まれるように止める。
内村航平(あん馬)
逆交差で入り、順調そうに見えたがウーグォニアン、ロスでバランスを崩し脚を開いてこらえるが落下。
田中 樹(平行棒)
倒立姿勢など個々の技を美しく実施。前方2回宙の姿勢も良く着地を止める。
第3ローテーション
千葉健太(つり輪)
振り上がり上水平、中水平、振り上がり中水平は身体が真っすぐでしっかり水平をキープ。その後もミスなくこなしかかえこみルドルフの着地も止める。
田浦誠也(平行棒)
リチャード、アームツイストなど腕支持系の強さを表現した演技。
田中 樹(鉄棒)
雄大で美しい演技。ポゴレロフ、順手背面車輪なども見事な実施。しっかり通しきり伸身ルドルフの着地も止める。
谷川 航(跳馬)
ブラニク、素晴らしい跳躍で観客席がどよめく。本人もガッツポーズ。
武田一志(あん馬)
逆交差倒立、正交差倒立、Dコンバイン、後半に開脚の前後移動を雄大に実施。しっかり通しきる。
カルロス・ユーロ(平行棒)
非常に身体の締まった美しい姿勢は日本選手にも見習ってほしいところ。
萱 和磨(ゆか)
前方2回宙ひねり、前方屈身2回宙、まずまずの実施で最後の後方3回ひねりの着地を止める。
神本雄也(平行棒)
G難度のヤマムロを成功、さらにリチャード、アームツイストなど腕支持の通夜さも表現、バブサーはふわりと浮く感じの良い実施。前方2回宙ひねりの着地は前に動いたが、攻めの演技でただ一人15点台を獲得。
山本翔一(あん馬)
ブスナリでバランスを崩したか、倒立ひねり移動を2往復。落下せず通しきる。
内村航平(つり輪)
振り上がり中水平、けあがり中水平は正確で美しい姿勢。順調に演技を進めかかえこみルドルフの着地を見事に止める。
橋本大輝(跳馬)
ロペス、何気なくひねり切ったような一見アカピアンと見まごう跳躍。
萱 和磨(あん馬)
ブスナリを封印し、後半に開脚の前後移動を入れた構成。大きなミスはなかったが若干細かいミスが散見される演技。
白井健三(平行棒)
マクーツをスムーズに成功。大きなミスなく演技を進めたが、前方2回宙ひねりが低くなり窮屈な着地で前に大きく1歩。
野々村笙吾(あん馬)
正交差倒立、逆交差倒立、Eフロップ、トンフェイまでは順調だったが、Dコンバインで脚割れ、マジャールでバランスをくずし脚も開く。落下はしなかったが得点を伸ばせず。
谷川 翔(跳馬)
ドリッグス、しっかりひねりきる正確な跳躍。
前野風哉(つり輪)
逆上がり中水平、振り上がり中水平、アザリアンなど力強い実施。着地は少し動くが質の高い実施で通しきる。
平行棒で高得点をあげた神本雄也が暫定トップに浮上。それを谷川翔、谷川航、府殿大祐が追う展開。
第4ローテーション
府殿大祐(あん馬)
開脚マジャールシュピンデル、開脚での前後移動を入れた構成。しっかり通しきりガッツポーズ。
神本雄也(鉄棒)
カッシーナを良い位置でキャッチ、コールマンも少し近づくが成功。さらに伸身トカチェフなども実施し伸身ルドルフの着地を止める。
カルロス・ユーロ(ゆか)
世界選手権銅メダリスト。前方屈身2回宙、後方2回半~前方2回半ひねりを鋭いひねりで実施。その後も鋭いひねり技を見せ最後の後方3回ひねりも少しの動きでまとめる。
白井健三(鉄棒)
屈身コバチ、ポゴレロフを美しい実施で成功。雄大に演技を進め伸身ルドルフの着地も止める。
千葉健太(跳馬)
ロペス、右前に大きく1歩、-0.3のラインオーバー。
谷川 航(平行棒)
棒下ひねりが少し倒立から逸脱、棒下宙返りで歩くが立て直し、大きなミスなく前方2回宙ひねりも吸い込まれるように止める。
萱 和磨(つり輪)
逆上がり中水平、振り上がり中水平を力強く捌く。ホンマ十字懸垂も手首を意識した実施。F難度の伸身ルドルフの着地もわずかな動きにまとめる。
野々村笙吾(つり輪)
逆上がり中水平、振り上がり十字倒立、屈身ヤマワキ~振り上がり中水平、アザリアン、振り上がり上水平、水平技の表現がかっこいい。伸身サルトの着地も止める。
谷川 翔(平行棒)
棒下宙返りが若干屈腕の捌きになるが全体として正確で美しい実施。前方2回宙ひねりの着地もしっかり止める。
内村航平(跳馬)
シューフェルト、めずらしく着地が乱れラインオーバーもあり。
第5ローテーション
谷川 航(鉄棒)
ヤマワキ、伸身トカチェフと順調だったが、モズニクで落下。モズニクをやり直し成功し、その後はミスなく伸身ルドルフの着地をしっかり止める。
内村航平(平行棒)
マクーツ、ヒーリーと出だし順調に見えたが棒下ひねりでバランスをくずす。さらに棒下宙返りが屈腕の捌きとなりモリスエで受けた際落下、肩をおさえて苦しそうな表情。なんとか演技を再開し最後まで演じるが順位を大きく下げる。
長谷川智将(あん馬)
アイヒホルン、開脚シュピンデル、ブスナリなど順調に捌き、開脚での前後移動も成功。しっかり通しきる。
橋本大輝(鉄棒)
アドラー1回ひねり、アドラーひねり、コールマン、伸身トカチェフを美しく実施。伸身ルドルフの着地は少し動くがしっかり通しきる。
谷川 翔(鉄棒)
ヤマワキひねりで入り、順手背面車輪~ケステ抜き、シュタルダー1回半ひねり、ヤマワキ、伸身サルト。ポゴレロフを抜いた構成だったが、完成度の高い実施で演技をまとめる。
北囿丈琉(つり輪)
高難度の力技などは入っていいないが、F難度の伸身ルドルフを後ろ1歩にまとめる。
前野風哉(平行棒)
良い意味での重量感を表現できる演技。ポピュラーな内容だがしっかりした実施で前方2回宙ひねりの着地までまでしっかりまとめる。
府殿大祐(つり輪)
けあがり中水平、アザリアン、ホンマ十字懸垂、屈身ヤマワキ、さほど高いD難度の構成ではないが丁寧な実施でかかえこみルドルフの着地までしっかり通しきる。
千葉健太(平行棒)
ホンマ、ヒーリー、棒下ひねり、棒下宙返り、開脚前宙と勢いある実施。バブサーで足をバーにぶつけ姿勢も乱すが、なんとか持ちこたえ前方2回宙ひねりの着地まで通しきる。
神本雄也(ゆか)
伸身サルトで前に大きく1歩、後方1回半~前方2回半、前方2回~前方1回半ひねりともに動く。後方2回半~前方1回ひねりは少し低くなる。最後の後方3回ひねりはわずかな動きにまとめる。
5種目を終了し、谷川翔が暫定トップに浮上。神本雄也らが追う展開。
最終種目を残しての暫定順位
1位 谷川 翔 71.166
2位 神本雄也 70.699
3位 武田一志 70.599
4位 前野風哉 70.465
5位 萱 和磨 70.431
6位 谷川 航 70.332
7位 田中 樹 70.465
8位 野々村笙吾 70.232
9位 橋本大輝 70.165
10位 千葉健太 70.133
第6ローテーション
白井健三(あん馬)
逆交差倒立、Eフロップ、モグィルニーなど少しバランスを崩しながらも演技を進め、終末技は力を使った捌きになる。
武田一志(鉄棒)
ヤマワキ、コールマン、浮きのあるホップターン、順調に演技を進め伸身ルドルフの着地もまずまずまとめる。
橋本大貴(ゆか)
取り立てて大技はないが丁寧な実施、最後の後方3回ひねりの着地も止める。
萱 和磨(平行棒)
棒下宙返りが若干屈腕の捌きとなるが、バブサー、チッペルトなども不安なく捌き前方2回宙ひねりの着地までミスなく演技をまとめる。
長野託也(つり輪)
姿勢、角度の正確さ、静止時間も十分な実施で水平技、十字倒立などを実施。かかえこみルドルフの着地は少し動いたがこの種目の最高得点を獲得(武田一志と同点の14.600)
野々村笙吾(平行棒)
シャルロで足がバーの近くまで下がってしまい力でこらえる。なんとかヒーリーにまで続けたが難度認定されず、実施減点も大きく順位を大きく下げる。
谷川 翔(ゆか)
前方屈身2回宙ひねり、前方2回半ひねりなど宙返り技もまずまずの実施でまとめ。開脚シュピンデル倒立~ゴゴラーゼを実施。最後の後方3回ひねりもしっかりまとめる。
前野風哉(鉄棒)
ヤマワキひねり、モズニクなどを入れてDスコアを高めた構成、力強さを感じさせる実施でしっかり通しきる。
千葉健太(鉄棒)
伸身トカチェフ、トカチェフ、アドラー1回ひねり~ヤマワキなどストレスなく実施。伸身ルドルフの着地も止める。
神本雄也(あん馬)
とび正交差ひねり、正交差ひねり、とび正交差、とび逆交差、など交差系の技を多用した構成、途中ロスで痛恨の落下。順位を下げる。
谷川 航(ゆか)
宙返り連続で入り、前方屈身2回宙ひねり、前方屈身2回宙と着地をまとめる。最後の後方3回ひねりは両足で少し動いたが、全体として着地減点の少ない実施で演技をまとめる。
内村航平(鉄棒)
素晴らしい屈身コバチ、カッシーナ、コールマンアドラー1かひねり、ヤマワキなどさすがと思わせる素晴らしい実施。着地も止まったかに見えたが前に体重がかかり両ひざをつき両手で支えてしまう。
予選結果
1位 谷側 翔(順天堂大学) 85.566
2位 前野風哉(セントラルスポーツ) 84.865
3位 谷川 航(セントラルスポーツ) 84.765
4位 武田一志(徳洲会体操クラブ) 84.699
5位 萱 和磨(セントラルスポーツ) 84.664
6位 千葉健太(セントラルスポーツ) 84.266
7位 橋本大輝(船橋市立船橋高等学校) 83.931
8位 長谷川智将(徳洲会体操クラブ) 83.799
9位 野々村笙吾(セントラルスポーツ) 83.732
10位 柚木健太朗(日本体育大学) 83.698
11位 田中 樹(日本体育大学) 83.597
12位 荒屋敷響貴(順天堂大学) 83.465
昨年の覇者、谷川翔が1位で予選通過。高校生の橋本大輝が7位と大健闘。
30位までの選手が今日の得点を持ち点として明後日(4月28日)の決勝にのぞむ。
加藤凌平は19位、白井健三は21位で予選通過、田中佑典はゆか、あん馬のミスが響き36位、内村航平も信じられないミスが重なり37位でまさかの予選落ちとなった。