第48回世界体操選手権レポート1

報告者:遠藤幸一

いよいよ東京オリンピックの戦いがスタート!今大会、団体決勝で上位3位に入ると団体出場権を獲得します。各国ともに昨年以上に大きな意義のある大会となります。その意味で、本番の競技会場で事前に一度だけ練習が許されている男子ポディウム練習1日目が行われました。まずは男子ポディウム練習1日目のレポートをお送りします。
【1班】
 注目はロシア。現地入りが遅く、少しミスの目立つ動きだったが、この班の中ではやはり強い印象を示した。跳馬、ドラグレスク、ロペス、シューフェルト、ヨー2、ブラニクなど高難度跳躍技を行うができばえが不十分。その1ランク下の技を実施して着地をまとめるシーンもあり。平行棒、3選手(Belyavskiy、Dalaloyan、Lankin)がリチャードを実施。鉄棒ではベテランのKuksenkovが登場。ゆか、NagornyyとLankinが後方かかえ込み3回宙返り(H難度)を実施。あん馬、Nagornyy、Belyavskiyがショーンを実施。つり輪、中水平、上水平、D十字懸垂を中心にした構成。
 ルーマニアは全体的に競技力を伸ばしきれていない。1980年生まれのDragulescuがゆかと跳馬を実施。跳馬でドラグレスク、リシャオペンを行わずローチェとロンダートひねり前転前宙のみの練習。
 フランス、技の狙いは上位国に位置しているが、コマが不足している感じ。Tommasoneのあん馬、正交差倒立~逆交差倒立、Dコンバイン、Eフロップ、開脚旋回前後移動(開脚旋回の大きさが不足気味)、ロス、ロシアン、転向倒立1回ひねり3部分移動下り。
【2班】
 オランダ、ベルギー、ベラルーシなど、中堅どころが登場。オランダ、Zonderlandの鉄棒エンド―1回ひねり大逆手、カッシーナ~コバチ、コールマン~ゲイロード2、アドラー1回ひねり両逆手、アドラーひねり、シュタルダー、ホップターン、伸身新月面着地を止める。Deurlooもコバチ~コールマンを実施。Deurlooはゆかでも単独でいい動きを見せる。ベルギーKuavitaの動きがしなやかでいい。チームとしてはあん馬で苦労しそう。つり輪Goossensが逆上がり上水平、後転中水平など力の表現がいい。ベラルーシ、Likhovitskyがチームの中心だが、次世代の存在は出てきていない。
【3班】
 上位進出を目指すスイスが登場。鉄棒Hegiアドラーひねり~デフ、Braeggerカッシーナ、コールマン、伸身トカチェフ~リンチ(いいさばき)、アドラー1回ひねり両逆手、伸身新月面。ゆかとあん馬では少しチームとして苦戦。イスラエルチームとしての準備ができている。ゆか、Dolgopyat前方2回宙1回半ひねり、前宙1回ひねり~前宙2回半ひねり、後方宙4回ひねり、後方宙2回半ひねり~前宙2回ひねり、後方宙1回半ひねり~前宙1回半ひねり、フェドルチェンコ、新月面。Shatilov前方屈身2回宙ひねり、後方宙2回半ひねり~前宙2回ひねり~前宙1回ひねり、新月面、前宙2回半ひねり、後方宙1回半ひねり~前宙1回半ひねり、フェドルチェンコ、後方宙3回ひねり。できばえは完ぺきではなかったが、ゆかはこの二人がチームをけん引。北朝鮮、リセグワン、リセグワン実施せず、屈身ローチェでしりもちを繰り返すなど好調をアピールできず。単独ではいい技を示すこともあるが我慢できないミスが目立つ。ノルウェー平行棒で単独だったが「カトウヒロユキ」を実施した選手が!
【4班】
 カザフスタン、アゼルバイジャンなど中堅国が登場。カザフスタンのあん馬はGコンバインやショーン、ベズゴ、一把手上下向き1080度転向など、ユニークな技に取り組む選手が目に付いた。アゼルバイジャンもそうだが、レベルの高い選手と低い選手の混在するチームは、全体としてどれだけ大過失を抑えるかがカギとなる。個人出場のフィリピンのYULO Carlos、全種目を通じて成長。跳馬ではロペスとローチェを決める。
【5班】
【5班】
 ウクライナが登場。Verniaev、ミスもあり怪我の影響を感じられる練習だったが、丁寧に調整を進めている様子だった。つり輪は練習せず? チームとしての戦力は中堅国に位置し、ミスを抑えて団体決勝進出を狙う位置にある。Radivilovのつり輪、力強さを表現する中水平や十字倒立をみせる。カナダとスペインはそれよりも戦力を落とすがところどころでいい演技を見せる。一方、スウェーデンはチームの雰囲気がよくまとまりが感じられる。ニュージーランドのKoudinov、自身の名前のつくゲイロード1回ひねりは実施せず、屈身ゲイロードとゲイロードを成功。地元カタールの選手、あん馬でショーンなどきれいに決めていた。
以上、男子1日目のポディウム練習終了。明日は朝9時から日本が登場。
そういえば男子は新技申請がなかったとの報告を受ける。少し残念。

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