第47回世界体操レポート/女子ゆか決勝

報告者:

村上茉愛
4回ターン、シリバス、後方伸身2回宙、後方2回半ひねり~前方1回ひねり、交差輪とび~カデット1回ひねり、片足水平2回ターン、後方屈身2回宙(両足で後ろ一歩)。場内の応援も素晴らしく、人気の高さを感じさせた。リオ五輪のゆか決勝で実施したチュソビチナを温存して、実施重視の構成の中、素晴らしい演技を見せて本人も満足のいく演技。14.233。後の選手たちの結果を待つ。
MOORS Brooklyn (CAN)
エレガンス賞受賞のきっかけとなった美しい演技に期待。
ポドコパエワ、前方2回ひねり~前方1回ひねり~鹿ジャンプ、アラベスク2回ターン、交差輪とび~カデット半ひねり輪とび、前後開脚ジャンプ1回ひねり~シソンヌ、後方2回ひねり~かかえ込み前宙。実施もうまくまとめ、振付の美しさが際立った。旧ソ連のサージコーチの指導の賜物か。13.650
MORI Lara (ITA)
後方伸身2回宙(弾かれた着地)、交差輪とび~ジョンソン1/2ひねり、メメル~イリュージョンターン、後方2回半ひねり~伸身前宙(膝が緩む)、かかえ込み月面、後方3回ひねり。イタリアのゆかのレベルの高さを感じさせる演技 13.266
CAREY Jade (USA)
シリバス、伸身月面、2回ターン、交差とび1/2ひねり、後方2回半ひねり~鹿とび、カデット1/2ひねり、かかえ込み月面。タンブリングの難度の高さが素晴らしいが、体操系が物足らない印象。実施はまずまず。14.200と僅かに村上に届かず。
FRAGAPANE Claudia (GBR)
伸身月面、後方伸身2回宙~鹿とび、交差からのウルフとび、カデット1/2ひねり、交差とび1/2ひねり、かかえ込みアラビアン2回宙、カデット1回ひねり、後方屈身2回宙。リオの雪辱を果たした実施。最後の着地も見事に止めた。13.933
BLACK Elsabeth (CAN)
ポパ、後方2回半ひねりから後方かかえ込み2回宙(ラインオーバー)、前方2回ひねり~かかえ込み前宙、カデット1/2ひねり~交差とび1/2ひねり、前方1回ひねり~後方屈身2回宙(前に弾かれる)。平均台に続く不本意な演技となったが、カナダ初の個人総合メダリストへの声援はすごかった。12.900
SANTOS Thais (BRA)
後方1回半ひねりからかかえ込みアラビアン2回宙(前に一歩・・・ラインギリギリ)、テンポ宙~後方3回ひねり、交差輪とび~交差とび1/2ひねり、かかえ込み月面、輪とび、後方屈身2回宙(前一歩)。最初のシリーズのレベルは高かったが、表現力に課題を残した印象。13.666
FERRARI Vanessa (ITA)
シリバス(右にずれる)、テンポ宙~かかえ込み月面(前に崩れる)。アキレス腱切断か?ここで演技終了。ロンドン、リオと五輪でのゆかのメダルを僅差で逃し続けているだけに、2006年個人総合優勝のベテランの意地を見せたかったが、残念な結果となった。9.933
村上茉愛が最初の演技者で完璧な演技を見せて、その後の選手の追い上げをかわし、1954年の世界選手権で池田敬子氏(旧姓田中)が平均台で獲得して以来、実に63年ぶりの快挙となる金メダルを日本にもたらした。正に快挙としかいいようがない。本人も個人総合の後にこのゆかにかける思いを語っていただけに、満足以上の結果を出してくれた。こうして狙って取りに行ける実力の高さも是非評価したい。アメリカのCAREYが村上に肉薄し0.033差で2位に入り、3位にはイギリスのFRAGAPANEが嬉しい銅メダル獲得となった。
結果
1位 MURAKAMI Mai JPN 14.233
2位 CAREY Jade USA 14.200
3位 FRAGAPANE Claudia GBR 13.933
4位 SANTOS Thais BRA 13.666
5位 MOORS Brooklyn CAN 13.650
6位 MORI Lara ITA 13.266
7位 BLACK Elsabeth CAN 12.900
8位 FERRARI Vanessa ITA 3.933