2017年第14回アジアジュニア選手権大会女子報告

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参加国数: 17カ国、参加人数:57名
「団体戦/個人総合決勝」5月16日
 この日は午前中にホテルでザリを行った。ホテルの廊下が広めであったため、ランニング、補強、平均台の動きなど、しっかりと体を動かすことが出来た。
 午後の試合では各選手の体調やメンタル面で特に気になるところもなく試合に臨むことが出来たが、試合直前の割り当てのローテーション練習で他の国が間違ってくるなどバタバタとしたアップ練習となってしまった。試合も第一ローテーションからゆかの音楽に問題が発生したため待ち時間が長くなるなど、スムーズに進行しなかったことが選手にとってはマイナス要因になったかもしれない。
 日本チームは跳馬からスタートしたが、全員が13点台を取る好スタートとなった。続く段違い平行棒では、日本の4選手中、2名が特別要求を満たしておらず、落下ミスもあった。3種目目の平均台は、選手たちは最後まで本会場の器具に合わせることが出来ずにいたが、本番では大過失をしても1つでおさえた点は良かったと思える。最終種目のゆかの2分間アップの際に村上選手が軽い捻挫をしてしまい、急きょ補欠の竹澤選手が出場することとなった。竹澤選手は万が一に備えてサブ会場で練習していたものの、尻もちをつく大過失をしたが、他の3選手がミスのない良い演技をしたため、日本は中国に次いで団体2位。個人総合でも畠田選手が2位、大口選手が3位となった。
 優勝した中国とは段違い平行棒のD得点の差が歴然としており、最近指摘されている日本の女子の弱点を再認識する結果となった。
「種目別決勝1日目」5月20日
 ジュニアの種目別決勝は男子と女子の選手が交互に演技すると聞かされていたが、実際に始まってみると、同時進行となり、予定されていた演技開始時間が早まった。海外の試合では予定通りに進行しないことがよくあることを考慮に入れ、日本の女子ジュニア選手は少し早めにウォーミングアップしていたため、うまく対処することができた。
 前半1種目目の跳馬では大口選手が出場。大きなミスはなかったが、予選のときよりは実施が若干劣り、惜しくも4位となってメダルを逃した。
 2種目目は段違い平行棒。村上選手は予選ではイエーガー宙返りで落下したが、この日は大きなミスがなかった。しかし、細かい実施減点があり、予選のときとさほど得点が変わらず、4位となった。畠田選手も大きなミスはなかったが、高バーから低バーへの移動技がなく、もともとのD得点が低いため、6位タイとなった。
「種目別決勝2日目」5月21日
 後半の2種目にはともに大口選手と畠田選手が出場。最初の平均台では8選手中6選手が落下するなか、畠田選手は大過失することなく演技を終え、2位となった。大口選手は上がりの前方屈身宙返りで落下し、4位となった。優勝した中国選手の安定性・D得点の高さは群を抜いており、またもうひとりの中国選手も落下があったものの、D得点の高さと実施の明確さで3位となった。中国選手の練習を見ていると、基本的な動きがしっかりしており、連続技が多く取り入れられていたことも特徴のひとつであった。
 最終種目のゆかでは大口選手、畠田選手ともにメダル候補であったが、両選手とも大過失を犯し、メダルを逃してしまった。
「総評」
 今回のアジアジュニア選手権は、2020特別強化選手3名、ジュニアナショナル選手1名、Aクラストップ選手1名で団体戦、個人総合、種目別決勝に挑み、団体2位、個人総合2位、3位、種目別平均台2位という結果に終わった。優勝は団体、個人総合、種目別と中国選手がほぼ独占する形となったが、日本選手では2020特別強化選手が個人総合、種目別とメダルを獲得し、東京オリンピックに向けた強化が順調に進んでいることが感じられた。中国選手との差は姿勢、全習力であった。日本チームは、本大会が初の国際試合となる選手が4名という経験のないなかでの戦いで、各選手の次回の国際大会での活躍、そして東京オリンピックでの団体メダル獲得の期待が高まる大会になったと思う。
 最後に、このような機会を与えて頂いた日本体操協会に心より感謝いたします。
※この事業は、(独法)日本スポーツ振興センター競技力向上事業としての助成金交付に基づき活動を行っています。