第31回オリンピック競技大会・女子団体決勝

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第1ローテーション(日本:ゆか)
日本
杉原 後方2回半ひねり~伸身前宙、前方2回ひねりの着地はきれいに止めて、体操系も実施はよく、予選よりもいい演技。14.100
村上 シリバス、チュソビチナとしっかりと決めて、その後後方2回半ひねり~伸身前宙1回ひねりも着地を止めた。最後の後方屈身2回宙は後ろに大きく弾んでしまったが、うまくまとめた演技。14.466
宮川 予選で失敗した伸身前宙~前方2回宙は着地を止めたものの、チュソビチナと、最後の後方伸身2回宙でラインオーバー。ポパ半ひねり、ジョンソン半ひねりと体操系はよかっただけに残念な演技であた。13.908
チーム得点 42.474
アメリカは跳馬。HERNANDEZ、ユルチェンコ2回ひねりで着地は両足で前一歩。RAISMANはアマナールで着地を止める。BILESはアマナールで僅かに前に一歩動いたが高さ十分。チーム得点46.866
ロシアは段違い平行棒。大きなミスなく演技を終える。チーム得点46.166。
ブラジルは平均台でBARBOSAが落下。SARAIVAが後方開脚伸身宙の後に大きくふらつきがあったものの、14.833を出したが場内は大ブーイングであった。チーム得点41.999
ドイツは平均台で全員が好調な演技を続け、14点台をキープ。チーム得点43.100
オランダはゆか。WEVERS Lが後方かかえ込み2回宙でラインオーバー。そして、THORSDOTTIRが後方2回半ひねり~伸身前宙でラインオーバー。2人のラインオーバーがあり点数を落とした。チーム得点41.666
中国は跳馬。MAOとTANがユルチェンコ2回ひねりでそれぞれ着地が後ろに動いた。WANGはチュソビチナで前に僅かに一歩。チーム得点44.332
イギリスは段違い平行棒。DOWNIE Eはマロニーのところで技のきっかけが合わずダブルスイングとなる。DOWNIE Rはチャウ~リチナと繋げたかったが、チャウのところで車輪を一度入れたため、Dスコアを下げた。チーム得点44.866
早くも大過失、中過失を出している国が出てきており、ノーミスのアメリカが早くも抜きんでている。
第1ローテーション後順位
1位 アメリカ 46.866
2位 ロシア 46.166
3位 イギリス 44.866
4位 中国 44.332
5位 ドイツ 43.100
6位 日本 42.474
7位 ブラジル 41.999
8位 オランダ 41.666
第2ローテーション(日本:跳馬)
ドイツはSEITZとSCHAEFERはいい演技を見せたが、BUIがミスをして点数を伸ばせず。チーム得点41.674
イギリスはDOWNIE Eが落下。FRAGAPANEも得点を伸ばせず。チーム得点41.965
オランダは跳馬。WEVERS Lはユルチェンコ1回ひねり。VAN POLがユルチェンコ1回半ひねりで大きく後ろに一歩。そしてTHORSDOTTIRがユルチェンコ2回ひねりで、実施は非常に美しく15.000をマーク。チーム得点43.033
中国は段違い平行棒。SHANGがシャポシュニコワ~ギンガーで落下。FANは15.733を出したが、TANはパク宙の際の体の位置が低く、14.941に留まり、思いのほか点数が伸びず。チーム得点45.007
日本
村上 ユルチェンコ2回ひねりで後ろに両足で一歩。14.833
寺本 チュソビチナで前に一歩弾む。飛距離がもう少し欲しいところ。14.833。
宮川 チュソビチナで前に一歩動いたが、高さ、距離はまずまず。15.066
チーム得点 44.832
ロシアは平均台。MELINKOVAがトップバッターであったが、後方開脚伸身宙で落下。TUTKHALIANは後方伸身宙、後方宙返り1回ひねりでふらつきがあったものの14.766
アメリカは段違い平行棒。BILESは昨日にやや停滞した箇所を修正して、着地も止めて14.800。DOUGLASは閉脚シュタルダー1回ひねり~閉脚トカチェフ~パク宙と繋げて15.766。その後、KOCIANが演技をしたが、世界王者らしく15.933。チーム得点46.499
ブラジルはゆか。BARBOSA、SARAIVAと14点台を続けたが、ANDRADEが屈身2回宙で手を着いてしまい12.966。この得点が響いてチーム得点は41.732。
各チームにミスが目立ったローテションとなり、日本が4位につけている。
第2ローテーション終了時点
1位 アメリカ 93.365
2位 中国 89.339
3位 ロシア 88.923
4位 日本 87.306
5位 イギリス 86.831
6位 ドイツ 84.774
7位 オランダ 84.699
8位 ブラジル 83.731
第3ローテーション(日本:段違い平行棒)
日本
寺本 予選と同じく、各倒立がしっかりとはまり、ひねり系のぶれもない素晴らしい演技。14.866
杉原 非常に安定した演技で、最後のかかえ込み月面の着地まで止めた。14.600
内山 最初の閉脚シュタルダー1回ひねり~コモワは今日も素晴らしい捌きを見せた。その後もスムーズな流れで、最後のかかえ込み月面でほぼ着地を止めると、喜びを隠せずにいた。得点も嬉しい15.000をマーク。
チーム得点44.466
アメリカは平均台。RAISMANは連続のところもしっかりと繋ぎ、最後のかかえ込みアラビアン2回宙は着地を見事に止めた。HERNANDEZも大きな乱れがなかったが、BILESは珍しく後方開脚伸身宙で少しバランスを崩した。やや堅い演技に見えた。チーム得点45.533
ブラジルは跳馬。OLIVEIRAがユルチェンコ2回ひねりでラインオーバーして14.566に留まるが、BARBOSAは同じユルチェンコ2回ひねりで僅かに後ろに動く程度の着地でまとめて14.937とした。最後のANDRADEはアマナールを跳び、右に大きく一歩動いて15.400。チーム得点44.899
ロシアはゆか。TUTKHALIANが後方屈身2回宙、後方かかえ込み2回宙と着地が大きく動いて13点台の得点。この得点が響いてチーム得点は42.032に留まった。
中国は平均台。WANGは前方か囲み宙返りでふらつきがあり、後方伸身宙もやや乱れた。SHNAGは後方3回ひねりの着地まで止めた。FANは後方伸身宙で後ろに一歩動く。SHANGとFANが15.066の高得点をマークしてチーム得点は44.598。
イギリスはゆか。TINKLERは伸身月面で着地が弾かれ、かかえ込み新月面は着地が低くなって前に動いて得点は14.466。続くDOWNIE Eは途中でラインオーバーがあり14.133。FRAGAPANEは屈身アラビアン2回宙で大きく前に2歩動いてラインオーバー。また、後方伸身2回宙もラインオーバー。得意種目で点数を稼げずチーム得点は42.765。
ドイツはSCHEDERがユルチェンコ1回ひねり、SCHAEFERが伸身クエルボということでDスコアが低くチーム得点は42.999に留まった。
オランダは段違い平行棒でノーミスの演技を見せ、Eスコアは高かったがDスコアが低く、チーム得点は43.666に留まった。
このローテーションでも各国ミスが相次ぎ、ミスがない国もDスコアの影響で得点が伸ばせなかった。日本はここでノーミスの演技を続けて会心の出来となり、ロシアを抜いて3位に順位を上げた。メダルもいよいよ射程圏内になった。
第3ローテーション終了後順位
 
1位 アメリカ 138.895
2位 中国 133.937
3位 日本 131.772
4位 ロシア 130.995
5位 イギリス 129.596
6位 ブラジル 128.630
7位 オランダ 128.365
8位 ドイツ 127.773
第4ローテーション(日本:平均台)
中国はゆか。SHANGは後方3回半ひねり~前方屈身宙、そして後方1回半から後方3回ひねり~前宙のところでひねり不足の印象。14.700。WANGもかかえ込み新月面は決めたが、後方1回半から後方3回ひねり~前宙で同じくひねり不足の印象。さらにカデット1回半ひねりの後の捌きでやややや乱れた。14.733。MAOは後方3回半ひねり~かかえ込み前宙で尻もちをついて、さらにラインオーバーもあり。予選で勢い余ってラインオーバーしていたところを修正し切れなかった。この得点が12.633に留まり、チーム得点は42.066に留まった。日本、ロシアの結果次第ではメダル争いに影響する得点。
イギリスは跳馬。TINKLERがユルチェンコ2回ひねりで美しい実施を見せて14.933、そしてDOWNIE Eがユルチェンコ2回ひねりで着地を止めて15.133の高得点をマーク。チーム得点44.766と最後に跳馬で一気に追い上げて日本、ロシアの結果次第でメダルも見える位置。
ドイツはSCHEDER、SEITZが完璧な演技を続け、それぞれ15.466、15.533の高得点をマーク。チーム得点45.899とした。
オランダは得意の平均台で種目別決勝に残っているWEVERS Sが15.250をマークし、チーム得点44.082とした。日本もこの得点を狙いたいところ。
日本とのメダル争いとなったロシア。しかし最後で跳馬を残しているというのは大きく、MELINKOVA、MUSTAFINAはユルチェンコ2回ひねりを跳び、MUSTAFINAは着地まで止めて15.133をマーク。そして、最後のPASEKAは足割れこそ大きかったもののアマナールをしっかりと決めて15.700をマーク。チーム得点45.733として中国も逆転して銀メダルを決めた。
日本
村上 緊張しない方がおかしくな状況の中、かかえ込み前宙、後転とび~後方開脚伸身宙など、落ち着いてしっかりと決めた。前方開脚伸身宙の後の羊とびが繋がらなかったり、交差とびでふらついてしまうなど、若干のミスはあったがトップバッターとしてしっかりと後の選手に繋がる演技を見せた。13.833
杉原 体操系、アクロバット系でほとんどふらつきを見せない、素晴らしい演技を見せた。最後の後方2回半ひねりは着地で前に動いたが全体的にはこれ以上ない出来であった。Eスコアが思いのほか伸びなかったが14.300として最後の寺本に依頼。
寺本 ロシアの跳馬が高得点で演技を終えており、状況的4位争いとなり、イギリスの得点が目標となっている状態。14.5近くの得点が必要。予選で落下をしているだけに気にならない訳にはいかない状況の中、予選で落下した2回ターンは1回に留めた。その後、オノディ~シソンヌ~側宙、後転とび~後方開脚伸身宙と安定して決めて、体操系も含めて安定した実施を見せた。そして最後の後方3回ひねりで着地に前に一歩動いたが、かなり得点が期待できる演技。そして得点は14.466とし、イギリスを僅か0.099上回り、メキシコ五輪以来の4位となった。
ブラジルは段違い平行棒で得点が伸びず、チーム得点43.457に留まった。
アメリカは最後にゆかの演技。ミスが出ても優勝が決まるような得点差ではあったが、RAISMAN、HERNANDEZとノーミスの演技を続け、最後のBILESはタンブリング系の高さだけでなく、体操系でも素晴らしい実施を見せて15.800をマーク。女子団体五輪2連覇に相応しい演技で締めくくった。
予選7位の日本がメダル争いにどこまで絡めるかがかなり注目されたが、結果的には日本は十分にその位置にいることが今大会で証明された。もちろん、他国のミスがあったという要素も大きいが、5-3-3制の争いの中では、高いDスコアだけではなく、演技の正確性、安定性も戦い方の大きなポイントとなり、今回の日本はゆかと跳馬でDスコアの高い選手を揃え、更に定評のある器具系では安定感をアピールできていた。ロンドン五輪以降、Dスコアを上げることが命題とされてきたが、東京五輪を前にしてその成果が十分に出た結果といえる。
また、試合後に内山選手が「メダルを意識できるチームでよかった」と語っていたように、選手自身が団体のメダルについて目標意識がかなり高まっていることも今回の好成績の要因となっている。五輪の大舞台の経験を積んだ選手が、東京五輪に向けて何をすべきかと自らが高い目標を持つことにより、日本女子全体にいい影響を与えてくれるに違いない。
~最終順位~
1位 アメリカ 184.897
2位 ロシア 176.688
3位 中国 176.003
4位 日本 174.371
5位 イギリス 174.362
6位 ドイツ 173.672
7位 オランダ 172.447
8位 ブラジル 172.087