第31回オリンピック競技大会・女子団体予選第4班

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第1ローテーション
アメリカはゆかからスタート。個人総合2連覇を目指すDOUGLASはかかえ込みアラビアン2回宙~鹿とび、かかえ込み月面を決めたが、後方かかえ込み2回宙でラインオーバーあり得点を伸ばせず。HERNANDEZは後方伸身2回宙、アラビアン2回宙~鹿とびと決めて挽回し、BILESは伸身月面、バイルズ、シリバスと高難度を連発し、最後もかかえ込み月面で15.733をマーク。最後のRAISMANは後方1回半~かかえ込みアラビアン2回宙~伸身前宙を決めたほか、カデット1回ひねり、さらには交差とび1回ひねりなどの高難度の体操系も見せた。3本目の後方伸身2回宙も着地を止めていい演技であったが15.275でBILESには及ばず。アメリカはこの種目で45.808のダントツの得点を出して順当にトップに立った。
オランダは段違い平行棒からのスタート。VAN GERNERはフット半ひねり~イエーガーなどを決めてEスコア8.933の14.533をマーク。THORSDOTTIRもほん転倒立~シャポシュニコワ~シュタルダー1回ひねり~振り出し半ひねり低棒倒立と決めて14.733と得点を上げた。WEVER Sも綺麗に演技をまとめた後、最後のWEVER Lはパク宙と最後の前方かかえ込み2回宙で着地が大きく一歩動いたものの14点台をキープ。チーム得点も43.866とまずまずのスタートを切った。
第2ローテーション
オランダは平均台。最初のTHORSDOTTIRがシソンヌ~側宙1/4ひねり~コルブトという独特の組み合わせを見せ、さらにはイリュージョンターンや浮き足保持ターンも決めたていいスタートを切った。WEVEERS Lは持ち味の片足水平上げターンのところでふらつきを見せ、側宙1/4ひねりでもバランスを崩しかけたが、2回ターンは他の選手には見られない完ぺきな捌きを見せた。VAN GERNERはカデット半ひねりに挑んだが大きくバランスを崩し、最後の終末技の後方かかえ込み2回宙で途中でタイムオーバーのアラームが鳴り、減点を受けた。最後のWEVERS Sは片足水平上げ2回ターン、側宙1/4ひねり片足立ち連続~前方開脚伸身宙を見せた後、3回ターンを見事に決めた。他にも片足水平上げターン~フルターン~2回ターンという独特の組み合わせも決め、最後はアウエルバッハ伸身1回ひねりの着地を止めた。そして得点は15.033と素晴らしい得点をマークした。オランダは平均台の種目別得点で最高となる43.732をマークした。
アメリカはHERNANDEZとDOUGLASがユルチェンコ2回ひねり、RAISMANとBILESがアマナールをかなり高い位置で決めた。BILESは1本目の得点を16.050とし、2本目にチェンフェイを跳び着地まで完璧に止めた。チーム得点は驚異の46.966。
この時点でアメリカは92.744、オランダは87.598の合計得点で1位、2位となっている。
第3ローテーション
アメリカは段違い平行棒。RAISMANがフット系のところで若干足割れがあったもの、最後のかかえ込み前方2回宙までうまくまとめた。BILESはフット1回ひねりのところで珍しくバランスを崩しかけたがすぐに立て直してトカチェフまでうまく続けた。DOUGLASは低棒での閉脚シュタルダー半ひねり~大逆手エンドー半ひねり~マロニー半ひねりまでうまくつなげて最後の後方伸身2回宙も着地を決めた。昨年の世界チャンピオンのKOCIANはチャウ半ひねり、閉脚シュタルダー半ひねり~イエーガー、そしてかかえ込み月面の着地も止め、素晴らしい出来で、得点は15.866をマーク。
オランダはゆか。VAN POLがアラビアン2回宙、メメル、ジョンソン半ひねり~前後開脚ジャンプ1回ひねりなど丁寧に決めてきた。WEVERS Lは昨年の世界選手権でも種目別決勝に残ったゆかであったが、片足水平上げ3回ターンが途中で足を曲げてしまったのが影響して点が伸びず。VAN GERDERも13.716に留まった。最後のTHORSDOTTIRは最初に後方3回ひねり~かかえ込み前宙をきれいに決めた後、片足水平上げ2回ターン~2回ターン~メメル~イリュージョンターンと素晴らしいシリーズを見事に決めたものの、後方2回半ひねりで痛恨の尻もち。非常に勿体ない演技となった。
このローテーションでアメリカは46.632、オランダは41.199を出し、トータルではアメリカが1位で139.406、オランダは6位で128.797となっている。
第4ローテーション
アメリカは平均台。DOUGLASはスタンディング後方かかえ込み1回ひねりや交差輪とび、交差とびひねりといった高難度を見せたが、最後の後転とび連続~後方屈身2回宙でやや蹴りが足らない印象で着地位置が台に近くなってしまった。RAISMANは側宙1/4ひねりで大きくふらつきヒヤリとさせたがその後はうまくまとめた。HERNANDEZは後転とび~後方開脚伸身宙返り連続や交差とび~交差とびひねりなど、ほぼふらつきのない演技を見せて15.366をマーク。そして最後のBILESはしゃがみ立ち2回ターンのほか、後転とび~後方開脚伸身宙連続、前踏み切り半ひねり後方宙、交差とび~交差とび半ひねり~後方伸身宙、そして最後は後転とび連続~かかえ込み月面をほぼ
完璧に決めた。そして得点は15.633。
この結果、アメリカは185.238という圧倒的なスコアで1位、オランダは171.929で7位につけた。
オランダの最終種目は跳馬。VAN POLがユルチェンコ1回半ひねり、THORSDOTTIRがユルチェンコ2回ひねりをきれいに決めて得点を上げたが、ほかの2名がユルチェンコ1回ひねりで得点を伸ばし切れなかった。
個人総合予選はアメリカの3人が60点を超え、BILESが62.366、RAISMANが60.607、DOUGLASが60.131をマークした。DOUGLASは今の状況であれば1カ国2名までのルールにより個人総合決勝には残れず、2連覇は達成できない状況となっている。
最終班の日本は決勝進出には8位のイタリアを上回ることが目標となるが、カナダが同組にいるので、やはり目標はオランダの171.929としたい。そのためには平均で14.333が必要となる。厳しい戦いとなるが落ち着いて美しい演技ができるように期待したい。
~団体予選~
1位 アメリカ
2位 中国
3位 ロシア
4位 イギリス
5位 ブラジル
6位 ドイツ
7位 オランダ
8位 イタリア
9位 ベルギー