第31回オリンピック競技大会・女子団体予選第3班

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第1ローテーション
ブラジルは平均台からスタート。トップバッターのHYPOLITOが落ち着いて演技し、ロンダード~後転とび~後方屈身2回宙の着地もピタリと決めた。BARBOSAは1か所ふらつきがあり、屈身2回宙の着地も低くなってしまった。その後、ANDRADEは高さのあるジャンプは見せたが僅かなふらつきが数か所あった。最後に地元期待のSARAIVAが登場し、後転とび~後方開脚伸身宙連続、前方開脚伸身宙片足立ち~前方開脚伸身宙~かかえ込み側宙と見事に決めて、Eスコアが8.833の15.133をマークして会場が興奮のるつぼとなった。
イギリスは段違い平行棒から。FRAGAPANEがいきなりマロニー半ひねりで落下してしまうスタートとなった。DOWNIE Eがその後盛り返し、フット1回ひねり~トカチェフ~パク宙などを落ち着いて決めた。DOWNIE Rはチャウ~リチナ、マロニー~トカチェフと高難度な連続を入れてまとめていた最後のHARROLDはイエーガー、マロニーひねりなどを決めた。最初のミスをイギリスはしっかり挽回できた形となった。
ドイツは大過失はなかったものの、SCHAEFERが14.300をマークした以外は13点台に留まった。
跳馬に登場したインドのKRAMAKARは一本目のプロドノワ(ローチェ)で何とか足から立ったが低い着地となった。それでも15.100をマークし、2本目はツカハラ2回ひねりで右前に詰まった感じとなったが2本とも揃えてきた。平均得点14.850は現在種目別順位6位。
第1ローテーションを終え、イギリスが44.666とリード、続いてブラジルが43.599となっている。ドイツは最下位の41.732。
第2ローテーション
ブラジルはゆか。一人目のHYPOLITOは最初に後方開脚伸身宙を見事に決めたものの、2本目の後方2回半ひねり~伸身前宙で尻もち。BARBOSAは最初に後方伸身2回宙、そしてテンポ~かかえ込み月面と見事に決め、体操系の技も高難度のものを構成。しかし、最後のシリーズに入る前のコーナーでランオーバーしてしまい得点を思ったように伸ばせず。その後のANDRADEはかかえ込み月面から入り、後方2回半ひねり~前方1回ひねりと決め、軽快な曲で振り付けも観客を盛り上げるものとなっていた。そして最後のSARAIVAは後方1回半~前方1回半から始まり、その後にかかえ込み月面を続け、スピード感あふれる中で体操系も切れの良い実施を見せた。得点は14.033であったが、場内からは大ブーイング。
イギリスは平均台。TINKLERがスタンディングの後方かかえ込み宙1回ひねりを見せるなど、高難度な構成を見せて、14.500という好スタート。DOWNIE Eはスタンディングのアラビアン宙を決めたが、2回ターンで大きくふらついた。FRAGAPANEは後転とび~後方伸身1回ひねりを決めたものの、側宙で落下。最後のDOWNIE Rはかかえ込み前宙で落下。後半の二人で大過失を出してしまった。
ドイツは跳馬。ALTが非常に距離のあるユルチェンコ2回ひねりを見せて14.833としたが、あとはユルチェンコ1回ひねりと伸身クエルボということでDスコアが低く得点を伸ばせなかった。
第2ローテーションを終え、イギリスが87.066でトップをキープ。ブラジルは85.398で4位、ドイツは85.065で5位となっている。
第3ローテーション
ブラジルはOLIVEIRA、SARAIVA、BARBOSAとユルチェンコ2回ひねりを見せて、最後のANDRADEは高さのあるアマナールを見せて15.566をマーク。チームトータルも45.299とした。
イギリスはHARROLDがかかえ込みアラビアン2回宙を決めるなど安定した演技を見せた後、TINKLERは伸身月面、シリバスと高難度のタンブリングを決めて14.600をマーク。その後のDOWNIE Eは後方2回半~かかえ込み前宙のところで前宙の着地が頭からとなってしまい、その後しばらく演技をしたものの途中棄権。しかし、最後のFRAGAPANEが得意のゆかで魅せて、伸身月面、屈身アラビアン2回宙、後方3回ひねり、そして最後は後方伸身2回宙と決めた。しかし、最初の2本で着地が安定しなかったこともあり得点は14.333に留まった。
ドイツはALTがマロニー半ひねり、イエーガーなど落ち着いて決めた後、SCHEDERが閉脚シュタルダー屈身トカチェフを披露し15.433。その後のSEITZはリチナ、屈身リチナ含む高難度の構成を見せて15.466をマーク。BUIはかかえ込み月面までまとめて14.800として、得意の段違い平行棒でドイツはチーム得点を45.699まで上げた。
この時点でドイツがブラジル、イギリスを逆転し、130.764でトップに立った。2位には130.697でブラジルが、そしてイギリスは129.632で4位。この3カ国がし烈な争いを演じている。最後に跳馬を残しているイギリスがやや有利か。
第4ローテーション
ブラジルは段違い平行棒。OLIVEIRAは大逆手車輪~屈身イエーガーや前方車輪1回ひねり~前方かかえ込み2回宙を決めて好スタート。BARBOSAもリチナ~パク、そして最後の後方伸身2回宙も着地を決めた。ANDRADEはマロニー~シュタルダー1回ひねり~トカチェフ~パクと繋げて最後もフット1回ひねり~かかえ込み月面をきれいに決めた。最後のSARAIVAに期待がかかったが、屈身トカチェフで落下。非常に残念な終わり方となってしまった。
イギリスはHARROLD、FRAGAPANE、TINKLER、DOWNIE Eとユルチェンコ2回ひねりを見せて、予想通り最後にかなり得点を稼いだ。DONIE Eは2本目に伸身ホルキナを決めた。
ドイツはSEITZは落ち着いた演技を見せたが、ALTが交差輪とびでふらつきを見せたものの14.233をマーク。そしてSCHAEFERは側宙でふらつきがあったものの14.400。最後のSCHEDERは浮き足保持の1回ターンで落下。
この結果、イギリスがロシアに肉薄する174.064で3位、ブラジルは僅か0.01差で4位となり、ドイツは173.263で5位につけた。
日本の好敵手と見られていた国が軒並み174点付近の得点となり、14.500平均の得点が必要とされることになった。第4班にアメリカがいることを考えると、日本はまずはドイツの得点を追いかけたいところ。跳馬で確実に45点近くまで得点を上げ、ゆかでもそれに近い得点を出す必要がある。そして器具系では14点以上を確実に揃えて来ると、決勝進出のみならず、メダル圏内にかなり近付くことになる。最終班の利点を生かした戦いに期待したい。
個人総合予選ではブラジルの新人であるANDRADEがロシアの2名を上回りトップに立っている。最後の落下があったSARAIVAは7位。
~団体予選~
1位 中国
2位 ロシア
3位 イギリス
4位 ブラジル
5位 ドイツ
6位 イタリア
7位 ベルギー