第70回全日本体操競技選手権大会 男子予選第1班
第1ローテーション
跳馬では二人の選手がロペスを実施。一人目の春木(清風高等学校)は美しい実施を見せて14.900、そして5番目に演技をした小倉(相好体操クラブ)は非常に高さのある実施で、逆に着地が合わずに後ろに2歩下がってしまったが15.300をマーク。個人総合争いでこの二人に続いたのが鉄棒の金子(徳洲会体操クラブ)と尾崎(相好体操クラブ)。共に14.800をマーク。金子は着地を完ぺきに止めて場内が沸く素晴らしい演技だった。谷川翔(市立船橋高校)もまとまった演技で14.750を出し上位につけた。
第2ローテーション
小倉と春木が平行棒でもミスなく演技をまとめて順位をキープ。小倉はまたも着地で2歩動いてしまったが、棒下系や車輪~ベーレなどの組み合わせを見せた。春木はティッペルトでスムーズな捌きを見せて後方屈身2回宙の終末技も着地を止めた。ゆかでは金子が最後の後方3回ひねりの着地が低くなった以外はしっかりとまとめて14.150をマークして3位をキープ。鉄棒では谷川が伸身トカチェフやコールマンをしっかりと決め、最後の伸身新月面も着地を止めて4位に上がった。
第3ローテーション
小倉、春木が鉄棒で得点を伸ばせず順位を落とす中、谷川翔がゆかでひねり技をきれいに見せて14.900と得点を伸ばしてトップに立った。前野(鹿屋体育大学)は平行棒、古谷は鉄棒で点を伸ばして2位、3位に食い込んできた。古谷はカッシーナ、コバチと高さを出しつつ非常に美しい実施を見せて、コールマンでバーに近すぎてしまたものの安定感が光った。瀬島(徳洲会体操クラブ)はドリッグスを無難にまとめて4位につけた。
第4ローテーション
谷川があん馬でも好調な演技を見せ、終末技もE難度のDSA倒立3/3移動下りを行い、14.050を出して引き続きトップをキープ。瀬島は平行棒で棒下系の素晴らしい捌きやドミトリエンコ、ティッペルトなど、ベテランらしい貫録ある演技で14.750を出して2位に上がった。先日のカタール国際で鉄棒で優勝した前野は雄大なヤマワキひねり、ヤマワキを見せ、Eスコアではトップに立つ得点を出した。Dスコアの影響で14.550に留まったものの、3位に順位を落とした。鈴木大介(順天堂大学)と古谷はそれぞれ跳馬とゆかで得点を伸ばして4位と5位に入ってきた。小倉はゆかの一本目の屈身アラビアン2回宙でしりもちを着いてしまい、得点を落とした。
第5ローテーション
つり輪で谷川が引き続き安定した演技を見せ、最後の伸身月面もしっかりと決めて13.950として首位を保った。平行棒で得点を伸ばした小山(コナミスポーツクラブ)が2位に上がり、ゆかで前方1回ひねり~前方2回ひねりでラインオーバーがあった前野が3位をキープ。瀬島は鉄棒でコールマン、シュタルダー1回半ひねり片大逆手、伸身新月面を決めたが4位に順位を下げた。5位には高さのあるドリッグスで場内を沸かせた金子が上がってきた。あん馬では川本が入り技で旋回から倒立に上げて3/3移動後におろしてそのまま開脚旋回に繋げる技を見せ、平行棒の青山は15.200とこれまでで最高得点を出した。
第6ローテーション
最後のローテーションで徳洲会体操クラブの二人が高得点を連発し、金子は平行棒で非常に美しい演技を見せて15.200をマークし、瀬島は得意のゆかでアラビアン2回宙ひねりや後方3回ひねりをきれいに決めて15.000をマーク。この二人が並んで1位となった。5種目目までトップの谷川が跳馬でアカピアンを実施したが、高さが不足気味で着地が低く前に一歩大きく動いてしまい5位となる中、前野はあん馬で逆交差倒立からシバド移動までの高難度の連続を落ち着いて決めて14.700の高得点をマークして3位となり、古谷もつり輪で得点を伸ばして4位に入った。