第46回世界体操競技選手権レポート・男子予選1班

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<第1ローテ>
ブラジル・あん馬
CAMPOS:落下あり
DE SOUZA:交差ひねり、逆交差倒立、Dコンバイン、トンフェイ、マジャール~シバド、シュテクリA倒立3/3移動下り。一人目のミスを挽回。
OYAKAWA:逆交差倒立、ロス、マジャール、シバド、ウゴーニャン、トンフェイ、下向き転向1080度下り。非常にスムーズな演技。
BARRETO:逆交差ひねり、逆交差倒立、前移動2部分、シバド、ロス、ウゴーニャン、フェドルチェンコ、トンフェイ、下向き転向1080度下り。移動技で特徴を出した。
FOURO:逆交差倒立、正交差倒立、ウゴーニャン、マジャール、シバド、ロス、フェドルチェンコ、シュテクリA倒立3/3移動下り。ややバランスを崩しかける場面あり。重たい演技に見えたがノーミスで大いに盛り上がった。
ブラジルは苦手な種目を4人ノーミスで乗り切り、好スタートを切った。
イギリス鉄棒
開催国イギリスは第1班での登場となる。
PURVIS:コスミックひねり、ツォリミン、アドラー1回ひねり~コスミック、エンドー、アドラーひねり、シュタルダー、ホップターン、後方伸身2回宙返り2回ひねり下り。緊張のかかる中、一人目として十分な演技を披露する。
BEVAN:コバチ、コールマン、トカチェフ、リバルコで落下、アドラー、大逆手背面車輪、シュタルダー、ホップターン、後方伸身2回宙返り2回ひねり下り。手放し技をすべて成功させただけにリバルコでの落下が悔やまれる。
WHITLOCK:エンドー1回ひねり大逆手、コスミックひねりで落下、アドラー1回ひねり~コスミック、シュタルダーホップターン、シュタルダーリバルコ、リバルコ、ホップターン、後方伸身2回宙返り2回ひねり下り。個人総合決勝へ目指すなか、難しいスタート。
WILSON:コスミック、コールマン、モズニク、アドラーひねり、伸身トカチェフ、エンドー、シュタルダー、ホップターン、後方伸身2回宙返り2回ひねり下り。チームとしての嫌な流れを見事に断ち切る。
THOMAS:コスミック、リューキン、シュタルダーホップターン、伸身トカチェフ~リバルコ、アドラーひねり~開脚モズニク、ホップターン、後方伸身2回宙返り1回ひねり下り。小さなミスがあるものの雄大な実施をみせる。
<第2ローテ>
ブラジル・つり輪
OYAKAWA:け上がり中水平、振り上がり十字懸垂、振り上がり開脚上水平、ほん転倒立、振り上がり倒立、屈身ヤマワキ~かかえ込みヤマワキ~振り上がり開脚脚前挙、かかえ込み新月面(着地止める)。あん馬から好調な演技を続ける。
CAMPOS:後ろ回り中水平、け上がり中水平~ナカヤマ、屈身ヤマワキ~かかえ込みヤマワキ~ホンマ十字懸垂、後ろ振り上がり開脚上水平(足下がる)、ほん転倒立(輪が揺れる)、振り上がり倒立、かかえ込み新月面(前に大きく一歩)
BARETTO:振り上がり中水平、け上がり中水平~アザリアン、かかえ込みヤマワキ~屈身ヤマワキ~ホンマ十字懸垂、振り上がり開脚上水平(製紙短い)、ほん転(体反る)、後ろ振り上がり倒立(バランス崩す)、屈身前方2回宙(着地止める)
DE SOUZA:振り上がり中水平、振り上がり上水平~中水平、かかえ込みヤマワキ~屈身ヤマワキ~ホンマ十字懸垂、振り上がり開脚上水平、ほん転倒立、振り上がり倒立、前方屈身2回宙(前に大きく一歩)。力静止技の実施はまずまず。
ZANETTI:後ろ回り上水平、背面水平~引き上げ中水平、ほん転倒立、振り上がり上水平~後ろ回り中水平~ナカヤマ、屈身ヤマワキ~ホンマ十字懸垂(やや低い)、振り上がり倒立、伸身月面(後ろ一歩)。いつもよりも技の収めが粗かった印象。Dは6.8。
この種目も無難に終え、うまく跳馬に繋げた。
GONZALEZ(CHI)跳馬シューフェルト着地わずかに弾むがガッツポーズ。14.966
イギリスゆか
BEVAN:後ろとびひねり屈身2回宙返り、後方宙返り2回半ひねり~前方伸身宙返り、前方宙返り2回半ひねり、前方宙返り1回半ひねり、とびひねり伏臥、フェドルチェンコ、前方宙返り2回ひねり。1種目のミスを感じさせない演技。
WILSON:後ろとびひねりかかえ込み2回宙返り、ルドルフ、前方宙返り2回ひねり~前方宙返り1回ひねり、前方宙返り転、フェドルチェンコ、十字倒立、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返りひねり、後方宙返り3回ひねり。
PURVIS:ルドルフ、後方宙返り1回半ひねり~前方宙返り2回ひねり、前方かかえ込み2回宙返り、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返り1回ひねり、十字倒立、伸身トーマス、テンポ~後ろとびひねりかかえ込み2回宙返り。雄大な実施。
THOMAS:後方伸身2回宙返り1回ひねり、テンポ~ダイビング屈身2回宙返り、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返りひねり、前転とび直接前方伸身宙返り転、フェドルチェンコ、十字倒立、前方宙返り2回ひねり~前方かかえ込み宙返り、後ろとびひねりかかえ込み2回宙返り。小さな着地のミス。
WHITLOCK:前方宙返り1回ひねり~前方宙返り2回ひねり、後方宙返り3回半ひねり~前方宙返りひねり、シュピンデルゴゴラーゼ、エアー、十字倒立、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返り1回半ひねり、伸身トーマス、後方宙返り3回ひねり。チームとして高得点を獲得し、得意のあん馬へ向かう。
<第3ローテ>
ブラジル・跳馬
DE SOUZA:ドリッグス。両足前一歩。安定した実施。
OYAKAWA:シューフェルト。両足で前一歩。これも高さのあるいい実施。
ZANETTI:ローチェ。軽く前に両足で弾む。助走は比較的短いものであるが、熟練性のある実施で着地までまとめた。
CAMPOS:シューフェルト。高さも距離も出て、着地は僅かに両足で弾んだ。
BARETTO:カサマツ半ひねり。両足で左前に一歩。
大技こそなかったものの、安定感ある実施で無難に乗り切った。
RAMOS(PUR)つり輪、逆上がり中水平、アザリアン脚前挙十字~引き上げて十字倒立、ほん転倒立少し揺れ、振り上がり十字倒立、屈身ヤマワキ、振り上がり中水平、ナカヤマ十字、振り上がり倒立、伸身月面着地前にとぶ。
GONZALEZ(CHI)平行棒、モリスエ、ピータース、開脚前宙、後方屈身2回宙着地ほぼ止める。
イギリスあん馬
PURVIS:バックセアー倒立、ワンポメル旋回、Eフロップ、Dコンバイン、ウゴニアン、フェドルチェンコ、マジャール移動、シバド移動、Aシュテ倒立3部分移動下り。
WILSON:リーニン、バックセアー倒立、フクガ、ワンポメル旋回、馬端360°転向、マジャール移動、シバド移動、Aシュテ倒立3部分移動下り。
BEVAN:バックセアー倒立、Eコンバイン、Eフロップ、ブスナリ、シュピンデル、マジャール移動、シバド移動、Aシュテ倒立3部分移動1回ひねり下り。安定感ある実施。
SMITH:バックセアー倒立、リーニン、Eフロップ、Eコンバイン、シュピンデル、ウゴニアン、馬端1080°転向、マジャール移動、シバド移動、ワンポメル、Aシュテ倒立3部分移動1回ひねり下り。ブスナリを抜いた構成で確実に演技することを優先した。
WHITLOCK:バックセアー倒立、セアー、Eコンバイン、Eフロップ、ブスナリでつまるも立て直す、シュピンデル、マジャール移動、シバド移動、ウゴニアン、馬端1080°転向、Aシュテ倒立3部分移動1回ひねり下り。落下の可能性があった箇所を修正した。
小さなミスが出るも、得意種目で得点を伸ばす。
<第4ローテ>
ブラジル・平行棒
FOURO:単棒横向き逆上がり倒立、棒下~車輪、マクーツ、ヒーリー、ディアミドフ~ディアミドフひねり、カット倒立、モイ、後方屈身2回宙(後ろ一歩)。
OYAKAWA:単棒中抜き伸肘倒立、棒下~車輪~バブザー、ティッペルト、ヒーリー、ディアミドフ、ツイスト、アームカット倒立、後方屈身2回宙(着地でわずかに弾む)
DE SOUZA:ホンマ、棒下~車輪ディアミドフ、車輪~ディアミドフ(足が割れる)、ヒーリー(足割れ大きい)、カット倒立、ティッペルト、モイ、後方屈身2回宙(前に一歩)。
BARRETO:ホンマ、棒下ひねり~棒下~ディアミドフひねり、モイ、ティッペルト、ディアミドフ、ピーターズ、後方屈身2回宙(後ろ一歩)
CAMPOS:ホンマ、シャルロ、棒下~棒下ひねり~屈身前宙腕支持、ディアミドフ(手を滑らせて落下)、ディアミドフ、モイ、ティッペルト、後方屈身2回宙。途中まで素晴らしい流れだったけに非常に残念な落下。
最後に大過失が出てしまい、やや勢いが失われてしまったので、次の鉄棒の挽回に期待。
プエルトリコ跳馬。
MORALES CASADO、ユルチェンコ2回ひねり着地わずかに後ろに。
RODRIGUEZ COLON、アカピアン着地少し乱れて数歩動く。
PEREZ RIVERA、アカピアン着地大きく後ろにとぶ。
TORRES、アカピアン着地後ろに1歩動く。
RIVERA(PUR)跳馬、演技せず。
KUZMICKAS(LTU)ゆか、テンポ~後ろとびひねり前方屈身2回宙ライン減点、前方屈身2回宙、後方宙2回半ひねり~前宙1回ひねり着地数歩、フェドルチェンコ、十字倒立、前宙2回ひねり~前宙ひねり、後方宙3回ひねり着地1歩動く。
イギリスつり輪
THOMAS:け上がり、中水平、上水平、脚前挙、ヤマワキ、開脚上水平、シンピ、屈身ヤマワキ、振り上がり倒立、後方車輪倒立、後方伸身2回宙返り1回ひねり下り。
PURVIS:後転中水平、ナカヤマ、アザリアン、屈身ヤマワキ、ヤマワキ、開脚上水平、脚前挙、シンピ、後方車輪倒立、後方車輪、後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り。
WHITLOCK:上水平、伸腕伸身力倒立、ヤマワキ、屈身ヤマワキ、開脚上水平、振り上がり倒立、グチョギー、ほん転倒立、後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り。
BEVAN:振り上がり中水平、屈身ヤマワキ、開脚上水平、シンピ、グチョギー、ほん転倒立、ヤマワキ、振り上がり倒立、後方車輪、後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り。
WILSON:後転中水平、振り上がり中水平、ナカヤマ、屈身ヤマワキ、ヤマワキ、ホンマ十字懸垂、アザリアン、振り上がり倒立、後方車輪倒立、後方伸身2回宙返り1回ひねり下り。
確実に演技をし、得点を重ねる。
<第5ローテ>
ブラジル・鉄棒
FOURO:シュタルダーとび1回半ひねり、アドラーひねり(足割れ大きい)、トカチェフ、リバルコ片大逆手、アドラー1回半ひねり~ヤマワキ(低い)、エンドー1回ひねり大逆手、ホップターン、伸身月面(前一歩)。全体的に姿勢欠点が目立っていた。
DE SOUZA:ヤマワキ~エンドー1回ひねり片大逆手、アドラーひねり、コールマン、伸身トカチェフ、モズニック、前方車輪1回ひねり大逆手、シュタルダー、伸身月面(着地止める)
OYAKAWA:アドラーひねり、ホップターン、伸身トカチェフ~モズニック、アドラー1回ひねり(かなり肘を曲げる)~ヤマワキ、エンドー1回ひねり大逆手、トカチェフ、シュタルダー、伸身新月面(着地止める)。実施が雑な印象ではあったが着地はきれいに止めた。
CAMPOS:ホップターン、コールマン、アドラー1回ひねり(戻ってしまう)、ヤマワキ、アドラーひねり、トカチェフ、シュタルダー、伸身新月面(前一歩)。アドラー1回ひねりのところのミスが非常にもったいない演技。
BARRETO:ツォウリミン、コールマン、アドラーひねり~伸身トカチェフ(落下)、伸身トカチェフ~モズニック、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、エンドー1回ひねり大逆手、伸身月面(前に大きく動いてマットから出る)
実施減点が目立つ演技が続いてしまい、最後の種目で挽回を目指す。
GONZALEZ(CHI)ゆか、後方宙1回半ひねり~前宙2回半ひねり着地止める、前宙1回ひねり~前方かかえ込み2回宙着地後ろにとぶ、新月面少しとぶ、十字倒立、後方宙2回半ひねり~前宙1回半ひねり着地1歩、伸身トーマス転、テンポ~後方宙3回ひねり着地動く。演技を丁寧に行うが、着地を止めきれず。
イギリス跳馬
PURVIS:ユルチェンコ2回半ひねり、着地でわずかに跳ねる。
WILSON:ドリッグス、着地を一歩。
WHITLOCK:シライ/キムヒフン、とても高い跳躍。着地大きく一歩。
BEVAN:ルーユーフ、着地で手をつく。
THOMAS:1本目、屈身メリサニディス、着地でわずかに跳ねる。2本目、ローチェ、着地で転倒。
ベスト4をしっかりと揃えて、最終種目へ。
<第6ローテ>
ブラジル・ゆか
DE SOUZA:新月面(前一歩)、後方1回半~前方2回ひねり、前方1回半ひねり、トーマス転、十字倒立、脚上挙、後方2回半~前方1回ひねり、後方3回ひねり(前一歩)。非常に落ち着いて見事にまとめた。
ZANETTI:助走から屈身前方2回宙、伸身前宙~かかえ込み前方2回宙、伸身アラビアン2回宙、後方2回半~前方1回ひねり、中水平、十字倒立、伸身アラビアン転、かかえ込みアラビアン2回宙。前方系の多い演技で特徴を見せた。
CAMPOS:後方3回半ひねり~前宙ひねり、かかえ込み新月面(前一歩)、前方2回ひねり~前宙、脚上挙、十字倒立、伸身トーマス転、後方2回半ひねり~かかえ込み前宙1回ひねり、後方3回ひねり(後ろに大きく2、3歩動く)
OYAKAWA:前方屈身2回宙(後ろに一歩)、伸身トーマス転、十字倒立、前回りから脚前挙経過伸肘倒立、前方2回ひねり~前宙ひねり、後方1回半~前方1回半、後方2回半~前方1回ひねり、かかえ込み月面。非常にきれいな実施であった。
BARRETO:前宙転、かかえ込みアラビアン2回宙、後方1回半~前宙ひねり、前方1回ひねり(ラインオーバー?)、後方2回ひねり、フェドルチェンコ、十字倒立、脚上挙、後方2回半ひねり(前に一歩)。
ゆかで大過失、中過失が出てしまい、もう一つ波に乗れなかったのが残念。
ブラジルは得点を思ったよりも落としてしまい、8位争いに不安を残して演技を終えた。これから続く半の行方を不安な状態で待つことになる。
GONZALEZ(CHI)あん馬、セア移動ひねり、マジャール、シバド、ロシアン360、トンフェイ、ポメル旋回、転向倒立3部分移動ひねり下り、大過失なくまとめる。
RIVERA(PUR)鉄棒、伸身トカチェフ、モズニク、アドラーひねり、トカチェフ、1回ひねり大逆手、エンドー1回ひねり大逆手少し力を使う、大逆手エンドー、大逆手車輪、腰の曲りが気になる伸身月面着地止める。
イギリス平行棒
SMITH:逆上がりひねり倒立、棒下宙返り倒立、ホンマで肘曲がる、ヒーリーで停止、ツイスト、ディアミドフ、前方開脚5/4宙返り腕支持、単棒横向き開脚脚前挙支持経過倒立、後方伸身宙返り下り。
BEVAN:ドミトリエンコ、棒下ひねり倒立、ベーレ、モリスエ、チッペルト、ヒーリー、棒上宙返り倒立、ツイスト、後方屈身2回宙返り下り。
WHITLOCK:棒下宙返り倒立、ベーレ、モリスエ、ピンコ、カット、チッペルト、前方開脚5/4宙返り腕支持、ヒーリー、ピータース、単棒横向き脚前挙支持経過倒立、後方屈身2回宙返り下り。
PURVIS:ホンマ、棒下宙返りひねり倒立、シャルロ~ヒーリー、棒下宙返り倒立、ディアミドフ、ツイスト、ケンモツ、ヒーリー、後方屈身2回宙返り下り。
WILSON:ホンマ、棒下宙返りひねり倒立、シャルロ、棒下宙返り倒立、ケンモツ、ベーレ、前方開脚5/4宙返り腕支持、チッペルト、ヒーリー、後方屈身2回宙返り下り。実施減点の少ない実施。
イギリスチームはこの種目もベスト4を揃えた。いくつかの大過失があったものの、全体的には良い試合を行った。各国の結果を待つ。個人総合で内村選手のライバルになるであろうWHITLOCK選手は、いくつかのミスがあったものの高い合計得点をあげた。
団体順位
1位 イギリス 354.417
2位 ブラジル 349.057
3位 プエルトリコ 331.327