第45回世界体操競技選手権現地レポート 男子予選第10班
■ドイツ
つり輪からのスタート。最初の二人が上水平の足の位置を落とし気味の実施となり、力不足の印象であったが、3人目のBRETSCHNEIDERから中水平の実施などでも特に大きな減点を見せず、TOBA、HAMBUCHENも入りで力技の三連続をしっかりと決めてまずまずの得点を上げた。跳馬では2人目のBRETSCHNEIDERが見事にローチェの着地を止めて、LIEBRICH、HAMBUCHENは非常にきれいなシューフェルトを決めた。平行棒に入るとかなり強さを見せて、DAUSERはツォラキディスやマクーツといった技を決め、終末技の前宙ダブルひねりを止めて15.133、BRETSCHNEIDERは開脚前宙支持、アームライヘルトなどを決めて、最後の屈身ダブルも着地をまとめて15.266。最後のハンビューヘンもドミトリエンコ、ピーターズ、モリスエ、ティッペルトなどでまとめて15.333。チームとして平行棒で高得点を上げた。鉄棒でもTOBAがアドラーひねり~モズニク、屈身とかかえ込みのコバチを決め、BRETSCHNEIDERは伸身トカチェフ、カッシーナ、コバチと決めた。最後のHAMBUCHENはアドラー1回ひねりで戻ってしまい、得点を伸ばせず。ゆかでもとBRETSCHNEIDERは後方1回半~前方2回宙などの力強い構成で、HAMBUCHENも伸身新月面を含めたさすがの演技を見せ、15点台をマーク。そして、鬼門となる最後のあん馬では、HERDERが交差倒立で落下。更に最後のHAMBUCHENも転向倒立移動の終末技で落下。また、一人目のDAUSERも演技は通ったものの、得点が伸びなかった為、最高がLIEBRICHの13.766となり、最後の最後で一気に得点を落とす結果となった。しかし、それでも6位に食い込み団体決勝進出が決定した。
■ルーマニア
DRAGRESCU、URZICA 、KOCZIといった核となるトップ選手がいないルーマニア。その中にあって、チームを引っ張ったのは実力的に下位の選手。最初の種目平行棒では4番目、5番目の演技者が予定した演技構成にならず得点を稼げなかった。その後、大きなミスなく健闘するも、得点を伸ばせず。最後の跳馬でも、種目別申請をしていたMUNTEANがロペスで手をつくミスを犯すと2本目を棄権。341.516で12位。
■イタリア
イタリアの跳馬は二人がDriggsで、その中でもCINGOLANIの跳躍が一番美しい実施だった。他はカサマツひねりやクエルボ1回ひねりなどで高い難度の跳躍技ではなかった。平行棒では着地で後ろに数歩動く選手が3名いて、途中の流れで大きく乱れた選手がいなかっただけに残念なところ。鉄棒では一人目のBUSNARIがエンドーの後に突然演技を中断した。その後、足を痛めている様子で退場して、非常に厳しい戦いを強いられたが、各選手ミスなく演技をし、PRINCIPIがヤマワキ1回ひねりを決めて盛り上げた。ゆかではBARTOLINIがかかえ込み新月面から始まり力強いタンブリングを見せ、CINGOLANI選手も高さのある宙返りで得点を稼いだ。あん馬はBUSNARIが抜けた分、4人のみの演技。BUSNARI本人がいなくても、F難度のブスナリを実施する選手が2人いて、3人が14点台をキープした。そして、最後のつり輪ではCINGOLANIが屈身ヤマワキ~振り上がり中水平~ナカヤマ~アザリアンを決めて15.133をマーク。他の選手も3名が14点台をマーク。最後のBARTOLINIは演技をせず。最終的にイタリアは13位となった。