第45回世界体操競技選手権現地レポート4
現地10月2日、女子7~12班ポディウム練習レポート。
【7班】
日本で事前合宿を行っていたドイツは、世界大会ファイナリストのSEITZ選手、SCHDER選手を擁し、チームとしても強さを感じる段違い平行棒から。ミスもあったが、順調な仕上がりを見せている。SEITZ選手はけがのため、他の種目には出場しない予定だが、鬼門の平均台を乗り切ればチームとして上位に食い込んでくる力がある。北朝鮮のHONG Un Jong選手は相変わらず跳馬でトップレベルの技を見せていたが、チームとしてはコマ不足の感がある。ローチェを跳ぶドミニカのPENE ABREU選手は練習していなかった。
【8班】
地元中国が段違い平行棒から登場。大逆手車輪ひねり系を構成し、流れるような練習を披露。次の平均台では正確な実施で完成度の高さを示した。ゆかでは着地ミスがみられ、アメリカと比較すると物足りなさを感じたが、ターンの正確さなど、体操系を丁寧に行っていた。跳馬は2選手がユルチェンコ2回ひねりで、あとは1回ひねり。パワー不足をどれだけ正確な実施とミスのない演技でカバーするかがポイントとなるだろう。
【9班】
日本、段違い平行棒から。石倉選手を含め、6名全員で練習を行う。段違い平行棒では、ミスもあったが、最終的にしっかり調整。平均台では大きなミスなく通しこむ。落下の危険性の高い種目だが、安定感は武器になり得る。ゆかでも大きなミスなく、まとめる。ターンの正確性、アクロバット技の着地など、通しの後、しっかり確認していた。急きょ、平岩選手に代わってチームに合流した石倉選手もしっかりした演技を披露した。イタリアは2006年の世界チャンピオンFERRARI選手を中心に若手がついてきている状況。チームの柱がしっかりしていることで、上位進出も可能な状況となっているが、そこが崩れると厳しくなる。どのチームも堂々とした演技でミスしないことが混とんとしたチーム戦を抜け出るカギとなりそうだ。
【10班】
ルーマニア跳馬は全員がユルチェンコ2回ひねりに取り組んでおり、出だし好調と思われた。しかし、2種目めの段違い平行棒ではその多くが落下など大過失を出し、本番までにしっかりとした調整が必要だ。平均台はキレのある動きで魅了。宙返りひねりなど、高難度技を成功させ、アピールしていた。ゆかもアップから後転とび連続をして基礎を確認。しっかりとしたアクロバット系実施につなげていた。段違い平行棒を乗り切れば、メダル争いに加わる勢いがあった。イギリスは、開始種目のゆかはFRAGAPANE選手が、伸身月面、伸身2回宙を入れるパワフルな演技を見せたが、次の跳馬では連続して着地ミスを出す。段違い平行棒と平均台はDOWNIE選手が素晴らしい演技を見せていたが、ミスする選手もいて、それをどう抑えるかによって上位に入れるかがかかっているようだ。
【11班】
オーストラリアが平均台から。MITCHELL選手が久しぶりの復帰。時折トップで活躍している頃の雰囲気を出し、チームに不可欠な選手となっていた。しかし、チーム全体の仕上がりは不十分で、単純なミスが目立つ。段違い平行棒ではリチナ(シュタルダートカチェフ)~ギンガーを成功させる選手もいるが、その成功率が低く、すべての技を入れた通し力が不足しているように思われた。
【12班】
フランスがゆかでスタートしたが、ラストの選手が伸身ダブルを見せたものの、全体的に失敗が出たり、元々の構成で技が不足している印象が否めず、以前のような勢いがかなりなくなっている印象を受けた。しかし、選曲や振付においては、優雅さが出ており、その辺りの伝統は感じた。跳馬も1人が前転とび前方屈身宙返り、そして、4人がユルチェンコ1回ひねりであった。段違い平行棒ではフットトカチェフを閉脚で実施する選手がいたが、屈身ダブルで下りる選手も複数いて、器具系でも全体的な強さは感じさせるまではいかなかった。
明日からいよいよ熱い戦いが始まる。