2012 ボローニンカップ報告
■期間 平成24年12月11~17日
12月14日 団体決勝・個人総合・種目別予選(団体は、各国2名エントリーし、2名の合計)/12月15日 種目別決勝
■場所・競技会場 ロシア・モスクワ(ディナモ・モスクワ体操クラブ)
■監督 小倉雅昭(ジュニア強化部員・四天王寺スポーツクラブ)
■コーチ 三宅裕二(ジュニア強化部員・おかやまジュニア体操クラブ)、西岡康正(関西高校)
■トレーナー 溝田一善(関西高校)
■選手
-シニア出場:神本雄也(関西高校)、野々村晃司(市立船橋高校)
-ジュニア出場:松見一希(四天王寺スポーツクラブ)、堀内柊澄(おかやまジュニア体操クラブ)
■参加国・参加人数 参加国:25カ国(男子シニア40名 男子ジュニア38名/女子シニア18名 女子ジュニア29名)
■大会概要
ボローニンカップ大会は、昨年同様に男子、女子ともロンドンオリンピックや世界選手権出場者が出場しており、非常にレベルが高い大会となっている。とくにロシア選手のAblyazin選手やGaribov選手は、非常にレベルの高い演技を実施し、観客を魅了していた。
■大会レポート
■12月14日(金)団体決勝・個人総合・種目別予選
①ジュニア競技 9:00?11:30
【第1ローテーション】 鉄棒
堀内: アドラー、背面車輪、伸身イエガー(雄大なイエガー)、トカチェフ(車輪のスピードをコントロールできず落下)、クースト、シート1/2大逆手、エンド、伸身新月面宙返り下り【得点12.533】
スタートの種目であったが、緊張せずに伸び伸びと演技したが、トカチェフの落下が悔やまれる。
松見: トカチェフ(少し肘を曲げて車輪)・シート・シート1/2片大逆手、アドラー、背面車輪、エンド、伸身新月面宙返り下り 【得点13.767】
スタートの種目でやや緊張気味な雰囲気もあったが、演技に入ると落ち着いて着地まで取りにいく素晴らしい演技であった。
【第2ローテーション】 ゆか
堀内:後方2回半ひねり?前方1/2ひねり(小さく1歩)、後方1回半ひねり?前方1回ひねり(前に両足で少し動く)、後方2回ひねり(着地止める)、前後開脚・十字倒立、側方1回ひねり(着地止める)、後方3回ひねり(ややひねり不足と着地は大きく1歩)【得点:13.40】
松見: 後方2回半ひねり?前方1/2ひねり(着地止める)、前方伸身?前方2回ひねり(両足で少し動く)、側方宙返り(着地止める)、前方1回半ひねり(着地止める)、前後開脚、伸肘倒立、後方3回ひねり(ややひねり不足と着地は前に大きく1歩)【得点:14.00】
両選手とも自分の演技をしっかり行うことができ、良かった。種目別の決勝にむけての反省点として着地の減点を減らすことを再確認した。
【第3ローテーション】 あん馬
堀内: 縦向き、前移動、外向き、シバド移動、1/4移動、フクガ(フクガの後に肘が抜け停滞)、バックセア、セア、逆リア倒立3/3移動下り【得点:12.733】
松見: バックセア倒立、
フロップ(2回目のBシュテで肘が抜けて失敗のためフロップは不成立)、1/4前移動、シバド移動、前移動、Bシュテ、フクガ、逆リア倒立3/3移動下り【得点:12.60】
両選手とも落下してしまうミスがでた、その後は2度ミスすることなく最後の倒立下りまでしっかり行った。また、次の種目に尾を引かないように気をしめ直した。
【第4ローテーション】つり輪
堀内:前振りあがり脚上挙、伸肘倒立、振り上がり倒立、ホン転倒立、屈身ヤマワキ、
抱え込みヤマワキ、大振り脚前挙、伸肘倒立、後方車輪、
後方抱え込み2回宙返り1回半ひねり下り【得点:13.233】
とても丁寧な実施を行い、着地も決まったが得点はあまり出なかった。
松見:振り上がり開脚上水平、ホン転、振り上がり倒立、屈身ヤマワキ、抱え込みヤマワキ、
振り上がり開脚前挙、伸肘倒立、抱え込み2回宙返り1回ひねり下り【得点:13.767】
堀内選手同様にとても丁寧な演技を実施し、着地まで決める素晴らしい実施であった。
【第5ローテーション】跳馬
松見:伸身カサマツ 【得点:13.40】
助走からスピードに乗って良かったが、前に突っ込んで着手を入ったため、後半に回転が失速し、前に大きく1歩でてしまった。練習から苦労していた部分であるが、最後の調整でも着地までとれていたので悔やまれる演技であった。
堀内:伸身ユルチェンコ1回半ひねり【得点:15.033】
スピードに乗りロンダートから着手で少し潰れて着手が入ってしまったが、高さのある実施と着地まで決める素晴らしい実施で15点代を獲得した。
【第6ローテーション】平行棒
堀内:け上がり倒立、棒下倒立、デアミドフ、車輪、モイ、移行、ティペルト、ツイスト、前振りあがり倒立、屈身2回宙返り下り【得点:13.70】
最後の種目であった。棒下倒立で肘を曲げて上げた以外は、非常にスピード感があって良かった。下りの屈身ダブルが後ろに大きく1歩でてしまったのが悔やまれる個所であった。
松見:ピンコ、振り上がり倒立、車輪、ティペルト、移行、モイ、ツイスト、デアミドフ、前振りあがり倒立、屈身2回宙返り下り【得点:12.70】
最後の種目でもありとても集中して演技に臨んだが、ティペルトで受ける時に肘が緩みバー上に落下、その後はスピード感のある素晴らしい支持系を行い、着地まで小さく1歩でまとめる素晴らしい内容であったが、ティペルトでのミスが悔やまれる。
個人総合では、堀内選手が4位、松見選手が5位となり、表彰台に入れなかったことが、少し残念な結果となった。しかしながら、明日の種目別には、跳馬以外の5種目に出場が決まったので、気持ちを切り替え望むことを、ミーティングで確認した。
②12:00?14:30
【第1ローテーション】 鉄棒
野々村:アドラー1/2、リバルコ、アドラー1回ひねり片逆手?伸身コスミック、シート、シート1/2ひねり、アドラー、背面車輪、エンド、伸身新月面宙返り下り【得点:14.50】
スタートの種目で緊張気味ではあったが、落ち着いた素晴らしい演技で着地も大きく1歩と大過失なく終えることができた。
神本:アドラー1/2、コールマン、クスートハーフ、アドラー1回ひねり片逆手?伸身コスミック、片逆手からのエンド1回ひねり片大逆手、シート1/2大逆手、大逆手エンド、クスート、伸身新月面宙返り下り【得点:15.467】
野々村選手同様に、スタート種目ということもあり、とても集中して演技を開始した。すべての流れが、ほぼ完璧であり、着地まで狙いく素晴らしい実施であった。団体としては、最高のスタートをきることができた。
【第2ローテーション】 ゆか
野々村:前方1回ひねり?前方1回半ひねり(小さく動く)、後方2回半ひねり?前方1/2ひねり
後方2回ひねり、前後開脚、十字倒立、側方ひねり、後方3回ひねり【得点:14.30】
スタートを乗りきれたことで、気持ちに余裕ができ着地までしっかりとる演技であった。
神本:ダイビング屈身ダブル(小さく動く)、テンポハーフ?前方2回ひねり、後方1回半ひねり?前方1回ひねり(小さく動く)、後方2回半ひねり?前方1/2ひねり、フェドルチェンコ、十字倒立
後方3回ひねり(小さく動く)【得点:14.90】
ゆかでは、着地をほとんど決める素晴らしい実施であった。惜しくも15点代にのらなかったが、観客も少しずつであるが、日本の演技に注目してきた。
【第3ローテーション】 あん馬
野々村:バックセア倒立、Bバック、縦向き、前移動、外向き、シバド移動、1/4移動、フクガ、ループ、逆リア倒立3/3移動下り【得点:13.80】
神本:馬端からのWセア、リーニン、移動、縦向き、マジャール、外向き、シバド移動、Bシュテ、フクガ、逆リア倒立3/3移動下り【得点:13.90】
両選手とも安定感のある演技を実施、団体としても落下が心配されたが、それを払拭するような演技であった。
【第4ローテーション】 つり輪
野々村:閉脚上水平~振動からの十字倒立~ホン転倒立、振り上がり倒立、屈身ヤマワキ~抱え込みヤマワキ~振り上がり開脚上水平、伸肘倒立、抱え込み2回宙返り1回半ひねり下り【得点:14.00】
力技もしっかりと決め、振動技のヤマワキもスピード感のある実施を行い、着地も小さく1歩でおさえることができた。
神本:け上がり?中水平~振り上がり開脚上水平、脚前挙、伸肘倒立、伸身ヤマワキ~抱え込みヤマワキ~振り上がり倒立、グッチョギ?ホン転倒立、屈身ヤマワキ~前方車輪~前方2回宙返り1/2ひねり下り【得点:14.467】
野々村選手同様に力技もしっかりと決め、振動からの振動倒立も素晴らしい実施で、終末技もわずかに1歩でてしまった。
【第5ローテーション】跳馬
野々村:伸身カサマツ1回ひねり 【得点:15.367】
助走からスピードにのり、高さとひねるスピードのある素晴らしい跳躍であった。
神本:伸身ユルチェンコ2回半ひねり 【得点:15.467】
ロンダートから鋭い着手を決め、高さとひねるスピードのある素晴らしい跳躍で、着地で1歩大きくでてしまった。高得点が期待できたが思ったより点数が伸びなかった。
【第6ローテーション】平行棒
野々村:棒下倒立、車輪、ティペルト、ヒーリー、ツイスト、Dツイスト(単棒で横にでれずに中に入ってきた。)ピンコ?カット支持(受けた時に肘が抜けて失敗)、伸肘倒立、屈身2回宙返り下り【得点:12.367】
ラストの種目で集中力も高まっていたが、棒下倒立で大きく1歩手を動かし、Dツイストの後に外に出れずに中に入る(その時にも力使って修正)、ピンコカットで前半で力を使ったためか、肘が抜ける痛恨のミスを侵してしまった。その後は、下りも前にでてしまったので回しすぎてこけてしまった。個人総合でも表彰台の可能性があったので、悔やまれる演技になってしまった。
神本:ピンコ?ホンマ、棒下1/2ひねり倒立、棒下1回ひねり倒立、棒下倒立、車輪デアミドフ、車輪、屈身ベーレ、移行、ティペルト、ヒーリー、屈身2回宙返り下り【得点:15.60】
観客も神本選手の演技に注目し、演技がスタートした。ホンマで後ろにいってしまい、棒下1/2ひねり倒立で真ん中に戻し、棒下1回ひねり倒立へつなげ、屈身ベーレまで素晴らしい実施を魅せた。後半も丁寧に演技し下りも高さと着地をしっかり狙いにいけた。観客も演技終了後は、拍手する素晴らしい実施であった。
団体総合で、日本チームが優勝することができ、個人総合でも、神本選手が優勝することができた。勝因として、野々村選手と神本選手、また、ジュニア選手の堀内、松見選手ら全員が、チーム一丸となり、仲間と助け合いながら試合に臨むことができた。その結果、ミスが少なく団体総合・個人総合の優勝に繋がったのだと思う。
そして、今回帯同のトレーナー溝田氏には、練習前や練習後の身体のケア、また様々な面で選手をサポートして頂き、選手が怪我すること無く、試合に臨むことができたことが大きな要因の一つだと考える。
明日の種目別では、神本選手が全種目出場し、野々村選手が、ゆか・つり輪・鉄棒の3種目に出場することが決まり、日本の美しい体操をしっかりと、世界にアピールすることを、選手達と再確認した。
■12月15日(土)種目別決勝
①10:00?14:30
(シニア・ゆかスタート、ジュニア・あん馬スタートの同時進行で前半4名・後半4名で行われた。)
ジュニア
【第1ローテーション】 あん馬
堀内: 縦向き、前移動、外向き、シバド移動、1/4移動、フクガ(フクガでバランスを崩し落下)、バックセア、セア、逆リア倒立3/3移動下り【得点:11.875】
松見: バックセア倒立、フロップ、1/4前移動、シバド移動、前移動(落下)、Bシュテ、フクガ、逆リア倒立3/3移動下り【得点:12.375】
両選手とも1種目目から落下してしまうミスがでた、その後は2度ミスすることなく最後の倒立下りまでしっかり行った。昨日と同様にミスが出てしまったことは、悔やまれる。
【第2ローテーション】つり輪
堀内:前振りあがり脚上挙、伸肘倒立、振り上がり倒立、ホン転倒立、屈身ヤマワキ、抱え込みヤマワキ、大振り脚前挙、伸肘倒立、後方車輪、後方抱え込み2回宙返り1回半ひねり下り【得点:13.10】
昨日と演技構成は、全く一緒であったが倒立の決めや力倒立での肘曲がりなどが昨日より目立ったため、着地も良かったが点数が思ったより伸びなかった。
松見:振り上がり開脚上水平、ホン転、振り上がり倒立、屈身ヤマワキ、抱え込みヤマワキ、振り上がり開脚前挙、伸肘倒立、抱え込み2回宙返り2回ひねり下り【得点:13.975】
昨日とは、終末技をE難度へ変更して演技を行った。先ほどのあん馬の落下を払拭してくれる素晴らしい実施でEスコア8.975を出し堂々の優勝を果たすことができた。
【第4ローテーション】平行棒
堀内:け上がり倒立、棒下倒立、デアミドフ、車輪、モイ、移行、ティペルト、ツイスト、前振りあがり倒立、屈身2回宙返り下り【得点:13.70】
昨日より棒下倒立で肘を曲げて上げてしまったが、それ以外は、非常にスピード感があり、下りの屈身ダブルも1歩でおさえることができ、3位とメダルを獲得することができた。
松見:ピンコ、振り上がり倒立、車輪、ティペルト、移行、モイ、ツイスト、デアミドフ、前振りあがり倒立、屈身2回宙返り下り【得点:13.45】
昨日の失敗を生かして丁寧かつ慎重に演技を行った、昨日のティペルトでの落下はなかったものの全体的にスピード感がない実施で思ったより点数が伸びず、4位入賞であった。
【第5ローテーション】鉄棒
堀内: アドラー、背面車輪、伸身イエガー(持ちに行こうとして近づきすぎて落下)、トカチェフ、クースト、シート1/2大逆手、エンド、伸身新月面宙返り下り【得点11.775】
平行棒の勢いのまま良い演技を期待できたが、イエガーで持ちに行きすぎてバー上にかかとをぶつけ落下、その後は昨日失敗したトカチェフをしっかりと持って着地まで取りにいけた。メダルの可能性があったので残念であった。
松見: トカチェフ、エンド、シート、シート1/2片大逆手、アドラー、背面車輪、伸身新月面宙返り下り 【得点13.50】
昨日よりもスピード感があり、トカチェフの後の処理も丁寧に行えた。Eスコア9.10の素晴らしい実施で優勝することができた。
【第6ローテーション】 ゆか
堀内:後方2回半ひねり?前方1/2ひねり、後方1回半ひねり?前方1回ひねり、後方2回ひねり、前後開脚・十字倒立、側方1回ひねり、後方3回ひねり【得点:13.10】
演技実施は、非常に良く着地までしっかり取れていたが、ラストの3回ひねりを綺麗にひねり切ろうとして、大きく着地を乱し、ラインオーバーまでしてしまったため、点数は伸びず4位となった。
松見: 後方2回半ひねり?前方1/2ひねり、前方伸身?前方2回ひねり、側方宙返り、前方1回半ひねり、前後開脚、伸肘倒立、後方3回ひねり【得点:12.975】
アップからよく動けていたので期待ができたが、第1コースの後方2回半からのシリーズで後方2回半が高すぎて前方ハーフで回りすぎて失敗してしまった。あとの演技は着地まで丁寧にとる演技であったが本大会最後の演技として悔いの残るものであった。
2日目の身体がきつい中、松見選手が、つり輪・鉄棒で優勝。堀内選手が、平行棒3位を果たし、日本のジュニアを世界にアピールすることができた。
シニア
【第1ローテーション】 ゆか
野々村:前方1回ひねり?前方1回半ひねり、後方2回半ひねり?前方1/2ひねり、後方2回ひねり、前後開脚、十字倒立、側方ひねり、後方3回ひねり【得点:14.55】
昨日よりも丁寧に演技し、全コース着地を意識した素晴らしい実施であった。Eスコア8.950と高かったがDスコアがあまり高くなったため、4位となった。
神本:ダイビング屈身ダブル、テンポハーフ?前方2回ひねり、後方1回半ひねり?前方1回ひねり、後方2回半ひねり?前方1/2ひねり、フェドルチェンコ、十字倒立、後方3回ひねり【得点:14.70】
野々村選手同様にとても丁寧に演技し、ほぼ全コース着地を止めることができたが、ラストの3回ひねりで蹴りが抜けてしまい前に大きく1歩でてしまった。結果として、ラスト以外がしっかりと評価され3位とメダル獲得することができた。
【第2ローテーション】 あん馬
神本:馬端からのWセア、リーニン、ループ、縦向き、マジャール、外向き、シバド移動、Bシュテ、フクガ、逆リア倒立3/3移動下り【得点:13.575】
昨日より少し価値店を上げて行った。演技内容としては申し分ない実施であったが、価値点も低いことから7位入賞であった。
【第3ローテーション】 つり輪
野々村:閉脚上水平~振動からの十字倒立~ホン転倒立、振り上がり倒立、屈身ヤマワキ~抱え込みヤマワキ~振り上がり開脚上水平、伸肘倒立、抱え込み2回宙返り1回半ひねり下り【得点:14.325】
昨日と同様に力技もしっかりと決め、振動技のヤマワキからの力技も正確にきめて、下りも小さく1歩でおさえることができ、6位に入った。
神本:け上がり?中水平~十字倒立~振り上がり開脚上水平、脚前挙、伸肘倒立、伸身ヤマワキ~抱え込みヤマワキ~振り上がり倒立、グッチョギ?ホン転倒立、屈身ヤマワキ~前方車輪~前方2回宙返り1/2ひねり下り【得点:14.775】
昨日より十字倒立を増やして臨んだ。3つの力技ともしっかりと決め、振動からの振動倒立も正確に行い、終末技もピタリと決めたが、3位と0.3足らず4位となった。
【第4ローテーション】跳馬
神本:1本目//伸身ユルチェンコ2回半ひねり 【得点:15.850】
ロンダートから鋭い着手を決め、高さとひねるスピードのある素晴らしい跳躍で、着地もピタリと決めて、15.850の高得点がでた。
2本目//伸身カサマツ1回ひねり【得点:14.975】
助走からスピードにのったが着手で少し肘が弛み、着地でラインをでてしまったが、平均で15.41と2位に入りメダル獲得となった。
【第5ローテーション】平行棒
神本:ピンコ?ホンマ、棒下1/2ひねり倒立、棒下1回ひねり倒立、棒下倒立、車輪デアミドフ、車輪、屈身ベーレ、移行、ティペルト、ヒーリー、屈身2回宙返り下り【得点:15.50】
平行棒の最終演技者ということもあり神本選手の演技に観衆が注目し、演技がスタートした。昨日のホンマの部分でも丁寧に入ることができ、得意の棒下1/2ひねり倒立?棒下1回ひねり倒立、車輪デアミドフからの屈身ベーレまで素晴らしい実施を魅せ、観客からも歓声がでるほどであった。後半も丁寧に演技し下りも高さと着地をしっかり狙い、見事に優勝することができた。
【第6ローテーション】鉄棒
野々村:アドラー1/2、リバルコ、アドラー1回ひねり片逆手?伸身コスミック、シート、シート1/2ひねり、アドラー、背面車輪、エンド、クースト、伸身新月面宙返り下り【得点:14.85】
今大会最後の演技となるなか、アドラー系の技もほぼ倒立にはめる素晴らしい実施で、着地も狙いにいけた。今大会最後にふさわしい演技で2位に入りメダル獲得となった。
神本:アドラー1/2、コールマン、クスートハーフ、アドラー1回ひねり片逆手?伸身コスミック、片逆手からのエンド1回ひねり片大逆手、シート1/2大逆手、大逆手エンド、クスートハーフ、伸身新月面宙返り下り【得点:15.225】
今大会最後と予選トップいうプレッシャーのなか、集中して演技を開始した。団体・個人総合と同様にすべての流れが、ほぼ完璧であり、着地まで狙い見事に決めてくれた。野々村選手同様に、今大会最後にふさわしい演技を披露し、優勝することができた。
試合開始から約4時間近く競技があるという難しいなか、上手く身体の調整を行い、神本選手が個人総合に続き平行棒・鉄棒で優勝、ゆか3位、跳馬2位と大活躍を果たした。また、野々村選手も鉄棒で2位入り、日本選手の美しさを十分に世界にアピールすることができた。
【総評】
今大会を通して、ジュニア・シニアとも大きな成果を上げることができたが、国際大会での採点の違いや、日本製と特質の違う器具への対応(ゆか・跳馬)、また諸外国選手の、ゆか・つり輪・跳馬の価値点の高さ(ゆかでは、伸身サルトなどのBigタンブリングやD+D(前方2回ひねり~前方W):つり輪では、力技全て、手首を巻き込まずに実施:跳馬ではツカハラWやローチェの回転系)を再確認でき、今後の課題として取り組むべきであると強く感じた。
今大会に出場した選手が、今後日本代表選手として金メダルを獲得してくれる事を希望し、また今大会を通して得たことを、日本体操の更なる発展のために反映させていきたいと思う。
最後に、大会参加にあたりご尽力頂いた日本体操協会の関係者の皆様、大会主催者であるディナモ・モスクワ体操クラブの皆様、帯同して頂いたトレーナーの溝田氏をはじめ、多くの関係各位に心より感謝申し上げ、本大会の報告とする。