第5回アジアシニア体操競技選手権男子レポート8

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11月14日(水) 
男子種目別決勝(後半)
■男子跳馬
 2跳躍のDスコア平均が6.6以上の選手が7名とハイレベルな戦いであった。会場が固唾を飲んで見守った北朝鮮のRI SE GWANG選手の跳躍は2跳躍ともにDスコア7.2であり、見事な演技であった。1跳躍目は屈身ドラグレスクを披露した。非常に高さがあり着地姿勢も予選より高く、着地も1歩で抑えた。2跳躍目はRI選手の名前がついているRI SE GWANGを披露。こちらも非常に高さがあり、着地を1歩で抑えた。RI選手の演技は世界でもトップレベルの跳躍であると感じた。
1本目 16.425(D7.2+E9.225) 2本目 16.225(D7.2+E9.125) 得点16.325
 7番手に白井が登場。白井は新技申請を行い、1跳躍目にユルチェンコ伸身宙返り3回ひねり(7.0)を行った。しかし、ひねり切ることができずにシューヘルト(6.6)と判定された。2跳躍目は白井自身が競技会で初めてドリックスに挑戦した。非常に鋭いひねり捌きで着地を見事にまとめた。
1本目 14.875(D6.6+E8.575ライン減点-0.3) 2本目 15.675(D6.6+E9.075) 得点15.275
<結果>
1位 RI SE GWANG (PRK)
2位 CHENG RAN (CHN)
3位 NGUYEN HA THANH (VIE)
■平行棒
 星野は演技構成に新しく棒下1回ひねりとヒーリーを追加し、モイをティッペルトに変更させDスコア6.5の演技に果敢に挑戦した。惜しくも棒下1回ひねりで歪んでしまい、倒立から外れてしまうが、そのまま演技を続け着地までまとめた。
演技構成:前振り腕支持カット(B)~棒下1回ひねり(E)~棒下倒立(D)~棒下1/2ひねり(E)~車輪ディアミ(D)~前方回転開脚腕支持(D)~ティッペルト(D)~ヒーリー(D)~ライヘルト(D)~屈身ダブル(D)
Dスコア 6.5
 鈴木は始めの棒下1/2ひねりで少し流れるが、その後は完璧にまとめ14.925(D6.2+E8.725)を獲得。
演技構成:前振り腕支持カット(B)~棒下1/2ひねり(E)~棒下倒立(D)~車輪(C)~ベーレ(D)~ティッペルト(D)~ヒーリー(D)~ツイスト(C)~前方回転開脚腕支持(D)~屈身ダブル(D)
Dスコア 6.2
 最終演技者に中国のZHOU選手が登場。ZHOU選手の実施したテンハイビン1/4ひねりはおそらくZHOU選手が初めて競技会で実施したと思われる。見事な回転の大きさとスピードのあるテンハイビン1/4ひねりは圧巻であった。下りも前方2回宙返り1/2ひねりを行い、全体的に見ごたえのある演技であった。得点15.975(D7.0+E8.975)。
<結果>
1位 ZHOU SHIXIONG (CHN)
2位 NGUYEN HA THANH (VIE)
3位 JI LIANSHEN (CHN)
■鉄棒
 日本からは、小原と古谷が出場。スタートリストは小原4番、古谷6番であった。
 一人目の演技者は中国のLIU RONGBING組み合わせ等の高難度の技でDスコアを稼ぎ得点は15.900の高得点。
 4番目に登場の小原は最初のアドラーひねり倒立において倒立位から若干外れたが、その他を完璧にこなし、Dスコア6.1/Eスコア8.35得点14.450を獲得し暫定2位。
 5番目の演技者の中国LIN CHAOPANは着地まで止める完璧な演技。小原はこの時点で暫定3位。
 6番目に登場の古谷はカッシーナを決めるが、ところどころ倒立位の外れ等が見られ、Eスコアを伸ばせず小原と同点の14.450で暫定3位。
続く二人の選手がミスをし、結果小原、古谷の同点3位が決定。
小原演技構成:アドラーひねり倒立(D)~コールマン(F)~コバチ(D)~ホップターン(C)~リバルコ(D)~エンドー1回ひねり大逆手(D)~大逆手車輪(B)~アドラー(B)~シュタルダー(B)~伸身サルト(D)
Dスコア6.1
古谷演技構成:カッシーナ(G)~コールマン(F)~エンドーひねり(B)~ホップターン(C)~ホップターンひねり片大逆手(C)~逆車輪ひねり大逆手(C)~大逆手エンドー(C)~エンドー(B)~シュタルダー(B)~伸身サルト(D)
Dスコア6.1
LIU RONGBING演技構成:前方車輪1回ひねり大逆手(C)~アドラーひねり倒立(D)~モズニク(D)~エンドー1回ひねり大逆手(D)~伸身イエーガー(D)~シュタルダー1回半片大逆手(D)~アドラー1回ひねり片逆手(D)~ヤマワキ(D)~シュタルダーとび1回ひねり大逆手(D)~伸身新月面(E)
Dスコア7.1※表示7.2
■総評■
 今回の男子選手は非常に若く不安も多かったが、チームのまとまりもとても良く、素晴らしい演技を見せてくれた。また、団長はじめスタッフ全員の団結力も力となり、団体で銀メダル、種目別では金1、銀1、銅2個を獲得することが出来、非常に良い結果であったと思う。しかしながら個人総合・平行棒・鉄棒の中国選手、つり輪・跳馬の北朝鮮選手のレベルの高さは目を見張るものがあり、これからの選手強化のあり方を考える必要性を痛感した。
 最後にこのような情勢の中で派遣をしていただいたJOC、日本体操協会並びに関係者の皆様に感謝いたします。