ロンドン五輪レポート3男子予選1班
現地7月28日、男子団体予選(1班)スタート。チームとしてはKOR、GBR、CHN、FRAが出場。
■第1ローテ
ZONDERLAND(NED)が鉄棒の最初の演技者として登場。カッシーナ~コバチ、コールマン、アドラーひねり~ゲイロード2、伸身新月面着地前にとぶ。試合幕開けの最初の演技者として落ち着いた実施。素晴らしい集中力。15.966でトップ。
中国は跳馬から。ZOU Kaiドリッグス(左足大きく左へ出しライン減点)、ZHANG Chenglongロペス(まとめる)、FENG Zheロペス(着地1歩)、GUO Weiyangアカピアン(まとめる)。チーム47.633でトップ。
イギリスは緊張気味につり輪からスタート。大過失なしに乗り切る。チーム44.199。
韓国は、大過失はないものの、下りを含む倒立系の技で力を使い、足を少し下に下げるミスで難度を取れずチーム得点を伸ばせず。38.666。
KONECNY(CZE)がアドラーひねり~伸身トカチェフ~トカチェフひねりを成功したがその後落下。
■第2ローテ
中国平行棒、CHEN Yibing棒下でひじを曲げ、予定通り?かかえ込み宙返りで下りて12.900。ZHANG Chenglong棒下ひねりでバランスを崩すがまとめる。FENG Zhe棒下1回ひねりでひねりすぎて横に出たが浮腰上がりで乗り切りまとめる。15.633でこの種目トップ。GUO Weiyangホンマでひじを曲げ、着地で膝と手をつく大きなミス。
イギリス、大きな声援を受けてのびのびとしたいい演技。WHITLOCKシューフェルト(まとめる)、PURVISドリッグス(まとめる)、THOMAS屈身メリサニディス(1歩)、2本目ローチェ(まとめる)。
フランス、CUCHERATスムーズな演技だがヤマワキで大きく腰を曲げ小さくとび越す感じに。
中国92.598、イギリス92.532、フランス89.564、韓国80.598
■第3ローテ
FENG Zhe、コールマン、アドラー1回ひねり~ヤマワキ(腰まがり)、伸身新月面着地1歩。GUO Weiyang、伸身トカチェフひねり、アドラー1回ひねり~ヤマワキ(腰まがり)、伸身新月面着地動く。ZHANG Chenglong、アドラーひねりから直接伸身トカチェフにつなげられず、伸身新月面着地決める。ZOU Kai、エンドー1回ひねりからのヴィンクラー入れず、少し重い感じ、伸身新月面着地1歩。
韓国YANG Hak Seonの跳馬、1本目ヨー2(着地少し低い)、2本目ロペス右足小さく1歩前に。
中国139.064でトップ維持。
■第4ローテ
FENG Zhe、最初の伸身月面の着地を止めるが、他のタンブリングで着地を止め切れず。GUO Weiyang、C難度技の連続を丁寧に。最後の月面で前につぶれる。ZHANG Chenglong、前宙2回半ひねりから非常に丁寧にさばく、伸身トーマス転で止まりそうになるがこらえる、最後後方宙3回ひねり左足大きく後ろへ1歩。ZOU Kai、後方宙1回半ひねり~バンローンで少しけりが抜けたがうまくこなし、着地を丁寧に落ち着いた演技を披露。15.833でこの種目トップ。
フランスあん馬TOMMASONE、正交差倒立、逆交差倒立、コンバイン、フロップ、ウゴニアンなど大きなミスなくまとめる。
中国183.996でトップ。
■第5ローテ
CHEN Yibing、素晴らしい流れの演技。GUO Weiyang、下向き1080度転向での足割れ、下りの前で落下。ZHANG Chenglong、交差倒立、逆交差倒立後、旋回からの後ろ移動で手を滑らせて落下。ZOU Kai、ウゴニアンで大きく足割れ、不安定な旋回、下りで力を使うミス。
イギリスはWHITLOCKがキレのある演技でトップバッターを務めあげ、OLDHAMはライン減点をしてしまうが、PURVIS、THOMASともに着地で少し動くものの堅実な演技を続け227.587でトップに。中国は3名のミスで後退。
■第6ローテ
FENG Zhe、丁寧な実施、新月面着地動く。GUO Weiyang、丁寧に演技を行う。CHEN Yibing、着地までまとめ15.858でつり輪トップ。ZHANG Chenglongは演技せず。
PURVIS、ウゴニアンで落下。WHITLOCK、演技をまとめる。出場種目でいい演技で満足顔。SMITH、若干の足割れがあったが非常に丁寧に演技をまとめる。演技終了後にホッとした顔が印象的。15.800(Dスコア6.9)でこの種目トップ。THOMAS、両把手間下向き1080度転向、ウゴニアン、下向き1080度転向、トンフェイなど下向き系を不安定ながらしっかり演技し通す。
1位イギリス272.420
2位中国269.985
3位フランス265.759
4位韓国255.327
前回王者、中国がプレ五輪で団体出場権を獲得した地元イギリスの後につける波乱の幕開け。
イギリスはPURVISのあん馬の落下以外に大過失はなく、チームとして地の利を生かした素晴らしい演技だった。2009年個人総合2位だったKEATINGSを代表から外したが、非常に強い絆を感じる状況だった。
日本が事前合宿を行って一緒に調整したフランスも現勢力としては十分といえるほど力を出し切った。一方、アジア勢は大過失を伴い大苦戦。
韓国は出足のあん馬で落下はなかったが、倒立技で力を使い、想像以上に大きく後退。気落ちしたチーム状況を立て直すことはできず、鉄棒での落下、ゆかでの転倒など団体での予選通過は厳しい状況となった。
中国は、急きょ入れ替えたGUO Weiyangが3種目で大過失を出すミスでチームの足を引っ張った。予定していたTENG Haibinと入れ替わったのはポディウム練習後。初めて触れる器具で、それもチームとして連覇を続ける体操王国の代表というプレッシャーは想像以上にGUOにのしかかったのであろう。1976年のモントリオール五輪で笠松茂選手と急きょ交代した五十嵐久人選手が重くのしかかったプレッシャーを口にしていたことを思い出す。団体決勝までの間でどのような立て直しを図るのか注目される。
このあと2班に日本、アメリカが登場。