第12回アジアジュニア選手権女子報告

報告者:

■派遣者
コーチ:中濱芳信(ジュニア強化委託部員・高島平体操クラブ)/水鳥舞夏(ジュニア強化本部員・水鳥体操館)/浜畑恵(ジュニア強化本部員・中京ジムナスティッククラブ)
審判員:岡野由美(審判委員会女子体操競技部部員)、岡田牧子(審判委員会女子体操競技部部員)
選手:石倉あづみ(高島平体操クラブ)、芦川七瀬(水鳥体操館)、村山由衣(戸田市スポーツセンター)、松村泰葉(中京ジムナスティッククラブ)
■派遣先 タイ・スパンブリー
■報告
●参加国数13カ国(ウズベキスタン、韓国、日本、シンガポール、ベトナム、台湾、モンゴル、カザフスタン、スリランカ、マレーシア、インド、香港、タイ)
●参加人数52名
●参加チーム10チーム
<3月12日(月)〈女子競技(団体総合、個人総合・種目別予選)〉>
9時半から10時半までサブ会場で15分ローテーション練習を行い、一度ホテルへ戻り、昼食を食べ13時のバスで試合会場へ向かった。現地入り後、何度も予定が変更になったり日本とは違う試合スケジュールに少し戸惑いもあったが、焦ることなく落ち着いて準備、アップをすることができた。14時から7分ローテーション練習を行った。その後、30分の休憩の後、試合を迎えた。
1種目目、段違い平行棒。トップバッターの村山選手は危ない部分があったが、役目をしっかりと果たした。石倉選手・芦川選手もその流れに乗り、最後までまとめた。最終演技者の松村選手は、イエガーで落下したが、その後は着地までまとめた。
2種目目、平均台でもトップバッターの村山選手は、落ちそうになったところでもしっかり戻し最後まで通した。その後は、全員がその流れに乗り、素晴らしい演技をした。
3種目目、ゆかは平均台での良いリズムのまま行うことができた。最終演技者の松村選手は、着地をほぼまとめ素晴らしい演技をした。
最終種目、跳馬。全員がユルチェンコ1回ひねりに挑んだ。現地に入ってからなかなか蹴りが合わず心配ではあったが、トップバッターの村山選手は着地を一歩でまとめた。石倉選手は、着地で転倒。芦川選手・松村選手は雄大な跳躍を見せた。
結果、韓国チームに5.7の大差をつけ、日本チームは団体優勝!!前回の2010年に続き2連覇をすることができた。
個人総合では、芦川選手優勝。石倉選手第2位、松村選手第3位、村山選手第4位。表彰は各国2名までだが、1位から4位までを日本チームが独占した。
<3月13日(火)〈種目別跳馬、段違い平行棒決勝〉>
本日は、14時から15時まで本会場で1種目20分間の練習を行い、16時から試合が始まった。
1種目目の跳馬では、他の国の選手が着地で転倒する中で、芦川選手、松村選手は2本とも良い跳躍をした。結果、松村選手2位、芦川選手3位となった。日本人以外の選手は、2本違うグループの跳躍を行った。日本のジュニア選手も強化していかなければならない点だと感じた。
2種目目の段違い平行棒。韓国のNARAEYUN選手は、前日の団体戦では落下があり、その後の流れも良くなかったが、今日はしっかりと修正し、Dスコア6.1という素晴らしい演技を披露した。村山選手は、振り上げ倒立で落下し、その後も動揺が続きD難度からD難度の組み合わせでミスがでた。芦川選手は、いつも通りの危なげない演技で、2位に入った。
<3月14日(水)〈種目別平均台、ゆか〉>
10時からウォーミングアップをし、11時から練習を始め、その後1時間の休憩を挟んで試合が行われた。
1種目目の平均台では、芦川選手は、上がりは良かったがその後のD難度・B難度・C難度の組み合わせで落下。タイのThong-Umpai選手は落下はあったが、素晴らしいジャンプだった。独特な雰囲気で、緊張感が有り、落下をする選手が目立った。その中で、石倉選手は着地を決め素晴らしい演技を行い、優勝した。
2種目目のゆかでは、石倉選手は連続技を2本決めるが、2節目の抱え込みダブルで手を着いた。松村選手は、1節目の3回ひねりで大きく1歩動いたが、その後は落ち着いてとても良い笑顔で演技をし、2位に入った。海外の選手は、ダンス系の難度が高い。技やジャンプが非常に高く、技の難度が低い選手でも、表現力やダンス系は素晴らしかった。
●総評
今回のアジアジュニアの女子のコーチ、選手は全員海外遠征が初めてと言うこともあり不安を抱えながら1月・2月のジュニア合宿を行った。所属の違う選手が集まってチームを組むことにも不安があった。なかなか上手く出来ない種目があったり、故障個所が増えたりと練習が思うように進まない選手も多かった。しかし、1月のジュニア合宿で日本代表としての自覚を持って練習や行動をすることを選手もコーチも再認識し、2月のジュニア合宿では、チームを意識しての練習をすることができた。
3月8日にタイに入国したが、初日からホテルに到着するのが遅くなったり、試合の日程が男女入れ替わったり、バスの時間は何度も変更があり、たくさんの予想外のことが起こった。
海外の選手は、体線の美しい選手が多い。シンガポールの選手は、技の難度は低いが立ち姿勢がとても美しかった。他にも、タイの選手の技の高さや韓国の選手の平均台、ゆかのダンス系の正確さは本当に素晴らしかった。
日本選手の練習は、チーム全員、声を出しとても良い雰囲気で練習をし、良い雰囲気で試合当日を迎えることができた。
全種目トップバッターである村山選手の活躍にはとても感心した。危ない箇所がありながらも、大過失することなく最後まで通し次の選手につないだ。他の選手もそれに続いて1人1人落ち着いて演技をし、チームということを意識しながら練習してきた成果を上げ、団体優勝することができた。
団体優勝を目標に1月・2月のジュニア合宿、各所属での練習に取り組んできた結果、個人総合優勝、2位から4位までも独占し、各種目別でもたくさんのメダルを獲得することができた。
最後になりましたが、日本体操協会をはじめ、男子のコーチや現地のスタッフ、多くの体操関係者の方々に感謝し、この場をお借りしお礼申し上げます。