2011世界体操選手権女子予選第3班レポート

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日本の決勝進出ラインの目安となるオーストラリアは平均台からスタート。MITCHELLの前の選手までは小さなふらつきこそあったものの、大過失なく乗り越え、そのままMITCHELLが高得点を出すかに思えたが、開脚前宙~交差とびのところで踏み外して、台上に乗ってしまう大過失。それでも14.033(Eスコア7.533)をマーク。これで3人が14点台に乗せ、残る一人の得点も13.5としてまずまずのスタートとなった。
ゆかでは二人目のBROWNが終末技の後方かかえ込みダブルで後ろに滑ってしまい、前に手をつく大過失。更に、最終演技者のMITCHELLも二本目の屈身ムーンサルトでラインオーバーとなるミスを犯したが、MILLERとBRENNANが落ち着いた演技で着地をまとめ、BROWNのミスをカバーした。
跳馬ではLITTLEがユルチェンコ2回ひねりをうまくまとめて14.533と高得点をマーク。同じ技を跳んだMITCHELLは着地が低くなり、前に大きく一歩出て14.300。他はユルチェンコ1回ひねりであったが、着地での大きな減点がなく、跳馬でも得点を稼げた形となった。
段違い平行棒は得意種目であると思われるが、一人目のLITTLEが伸身ダブルの着地をぴたりと決めて幸先のよいスタートを切るも、二人目のMONCKTONがパク宙返りの後、低棒での振り上げ倒立で上がりきらずダブルスイングとなるミス。しかし、今日のオーストラリアはこういったミスをカバーするチーム力があり、その後のBROWNはノーミス、MITCHELLは着地まで止めるなどミスを出さず、最後のMILLERは閉脚シュタルダー1回ひねり~ギンガー、閉脚シュタルダー半ひねり~イエーガーと見事に決め、終末技はシュタルダー1回ひねりからのかかえ込み月面宙返り下り。唯一の14点台となる14.300をマークして、MONKCTONのミスをカバー。ルーマニアには及ばなかったが、221.846の合計点で演技を終えた。
個人総合では第2班のルーマニアのHAIDUに続き、MITCHELLが2位に入り、LITTLEも4位に入ると健闘した。MITCHELLは本来の演技であればトップに立っていたであろうだけに個人総合決勝に残ったときには是非実力を発揮してほしい。
また、ポーランドのPIHANが伸身前宙1回ひねり~前転とび~前方かかえ込み2回宙返りという珍しい組み合わせを見せた。
オーストラリアの合計点を受けて、日本は各種目55.5以上の合計点を取ることが必要。単純に一人13.9以上の得点だ。各選手得意種目で確実に14点台後半を目指しておくことがオーストラリアを上回る条件になるであろう。