2011世界体操選手権女子予選第2班レポート

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白のレオタードに身を包み、優勝候補の一角、ルーマニアが登場。開始種目が平均台の場合、最初の演技者によってチームの流れが決まる。それを任されたのがRACEA。後転とび~後方かかえ込み宙1回ひねりの高難度技を平然と決め流れを作った。2番手BULIMARは側宙で体重が前にかかり落下。PONORは最後の月面の着地で前のめりになったが、終始安定した実施を披露して15.000。昨年のこの種目の世界チャンピオンPORGRASは交差輪とびの着台でくずれ、落下はしなかったがしゃがみこんで手を大につくミスを出した。HAIDUは連続をうまくこなせなかったところもあったが落下はしなかった。
ゆかでは、高難度の後方伸身2回宙などを行うが、全体的に着地を止め切れず、少々ミスの気になる出来だった。最後の演技者PONORは、最初の片足上4回ターンの途中でバランスを少し崩してポパジャンプへ。後方伸身2回宙、テンポ宙返り連続~後転とび~屈身月面、最後の後方宙3回ひねりは大きく右に弾んだ。
跳馬はPORGRASがユルチェンコ1回ひねり。あと全選手がユルチェンコ2回ひねりをとんだ。ただ、それぞれ着地をまとめることができなかった。
最終種目段違い平行棒は、最初の演技者BULIMARがシャポシニコワで落下。HAIDU、RACEAは途中の足開き、わずかな停滞などのミスが目立った。続きPORGRASは最後の後方伸身2回宙下りで両手を前につく大過失。最後のCHELARUは最後の後方伸身2回宙下りでの大きく足を開く姿勢欠点が気になったが、段違い平行棒らしい途切れのない演技で締めくくった。チームとしてはPORGRASとBULIMARの大過失が目立ち、不本意な団体予選となった感じだ。
もう一つの団体戦出場国、ベネズエラは1種目めの段違い平行棒でBRICENOが高棒でけ上がり後に停滞し、その後、ROJASも前方2回宙の終末技でしりもち、更にSOTILLOも振りとびから低棒移行後に停滞。苦しいスタートとなったが、昨年個人総合10位のLOPEZが大逆手1回ひねり~屈身(伸身?)イエーガー、トカチェフ~ギンガー、そしてイエーガーとふんだんに高難度の手放し技を構成して場内を沸かせた。
2種目めはPENAが側宙で落下、ROJASが前宙で落下、更にBRICENOは2度の落下とミスが続く雰囲気を払しょくできずにいたが、LOPEZが踏ん張ってノーミスの演技。
3種目めのゆかは脚力が弱いところが見られて、単発の後方1回半や後方2回ひねりを入れてくる選手が目立った。更にMEDINA、BRICENOはラインオーバーをして大きく減点された。しかし、ここでも活躍したのはLOPEZ。月面、テンポ~3回ひねり、屈身ダブル、2回半ときれいに決めて、更に軽快なリズムの曲で観客から手拍子が起こり、演技を終えるとこの日一番の拍手、声援が送られた。
最後の跳馬は全員がユルチェンコ1回ひねり。ロペスは2回ひねりが出来るはずだが、今日の出来は足が割れて着地が不安定であった。
ベネズエラも全体的にミスの多い出来であり、昨年24位以内に入り、無事今大会団体出場を果たしたものの、残念な結果となった。