2011世界体操選手権コラム「引退と復帰」

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PONORが今年2度目の復帰を果たして、今日のポディウム練習では今までの動きよりも更に切れのある動きを見せて、今大会の活躍が期待される。
 
日本女子選手が引退するときは、多くは大学卒業の時に引退するという図式が出来ている。世界の女子選手が引退のきっかけとなるのは未知の世界であるものの、引退するときに「もう厳しい練習をついていけるのだろうか」という不安を持つのは共通するはずで、その引退からさらに復帰を二度果たした彼女の精神力は正に賞賛に値する。
選手の中には治らないと思える怪我を抱えながら現役を続ける人もいて、選手が引退を決める一つの要因であるし、彼女もそのような悩みを抱えていたのかもしれない。2007年の世界選手権後の引退から4年経つという長期間のブランクで、そのような体の問題や、選手としての精神的な成長があったからこそ、復帰に繋がったのであろう。
もし自分が復帰をすれば、今持っている体操の知識と、体操への関わり方で、もっといい選手になれたのになと思う。しかし、それを実行するには時間が経ちすぎていて、不可能であるが、彼女は4年経っても24歳であり、彼女にはそれが十分にできる。そういった点で、経験豊富な彼女だからこそ、今回の仕上がりに繋がっているのかもしれない。
過去には、28歳で復帰したチュソビチナや、25歳まで世界のトップであったホルキナ、22歳で復帰したボギンスカヤといった過去の名選手がたくさんいる。そういった選手が復帰という道を作ったからこそ、彼女の復帰も容易に決意できたと思う。