KOREA CUP 2011報告
【派遣期間】7月6~11日
【選手団】男子コーチ:立花泰則、加藤裕之。女子コーチ:坂本周次、塩山勝。
男子選手:桑原俊、加藤凌平
女子選手:寺本明日香、飯塚友海
男子トレーナー:中島啓
男子審判:辻哲夫
女子審判:鈴木美里
【会場】GoyangGymnasium
【参加国】中国・クロアチア・フランス・イギリス・ドイツ・ギリシャ・ハンガリー・ポーランド・ルーマニア・南アフリカ・台湾・アメリカ・ウズベキスタン・ベネズエラ・韓国・日本
■7月6日
羽田発のJAL便にて韓国に出発。2時間弱の飛行でソウル空港(金浦)に到着し、現地での送迎バスにより30分ほどでホテルに到着。現地の気温は29度ということで、日本ほどの猛暑ではありませんでした。この日の練習はオフとし、明日からの大会に向け、ミーティングを綿密に行い、準備を整えました。
■7月7日
終日に亘る本会場での練習の合間を縫って、各種会議、歓迎レセプションというあわただしい日となりました。器具はシュピースということで、技の調整に苦労する練習となりましたが、各選手ともていねいに時間をかけて技の確認を行っていました。夜は全選手団と地元韓国の協会・大会組織委員会、そしてFIGの技術委員、アスリート委員長のTANSKANENとLIUKINも招待され、盛大に歓迎レセプションが行われました。
■7月8日
午後2時より組織委員会が用意した市内観光ツアーが設定されていたため、午前中のみの練習となりました。短い時間ではありましたが、ポイントを明確にした練習ができたように思います。また、最初のエントリーでは出場選手が8名に満たない種目もあり、希望すれば出場できる措置もとられました。その結果、エントリー種目は桑原選手が平行棒・鉄棒、加藤選手がゆか・跳馬・鉄棒、寺本選手が段違い平行棒・平均台・ゆか、飯塚選手が跳馬・段違い平行棒・ゆかと決まりました。
■7月9日
午前中は地下2階にあるサブ会場でアップを行い、試合前に1時間ほど本会場練習ができましたが、試合が始まると本会場でのアップがなく、サブ会場でアップした後は順番が来たらそのまま演技という形式でした。
男子
【跳馬】韓国のYANG HakSeon選手が前転とび前方伸身宙返り3回ひねり (Dスコア:7.4、Eスコア:9.45) を着地1歩、2本目をロペス(Dスコア:7.0、Eスコア:9.45)でまとめて優勝。価値点7.4は跳越技の中で最高のDスコアであり、その技を前へ1歩で決めました。2位はル・ユーフと屈身ローチェをまとめたフランスのBOUHAIL選手でした。加藤選手はアカピアンと伸身クエルボを予定していましたが、助走が合わず屈身となり、5位となりました。世界の跳馬の強さを見せられた種目となりました。
【平行棒】中国のWANG Guanyin選手がDスコア7.0、Eスコア8.975で優勝。ポーランドのKULESZA選手がDスコア6.0、Eスコア9.275で2位。とても安定した演技でした。3位は桑原選手が頑張りました。Dスコア6.4、Eスコア8.775で表彰台を獲得しました。
【鉄棒】韓国のKIM HeeHoon選手がDスコア7.1、Eスコア8.775で優勝。安定していて、迫力もありました。中国のCHEN Xuezhang選手がDスコア6.7、Eスコア8.175で2位。桑原選手は下りの前までなかなかのできで、2位に食い込むかという状況でしたが、着地で前に倒れてしまい、結果4位となりました。加藤選手はDスコアが低く、着地で後ろに倒れて6位に終わりました。
女子
【段違い平行棒】7名エントリーがあり3番手に寺本選手、7番手に飯塚選手が登場しました。寺本選手は1つ1つの技を正確に実施しDスコア6.3、Eスコア7.975の高得点を獲得しました。飯塚選手は最初の閉脚シュタルダー1回ひねりで落下してしまいDスコア5.4、Eスコア6.825で6位でした。7選手中5名に大過失がありましたが、その中でDスコアが高く正確な演技をした寺本選手が優勝しました。
【ゆか】7名のエントリーがありました。飯塚選手はラストのかかえこみ2回宙返りで前に手をついてしまいDスコア5.5、Eスコア7.0で6位でした。寺本選手は1本目と3本目のシリーズで加点を得ることができませんでしたが、着地まできれいにまとめてDスコア5.3、Eスコア8.0で3位になりました。ベネズエラのLOPEZ選手がDスコア5.5、Eスコア8.3で優勝。ポーランドのPIHAN-KULESZA選手がDスコア5.6、Eスコア8.175で2位でした。
■7月10日
男子
【ゆか】ギリシャのKOSMIDIS選手が安定した演技でDスコア6.7、Eスコア8.925で優勝。最近の試合では負けなしの強さです。2位はイギリスのPURVIS選手でした。Dスコア6.5、Eスコア8.775で、こちらも安定した演技でした。加藤選手は最初の後方伸身宙返り7/2ひねり~前方かかえ込み宙返りひねりで着地が大きく動いてしまい、Eスコアが伸びませんでした。Dスコア6.1、Eスコア8.575で6位に終わりました。
【あん馬】日本人選手は出場しませんでしたが、非常に高いレベルでの争いとなりました。優勝は中国のZHANG Hongtao選手でした。Eコンバインで多少の乱れがありましたが、あとは完璧に続けてDスコア6.6、Eスコア9.35で辛勝しました。2位はイギリスのSMITH選手。無難にまとめましたが、マジャールシュピンデル(D)をB難度に分割され、Dスコア6.7、Eスコア8.875でした。そしてハンガリーのBERKI選手が3位となりました。トップバッターということもあったかもしれませんが、演技全体に足の開きがみられ、Dスコア6.7、Eスコア8.675という結果でした。
【つり輪】この種目も日本人選手は出場しませんでしたが、高いDスコアの戦いとなりました。優勝は中国のLIAO Junlin選手で内容・実施ともいいできで、Dスコア6.8、Eスコア9.1でした。2位は同じく中国のLUO Xuan選手でDスコア6.8、Eスコア8.95でした。3位は台湾のCHEN ChihYu選手でした。Dスコア6.7、Eスコア8.775で上位3名が15点台の決定点となりました。
女子
【跳馬】7名のエントリーでしたが2名棄権で5名が出場しました。飯塚選手が1番手で登場しました。1本目はロンダート後転とび後方伸身宙返り2回ひねりを実施し、高さのある跳躍でDスコア5.8、Eスコア8.725。2本目は前転とび前方かかえ込み宙返りを実施し、余裕のある跳躍でDスコア4.4、Eスコア8.8を獲得。決定点が13.862で2位でした。優勝は韓国のJO HyunJoo選手。1本目ロンダート後ろとび1/2ひねり~前方伸身宙返り1/2ひねりでDスコア5.6、Eスコア8.75。2本目ロンダート後転とび後方伸身宙返り1回ひねりでDスコア5.0、Eスコア8.85。2本とも着地まで決め14.10でした。跳馬の世界チャンピオンCHUSOVITINA選手は2本ともDスコアの高い跳躍でしたが、着地が乱れてしまい3位でした。
【平均台】8名のエントリーでした。8名中4名に大過失がある中、寺本選手がDスコア5.7、Eスコア8.1で2位を獲得しました。優勝は中国のDENG Linlin選手がDスコア6.5、Eスコア8.275でした。3位は韓国のJO HyunJoo選手でDスコア6.1、Eスコア7.25でした。
サブ会場でアップし、競技前はアップをしないで演技をする形式は初めてでしたが2名とも頑張りました。特に寺本選手は出場した3種目で大きなミスもなく堂々と演技することができました。日本女子は出場した4種目でメダルを獲得することができました。この経験を活かし世界選手権に向けて頑張っていきます。ありがとうございました。
第1回目のKOREA CUPということで、大会を運営する韓国関係者の意気込みが感じられる大会でした。会場はまだこけら落としも終わっていない新しい体育館で、大会中も内装工事が進められていました。あたたかいおもてなしの雰囲気の中、大会運営が行われており、成功裏に終了したように思います。
参加した選手たちの競技レベルも高く、その中で健闘した日本選手は得るものが大きかったことと思います。この経験を更にレベルの高い競技会へ活かしてほしいと願います。日本からの応援、ありがとうございました。