第64回全日本体操競技選手権大会男子種目別決勝レポート
○ゆ か
瀬島龍三(日本体育大学) 14.900
前方宙返り2回半ひねり(少し動く)、後方宙返り1回半ひねり~前方宙返り2回ひねり、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返りひねり(両足で前に1歩)、後方宙返り3回ひねり(止める)
白井勝太郎(日本体育大学)14.725
後方宙返り3回半ひねり~前方宙返りひねり、後方宙返り1回半ひねり~前方宙返り2回ひねり(両足で大きく前に1歩)、トーマス転、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返り1回ひねり(少し動く)、後方宙返り3回ひねり(止める)
佐藤 巧(日本体育大学)14.800
後方宙返り1回半ひねり~前方宙返り2回ひねり、前方宙返り2回半ひねり、後ろとびひねり前方屈身2回宙返り、 後方宙返り3回ひねり(右足前に大きく1歩)
加藤凌平(埼玉栄高校) 15.300
後方宙返り3回半ひねり~前方宙返りひねり、前方宙返り2回ひねり~前方宙返り1回半ひねり、後ろとびひねり前方屈身2回宙返り、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返り1回ひねり、後方宙返り3回ひねり・・・ すべての着地を止める素晴らしい演技実施。
植松鉱治(KONAMI)
後ろとびひねり前方屈身2回宙返りひねり(止める)、伸身月面宙返り(前に大きく1歩)、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返り1回半ひねり(両足で後ろに1歩)、前方宙返り2回ひねり~前方宙返り1回ひねり(止める)、かかえこみ月面宙返り(両足で前に1歩)
沖口誠(KONAMI) 15.525
ロウウン1回ひねり(両足で前に1歩))、ロウウン~前方宙返り正面臥、後方宙返り1回半ひねり~前方宙返り2回ひねり(前に1歩)、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返り1回ひねり、かかえこみ月面宙返り(止める)
宗像 陸(仙台大学)
テンポ~後方宙返り3回ひねり(ひねり不足になり転倒)、後ろとびひねり前方屈身2回宙返りひねり(前に1歩、ラインオーバー)、後方宙返り1回半ひねり~前方宙返り2回ひねり、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返り1回ひねり~前方宙返り1回半ひねり(少し動く)、後ろとびひねり前方かかえこみ宙返りひねり(止める)
内村航平(日本体育大学) 16.200
後方宙返り2回半ひねり~前方宙返り2回ひねり、前方宙返り1回ひねり~前方宙返り2回半ひねり、後方宙返り1回半ひねり~バンローン、後方宙返り3回半ひねり、トーマス転、後方宙返り3回ひねり(わずかに動く)
大幅に演技構成を変えDスコアを高めてきた内村航平が実施もほぼ完璧にまとめ優勝、ロウウン1回ひねりの大技を成功させた沖口誠が2位、すべての着地を止めた高校生の加藤凌平が3位に入った。この種目での高校生のメダル獲得は昨年の菊池收祐(当時関西高校)以来。
○あん馬
垣谷拓斗(順天堂大学) 13.475
逆交差倒立(片手を馬橋におろす)、Eフロップ、ロス(落下)、シバド、マジャール、Dコンバイン、ウーグォニアン、シュテクリA倒立ひねり移動下り(D)
大友康平(早稲田大学) 14.100
片手支持上向き全転向(ショーン)、Eフロップ、Dコンバイン、ウーグォニアン、マジャール、シバド(少し詰まる)、逆リヤ倒立下り(C)
出口諒財(日本体育大学) 14.450
逆交差倒立、Fコンバイン、マジャール、ウーグォニアン(動きが詰まりあやうく落下しそうになるがこらえる)、フェドルチェンコ、シバド、Eフロップ(動きが詰まる)逆リヤ倒立ひねり移動下り(D、バランスを崩すが無事下りる)
坂本功貴(セントラルスポーツ) 15.000
Eフロップ、Dコンバイン、ウーグォニアン(わずかに脚割れ)、マジャール、シバド、フェドルチェンコ、逆リヤ倒立ひねり移動下り(E)・・・腰高で余裕のある実施
外村和才(相好体操クラブ) 14.750
フェドルチェンコ(わずかに脚割れ)、背面横移動シュピンデル、Eフロップ、前移動・とび前移動、シバド、開脚旋回倒立ひねり移動下り(D)
小林研也(KONAMI) 15.125
逆交差倒立、前移動・とび前移動、シバド、Eフロップ、Dコンバイン、フェドルチェンコ、シュテクリA倒立ひねり移動下り(D)・・・スピード感あふれる実施
田窪啓太(茗渓クラブ) 13.700
Dコンバイン、Eフロップ(大きく詰まり姿勢を崩す)、トンフェイ(落下)、ウーグォニアン、マジャール、シバド、逆リヤ倒立ひねり移動下り(D)
小林亮介(清風高校) 14.850
Eフロップ、Dコンバイン、ヤマワキ(馬端~馬端への背面とび横移動)、マジャール、シバド、シュテクリA倒立ひねり移動下り(D)・・・美しい体線を活かしたしっかりした旋回でスピード感あふれる演技をこなしきりEスコアでただ一人9点台を獲得。
世界選手権代表の小林研也が初優勝、2位には北京オリンピック代表の坂本功貴が、3位には高校生の小林亮介が食い込み、同じ清風高校の先輩、鹿島丈博以来の高校生でのメダル獲得となった。
○つり輪
田中佑典(順天堂大学) 13.925
伸身ヤマワキ、ホンマ十字懸垂、けあがり脚上挙、屈身ヤマワキ、新月面宙返り下り(前に大きく1歩、片手をつく)・・・後半の2回の振動倒立でバランスをくずし、着地ミス
中瀬卓也(徳洲会体操クラブ) 14.750
後ろ振り上がり中水平、後ろ振り上がり十字倒立、屈身ヤマワキ、ホンマ十字懸垂、屈身グチョギー、伸身月面宙返り下り(止める)・・・グチョギーの後の振動倒立で若干バランスを崩す
田中和仁(徳洲会体操クラブ) 14.350
後ろ振り上がり中水平、ナカヤマ、屈身グチョギー、屈身ヤマワキ、伸身月面宙返り下り(止める)・・・ヤマワキの後の振動倒立で反ってしまい倒れる
齋藤 俊(相好体操クラブ) 14.725
後転中水平、ナカヤマ~中水平、ほんてん十字倒立、屈身ヤマワキ、伸身新月面宙返り下り(後ろに大きく1歩)・・・F難度技を織り込んだ演技構成で着地はきまらなかったが力強い演技実施だった
山本雅賢(日本体育大学) 14.725
アザリアン、ほんてん十字倒立、後ろ振り上がり十字倒立、屈身ヤマワキ、ホンマ十字懸垂、新月面宙返り下り(後ろに1歩)
岡村康宏(朝日生命) 14.200
後ろ振り上がり上水平、アザリアン、後ろ振り上がり中水平~十字倒立(少し窮屈な姿勢)、屈身ヤマワキ、ホンマ十字懸垂~中水平、後ろ振り上がり十字倒立、伸身月面宙返り(前につぶれる)
小林研也(KONAMI) 15.050
後ろ振り上がり上水平、アザリアン~中水平、屈身ヤマワキ、後ろ振り上がり中水平、ナカヤマ、かかえこみ新月面宙返り下り(両足で後ろに1歩)
山室光史(日本体育大学) 15.575
後転中水平、ナカヤマ~十字倒立、後ろ振り上がり十字倒立、屈身ヤマワキ、後ろ振り上がり中水平、アザリアン、伸身月面宙返り下り(止める)
世界選手権ファイナリストの山室光史、小林研也が実力を発揮し1位、2位を占めた。3位には、アジア大会・北京オリンピック代表の中瀬卓也が入った。
○跳 馬
武田一志(埼玉栄高校) 15.262
① ローチェ(お手つきをしながら前に大きく1歩) 15.300
② アカピアン(余裕のある実施だったが、後ろに1歩) 15.225
菊池收祐(仙台大学) 16.125
① ロペス(非常に雄大な実施で着地もほぼ止める) 16.625
② ロウウン(これも雄大な実施、後ろに小さく1歩) 15.625
小倉佳祐(習志野高校) 15.850
① ロペス(良い実施だったが、右足を後ろに大きく1歩) 16.225
② ロウウン(着地前に余裕を感じさせる実施、わずかに動く) 15.475
佐藤 巧(日本体育大学) 6.937
① かかえこみカサマツひねり(足が合わなかったもよう) 13.875
② ローチェ(早く開いてしまい、背中からの着地) 0.000
宗像 陸(仙台大学) 15.162
① ローチェ(しりもち、足が合わなかったもよう) 14.950
② ドリッグス(大きく前に1歩) 15.375
齋藤優佑(日本体育大学) 15.800
① ヨーⅡ(雄大な実施、右足を後ろに大きく1歩) 16.675
② ドリッグス(左に大きくくずれ手をつく、ラインオーバー) 14.925
内村航平(日本体育大学) 16.787
① 伸身ユルチェンコ3回ひねり(余裕のある着地とはいかなかったが成功) 16.600
② ドラギュレスク(雄大な実施ではなかったが、前に1歩でまとめる) 16.975
山室光史(日本体育大学) 16.400
① ロペス(余裕のある実施、左足後ろに小さく1歩) 16.650
② 前転とび前方伸身宙返り2回ひねり(非常に良い実施、両足で前に小さく1歩) 16.150
自身初披露の大技を2本とも成功させた内村航平がこの種目初優勝、2位に山室光史、3位に菊池が入った。
○平行棒
上田和也(KONAMI) 14.475
ホンマ(スウィングが合わず次の倒立を屈身姿勢で上げる)、棒下宙返りひねり倒立(少し動きが詰まる)、棒下宙返り1回ひねり倒立、棒下宙返り倒立、ベーレ、車輪、車輪ライヘルト、Dツイスト、後方屈身2回宙返り下り(低い着地となり前に大きく1歩)
内村航平(日本体育大学) 14.600
棒下宙返りひねり倒立(少し流れる)、棒下宙返り1回ひねり倒立(体重が前にかかり歩く)、棒下宙返り倒立、ドミトリエンコ、屈身モリスエ、(屈身ベーレに行こうとして手が滑ったか下りてしまう)、屈身ベーレ、車輪ライヘルト、前方宙返り開脚抜き腕支持、
後方屈身2回宙返り下り(わずかに動く)・・・棒下宙返り1回ひねりを取り入れた演技構成で臨んだが、落下があり3個目の金メダル獲得は難しくなった。
田中和仁(徳洲会体操クラブ) 14.875
棒下宙返りひねり倒立、棒下宙返り1回ひねり倒立、棒下宙返り倒立、屈身ベーレ、モリスエ、Dツイスト(倒立にうまくはまらずバランスを崩し、中に戻る)、後方屈身2回宙返り下り(後ろに1歩)・・・前半うまく捌いていただけに後半のミスが惜しまれる。
小林研也(KONAMI) 15.575
棒下宙返りひねり倒立、棒下宙返り倒立、ドミトリエンコ、屈身モリスエ、屈身ベーレ、チッペルト、後方屈身2回宙返り下り(わずかに動く)
中瀬卓也(徳洲体操クラブ) 15.450
逆上がりひねり倒立、棒下宙返り倒立(少し流れる)、ドミトリエンコ、屈身モリスエ、前方宙返り開脚抜き腕支持、チッペルト、Dツイスト、後方屈身2回宙返り下り(両足で後ろに1歩)
植松鉱治(KONAMI) 15.675
ホンマ(後ろ振り上がり前方宙返り支持)、棒下宙返りひねり倒立、棒下宙返り倒立、屈身ベーレ、チッペルト、ヒーリー支持、Dツイスト、閉脚浮き腰上がり倒立、後方屈身2回宙返り下り(止める)・・・ほとんどミスの無い演技だった。
中野大輔(朝日生命) 15.500
逆上がり倒立、前方宙返り開脚抜き腕支持、バブサー(チッペルト懸垂前振り)、屈身ベーレ、チッペルト、モリスエ(少し詰まる)、後方屈身2回宙返り下り(止める)・・・演技実施は素晴らしかったが、Dスコアが低く植松、小林に及ばず。
瀬島龍三(日本体育大学) 15.400
逆上がりひねり倒立、棒下宙返り倒立、屈身ベーレ、チッペルト、Dツイスト、後方屈身2回宙返り下り(なんとか止める)
世界選手権代表の植松鉱治、小林研也が1位、2位を占め、3位にはアテネオリンピック団体金メダルの中野大輔が入った。植松はこの種目初優勝。予選トップ通過の瀬島龍三は大きなミス無く演技をまとめたが、メダル獲得はならなかった。
○鉄 棒
武田一志(埼玉栄高校) 14.950
アドラー1回ひねり倒立~伸身コスミック、アドラーひねり倒立、コバチ、コールマン、伸身月面宙返り下り(両足で後ろに大きく1歩)・・・リザーブからの繰り上がりで最初の演技者となったが、しっかりした演技を披露した
(田中和仁棄権による繰り上げ出場)
池田大志郎(日本体育大学) 14.300
アドラーひねり倒立(脚割れ)、アドラー1回ひねり倒立(少し停滞し腕を屈げてこらえる)~伸身コスミック、コールマン、コバチ、伸身月面宙返り下り(両足でわずかに前に1歩)
太田晃輔(KONAMI) 14.250
アドラーひねり倒立~デフ(ギンガー1回ひねり)、コバチ(落下)、アドラー1回ひねり倒立~伸身コスミック、伸身新月面宙返り下り(止める)
古賀裕将(相好体操クラブ) 15.050
ロシアンキッペ1回ひねり大逆手、アドラーひねり倒立、コバチ、コールマン、リバルコ、アドラー1回ひねり倒立~伸身コスミック、伸身新月面宙返り下り(ほぼ止める)・・・若干あわただしい演技実施だったが、ミス無く演じきり15点台を獲得
水鳥寿思(徳洲会体操クラブ) 15.925
アドラー1回ひねり倒立~伸身コスミック、伸身コバチ、コールマン、コバチ、リバルコ、エンドー1回ひねり大逆手、伸身新月面宙返り下り(止める)
小林研也(KONAMI) 15.100
アドラー1回ひねり倒立~伸身コスミック、アドラーひねり、コールマン(少し近く続く車輪で肘がゆるむ)、エンドー1回ひねり大逆手、伸身新月面宙返り下り(両足で前に1歩)
星 陽輔(セントラルスポーツ) 15.675
シュタルダー1回半ひねり大逆手、アドラーひねり倒立~閉脚シュタルダー伸身トカチェフ(伸身ピアッティ)、コールマン、リバルコ、エンドー1回ひねり大逆手、伸身月面宙返り下り(止める)・・・非常に美しく流れるような演技実施
内村航平(日本体育大学) 16.150
伸身コールマン(ほぼ完璧な実施)、シュタルダー1回半ひねり片大逆手、アドラー1回ひねり倒立~伸身コスミック(ヤマワキ)、コバチ、コールマン(少し近く、次の車輪で肘がゆるむ)、伸身新月面宙返り下り(止める)・・・着地は惜しくもわずかに動いたものの、ほぼ完璧にG難度の伸身コールマンを成功し素晴らしい演技を披露
内村航平が金メダルを獲得。2位にはアジア大会個人総合銅メダルの水鳥寿思が、3位にはシュツットガルト世界選手権代表の星陽輔が入った。
内村航平が、団体総合、ゆか、跳馬、に続き鉄棒でも金メダルを獲得し本競技を締めくくった。また、ゆかで加藤凌平、あん馬で小林亮介が銅メダルを獲得するなど高校生の活躍が目立った大会となった。