第64回全日本体操競技選手権大会男子種目別予選レポート

報告者:

○ ゆ か
1位:内村航平(日本体育大学) D:6.600 E:9.200
 後方宙返り1回半ひねり~バンローン(前方かかえこみ宙返り1回ひねり転)、前方宙返り1回ひねり~前方宙返り2回ひね(少し動く)、後ろとびひねり前方屈身2回宙返りひねり(止める)、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返り1回半ひねり(少し動く)、フェドルチェンコ、トーマス転、後方宙返り3回ひねり(わずかに動く)
2位:宗像 陸(仙台大学) D:6.600 E:8.850
 テンポ~後方宙返り3回ひねり(両足で前に1歩)、後ろとびひねり前方屈身2回宙返りひねり、後方宙返り1回半ひねり~前方宙返り2回ひねり(少し動く)、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返り1回ひねり~前方宙返り1回半ひねり(少し動く)、フェドルチェンコ、後ろとびひねり前方かかえこみ宙返りひねり(後ろに1歩)
3位:沖口誠(KONAMI) D:6.600 E:8.750
側方開脚2回宙返り7/4ひねり(ロウウン1回ひねり=新技)、ロウウン~前方宙返り転、後方宙返り1回半ひねr~前方宙返り2回ひねり、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返り1回ひねり~前方宙返り1回半ひねり、フェドルチェンコ、かかえこみ月面宙返り(右足後ろに1歩)
世界選手権代表では、植松鉱治(KONAMI)が、後ろとびひねり前方屈身2回宙返りひねり、伸身月面宙返りなどの大技の着地を止めて4位で予選通過。
中島立貴(KONAMI)は9位でリザーブ1となった。
他に、菊池收祐(仙台大学)による後ろとびひねり前方伸身2回宙返り(タマヨ)、伸身月面宙返り~前方かかえこみ宙返り正面臥、加藤凌平(埼玉栄高校)と白井勝太郎(日本体育大学)による後方宙返り3回半ひねり~前方宙返りひねりなど大技が実施された。
○ あん馬
 高校生の小林亮介(清風高校)と田窪啓太(茗渓クラブ)、世界選手権代表の小林研也(KONAMI)が同点1位(14.900)での予選通過となった。
1位:田窪啓太 D:6.200 E:8.700
  Dコンバイン、Eフロップ、トンフェイ、ウーグォニアン、マジャール、シバド、逆リヤ倒立ひねり移動下り(D)
1位:小林研也 D:6.400 E:8.500
  逆交差倒立、前移動・とび前移動、シバド、Eフロップ、Dコンバイン、フェドルチェンコ、シュテクリA倒立ひねり移動下り(D)
1位:小林亮介 D:5.800 E:9.100
 美しい体線を活かしたしっかりした旋回でスピード感あふれる演技をこなしきりEスコアでただ一人9点台を獲得。
 以下今年の社会人大会この種目チャンピオンの外村和才(相好体操クラブ)、北京オリンピック代表の坂本功貴(セントラルスポーツ)、世界選手権代表の出口諒財(日本体育大学)が同点4位(14.850)、さらに大友康平(早稲田大学)と垣谷拓斗(順天堂大学)が同点7位(14.800)で続き、0.100の僅差の中で8選手が決勝に進んだ。 
 世界選手権組では、内村航平が逆交差倒立で片手を動かしてしまうミスが響き10位でリザーブ2、山室光史(日本体育大学)は大きなミスはなかったが12位、中島立貴は終末技で大過失を犯し22位で残念ながら予選通過できなかった。
 また、昨年のこの種目のチャンピオン亀山耕平(仙台大学)は後半のシバドの後に少し動きが詰まり、終末技がC難度になってしまい9位、リザーブ1に甘んじた。
○ つり輪
1位:山室光史(日本体育大学) D:6.900 E:8.450
 後転中水平、ナカヤマ~十字倒立、後ろ振り上がり十字倒立、後ろ振り上がり倒立、屈身ヤマワキ、後ろ振り上がり中水平、アザリアン、ほんてん倒立、伸身月面宙返り下り(両足で前に1歩)
2位:小林研也(KONAMI) D:6.400 E:8.700
 後ろ振り上がり上水平、アザリアン~中水平、屈身ヤマワキ、後ろ振り上がり中水平、ナカヤマ、ほんてん倒立、後ろ振り上がり倒立、かかえこみ新月面宙返り下り(止める)
3位:岡村康宏(朝日生命) D:6.100 E:8.800
 後ろ振り上がり中水平、ホンマ中水平、後ろ振り上がり十字倒立、ほんてん倒立、屈身ヤマワキ、後ろ振り上がり倒立、伸身月面宙返り(少し動く)
世界選手権代表の田中和仁(徳洲会体操クラブ)はまずまずの演技で6位に入り、弟の田中佑典(8位、順天堂大学)とともに予選を通過した。
○ 跳 馬
1位:山室光史(日本体育大学) ①16.400 ②16.000
 ① ロペス(後ろに大きく動く) D:7.200 E:9.200
 ② 前転とび前方伸身宙返り2回ひねり(両足で前に1歩) D:6.600 E:9.400
2位:内村航平(日本体育大学) ①16.050 ②16.250
 ① 伸身ユルチェンコ2回半ひねり(両足で前に1歩) D:6.600 E:9.450
 ② ローチェ(脚割れはあったが高い実施、両足で前に1歩)D:6.800 E:9.450
3位:齋藤優佑(日本体育大学) ①16.600 ②15.550
 ① ヨーⅡ(雄大な実施、両足で前に1歩) D:7.200 E:9.400
 ② ドリッグス(前に大きく1歩) D:6.600 E:9.050 L:-0.100
他に注目された技:ドラギュレスク=佐藤巧(5位、日本体育大学)、ロペス=小倉佳祐(6位、習志野高校)・菊池收祐(7位、仙台大学)
菊池收祐のロペスはほぼ着地を止める素晴らしい出来で16.900(Eスコア9.700)を記録。
○ 平行棒
1位:瀬島龍三(日本体育大学) D:6.100 E:9.300
 逆上がりひねり倒立、棒下宙返り倒立、屈身ベーレ、チッペルト、Dツイスト、ツイスト、車輪、後方屈身2回宙返り下り(止める)
 
2位:中野大輔(朝日生命) D:6.100 E:9.250
 棒下宙返り倒立、ベーレ、バブサー(チッペルト懸垂前振り)、チッペルト倒立(棒つかんだ時にはすでに開脚倒立になる素晴らしい捌き)、モリスエ、後方屈身2回宙返り下り(止める)
3位:植松鉱治(KONAMI) D:6.500 E:8.850
 ホンマ(後ろ振り上がり前方宙返り支持)、棒下宙返りひねり倒立、棒下宙返り倒立、屈身ベーレ、チッペルト、ヒーリー支持、ツイスト、Dツイスト、閉脚浮き腰上がり倒立、後方屈身2回宙返り下り(両足で後ろに1歩)
その他世界選手権組は、小林研也と田中和仁が5位タイ、内村航平が7位で予選を通過したが、中島立貴は残念ながら予選落ちとなった。
内村航平は演技序盤の棒下宙返りひねり倒立が大きく倒立からはずれてしまい、また田中和仁は演技後半のDツイストが詰まった実施となってしまったのが響き得点を伸ばせなかった。
○ 鉄 棒
1位:内村航平(日本体育大学) D:6.700 E:8.900
 屈身コバチ、シュタルダー1回半ひねり片大逆手、アドラー1回ひねり倒立~伸身コスミック(ヤマワキ)、コバチ、コールマン(少し近く、次の車輪で肘がゆるむ)、ホップターン、ホップターンひねり片大逆手、伸身新月面宙返り下り(止める)
2位:星 陽輔(セントラルスポーツ) D:6.800 E:8.600
 シュタルダー1回半ひねり大逆手、アドラーひねり倒立~閉脚シュタルダー伸身トカチェフ(伸身ピアッティ)、コールマン、リバルコ、逆手車輪1回ひねり大逆手、エンドー1回ひねり大逆手、大逆手エンドー、ホップターン、伸身新月面宙返り下り(右足前に大きく1歩)
3位:田中和仁(徳洲会体操クラブ) D:6.400 E:8.550
 アドラーひねり倒立~伸身トカチェフ、アドラー1回ひねり~伸身コスミック、逆手車輪1回ひねり大逆手、エンドー1回ひねり大逆手、伸身新月面宙返り下り
世界選手権組では小林研也が4位で予選通過したが、植松鉱治は伸身コールマンで2回落下、さらに後半のツイストで失速してしまい停止、これら3つの大過失が響き予選通過ならず。またアジア大会この種目銀メダルの桑原俊(徳洲会体操クラブ)もアドラーひねりからのコバチで落下、さらにシュタルダー1回半ひねり片大逆手で大きくぶれてしまいバーぶつかりながら落下という大過失を犯してしまい、やはり予選通過できなかった。
その他、7位で予選通過した太田晃輔(KONAMI)のアドラーひねりからのデフ、他の箇所で落下があり予選通過はならなかったが渡邊恭一(徳洲会体操クラブ)のコバチ~コールマンの成功が注目された。