ロッテルダム世界選手権現地レポート（男女個人総合インタビュー)

内村航平
　すごく嬉しい。二連覇しようとはあまり考えてなかった。6種目通し切ることを目標にして、それが結果に繋がったと思う。ゆかから平行棒まで我慢している演技だったので、最後の鉄棒でアドラーをしっかりとやり切って着地を止めて終わりたかった。アドラーの部分は練習では出来ているが、試合でいいのを出そうと思い過ぎて、早く足が出てしまったと思う。まだまだ練習不足。下りる前の車輪で、みんなが着地を止めてくれと思っているのを感じたので、それに応えられてよかった。ゆかは蹴り負けているが、着地を止められてよかった。肩は少し痛みがあった。つり輪が一番痛かった。結構疲れが残っていて、今日、5種目を終わって、ゆかに手を着いたらカクッとなってしまうくらの腕の張りだったので、少しやばいかなと思った。しかし、応援してくれているみんなの期待を裏切れないという思いもあって踏ん張れた。今年は厳しいコンディションの中での金メダルなので、また新しい経験になったと思う。
植松鉱治
　今日は疲れている部分も確かにあった。つり輪からスタートであったが、最初の種目がどれであってもその点はあまり変わりはない。体の反応が悪く、その面に対して対応しきれなかったかな思う。跳馬は今大会２回連続で修正し切れてないので、着地を狙いにいこうとして１歩後ろに下がってしまった。平行棒は意外や意外で結構乗っている感じでうまくいった。鉄棒は、アドラーひねりで不安を持っていたので、意識してしまった。試合で同じようにミスをしてしまい、自分でわかっていて修正できなかったので二倍悔しい。種目別では１００パーセント修正したい。ゆかはこちらに来てなかなかうまく出来ておらず、予選でもミスを出したので、思い切って行こうとした。あん馬は何故か自信が着いて、自分でも落ち着いて演技が出来ている。この調子で練習していきたい。
鶴見虹子
　自分としては練習不足で仕方ない。去年の方が練習できていた（状態で試合に臨めた）。一からやり直しかなと思う。アップがあまりよくなくて、練習がきちんと出来ていないからしょうがないかなと思う。全部あまりよくなかったので、全部やり直しだなという感じ。基本、体力が去年より落ちて、そこをもう一回やり直さないとだめかなと思う。団体予選、決勝、そして今日と４種目演技をしなくてはいけないという体力がなかった。基本の練習が少なくて、通しの練習を多くしたので、基本が大事だと痛感した。今回が悪かったことにより、直さないといけないところがわかったので、来年に向けてそこをしっかりとやりたい。来年は個人も大事だけど団体の方が大事なので、チームに貢献できるように、今回みたいな失敗が出ないように練習をしていきたい。
田中理恵
　（エレガント賞について）最初、試合が終わって呼ばれて、ドーピングがあると思ったが、エレガント賞をもらえると聞いて、まさかという感じだった。選んでもらえたというのを自信に頑張りたい。大学生らしいダイナミックな演技であったり表現力であったり、そこを中心に練習してきたというのが賞に繋がったと思う。（演技について）全体的には疲れがあったが、三日間絶対ノーミスでいくと自分で決めていたので、それがしっかり出来たのがよかった。練習は裏切らないとずっと先生にいわれていて、そこはいつも頭に入れていた。後悔する練習をすると次の日に絶対響くから、妥協しないで練習してきたのがよかった。（初の世界選手権について）思っていたより緊張しなかったということと、自分だけで体操しているのではないので、いろんな人に感謝して、一本一本に思いを込めて演技をしたのがよかったと思う。順位は気にしなかった。自分が入ったことで北京の5位から下がるのではないかという不安があったが、今回も5位だったのでよかった。試合が終わったからいえるが、実はそれが一番不安だった。5位より下は行きたくなかった。団体予選はみんなの調子がよくなかったが、絶対8位に残ると願っていた。決勝ではまたみんなで力を合わせて頑張ろうと団結した。（予選、決勝と鶴見選手を上回ったことについて）自分はノーミスだったが、虹子はミスが出ての順位でミスをしなかったら負けていると思うので、まだまだ頑張らないといけないと思う。（兄の田中和仁選手の団体決勝の演技について）ホテルに着いて、テレビを見て失敗するところを見てしまった。周りからは（和仁選手が）試合後泣いていたとういのを聞いていたので、それを聞いたときに「挽回する演技をしよう」と思った。しかし、プラス思考に捉えて「私の分まで落ちてくれたのかな」と思うようにして、次の日は頑張ろうと思った。兄は失敗したが、兄が頑張っているのを見て私も頑張らないといけないと思った。兄がいてるいてないでまた状況が違っていたのかなと思う。また来年、弟（佑典・順天堂大所属）も含めて一緒に出れたらいいなと思う。