体操JAPAN CUP 2010 女子個人総合レポート
日本からは鶴見虹子選手(朝日生命体操クラブ)と新竹優子選手(羽衣国際大学)が出場。
鶴見選手は1種目目跳馬、伸身ユルチェンコ1回ひねりで後ろに大きく1歩。きれいな姿勢で余裕のある実施だったが、演技価値点が低く13点台。
同じく跳馬スタートのAFANASYEVA選手(ロシア)、MUSTAFINA選手(ロシア)が伸身ユルチェンコ2回ひねりを成功。
新竹選手は、段違い平行棒でシュタルダー1回ひねり~ギンガー、エンドー1回ひねり片大逆手~イエガーをきれいに成功。シュタルダーひねり~前方かかえこみ2回宙返り下りもまとめた。
1種目を終えて1位:AFANASYEVA14.850、2位:新竹14.600、3位:MUSTAFINA14.500、4位:鶴見13.600という滑り出しとなった。
2種目目、新竹選手は平均台も好調で、オノディ、前方開脚伸身宙返り~後転とび~後方開脚伸身宙返りなど完璧にきめ、後方屈身2回宙返り下りの着地もまとめた。
鶴見選手は段違い平行棒、大逆手からの片手軸1回半ひねりが少し流れ、昨日実施したトカチェフを行うことができなかった。しかし、その後の演技をしっかりまとめ、後方伸身2回宙返り下りの着地も前に1歩でおさえ、この種目唯一の15点台を獲得。
AFANASYEVA選手は、低棒での閉脚足裏支持回転背面とびこしひねり高棒懸垂、閉脚足裏支持回転ひねり倒立~イエガー、トカチェフ~パクを成功、後方かかえこみ2回宙返り1回ひねり下りの着地は両脚で後ろに1歩。
MUSTAFINA選手は、低棒でのシュタルダー1回ひねり~閉脚足裏支持回転背面とびこしひねり高棒懸垂、閉脚シュタルダーひねり~屈身イエガー、トカチェフを成功、閉脚足裏支持回転1回ひねり倒立~後方かかえこみ2回宙返り1回ひねり下りの着地を止めた。
2種目を終えて1位:新竹29.300、2位:MUSTAFINA29.250、3位:AFANASYEVA29.150、4位:鶴見28.700
3種目目、鶴見選手、後ろとびひねり前方倒立回転(オノディ)でひねって倒立になったところで戻りそうになりこらえる場面があった。その後は側方宙返りなどうまくまとめ、後方伸身宙返り2回半ひねり下りの着地も止めた。
MUSTAFINA選手は720度ターンを成功させたが、後ろとびひねり前方かかえこみ宙返り(F難度)で落下、その後は前方開脚伸身宙返り~後転とび~後方開脚伸身宙返り、オノディ、側方宙返りなどはうまく捌き、後方伸身宙返り3回ひねり下りの着地を1歩におさえた。
AFANASYEVA選手は、後ろとびひねり前方かかえこみ宙返りと前方開脚伸身宙返り~後転とび~後方開脚伸身宙返りで少しぐらついたものの、オノディ、前方開脚伸身宙返りひねり(手をつかないロンダート)をうまくまとめ、後方かかえこみ2回宙返り下りの着地も1歩にまとめた。
新竹選手はゆか、入りの後方伸身宙返り2回半ひねりで大きく前に1歩、ラインオーバー。その後は大きなミスなくこなし、最後の後方屈身2回宙返りの着地を止める。
3種目を終えて1位:AFANASYEVA43.700、2位:鶴見43.400、3位:新竹43.100、4位:MUSTAFINA43.050
4種目目、MUSTAFINA選手はゆかで、後ろとびひねり前方かかえこみ2回宙返りをまとめたが、後方伸身宙返り2回半ひねり~前方かかえこみ宙返り1回ひねりでラインオーバー、最後の後方伸身宙返り3回ひねりの着地は止め、得点は14.050。57.100で競技を終了。
新竹選手は跳馬で、伸身ユルチェンコ1回半ひねりの着地を止め、高得点が期待されたが、13.750にとどまり、合計56.850。
AFANASYEVA選手はゆかで、後方伸身2回宙返り、テンポ宙返り連続~後転とび~後方伸身宙返り3回ひねりの高度な宙返りを次々ときめ、最後の後方屈身2回宙返りの着地も1歩にまとめ、14.650で合計58.350。
鶴見選手は、入りの後方かかえこみ2回宙返り1回ひねりの着地を止めると、その後も順調にこなし、最後の後方屈身2回宙返りもほぼ止める素晴らしい出来だった。
鶴見選手がAFANASYEVA選手を上回るには14.950以上が必要だが、表示された得点は14.350。惜しくもAFANASYEVA選手に届かず。
新竹選手もわずか0.250差で3位MUSTAFINA選手に及ばず惜しくも4位という結果となった。
鶴見選手が今後世界の強豪と戦い上位を目指すには、跳馬で伸身ユルチェンコ2回ひねり、あるいはそれに匹敵する技の修得が必須条件となろう。