世界体操女子個人総合レポート

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 女子個人総合決勝は、予選のときと比較して非常に多くの観客の入場があり、4階席まで多くのファンが見守る中競技が始まった。特に地元の2名の選手が参加しているために会場は十分に盛り上がっていた。
 上村選手は第1種目をゆかから入り、試技順1番での演技となった。第2のアクロバットの着地でやや乱れが見られたが、無難にこなした。
 鶴見選手は1種目目段違い平行棒から入り、試技順3番であった。
中国のYANG選手〈中国〉の後をおいかける試技順であるが、YANG選手が終末技の後方かかえ込み2回宙返り1回ひねり下りで棒に近づき過ぎ回転が不足したために足から着地が手できず大過失となった。その後、鶴見選手の演技となり、予選以上の演技でトップに躍り出た!鶴見選手は演技を終了するとバツラーコーチとハグ。
 1種目め終了時点で鶴見選手が15.050で1位、SLOAN選手(USA)14.825で2位、KURBATOVA選手(RUS)14.625で3位となった(私は日本の選手が個人総合1位にランキングされたのをはじめてみました!)。
 上村選手は2種目め跳馬となり試技順は6番目であった。ロンダート後転とび後方伸身宙返り1回ひねりを行い、着地がやや乱れたが前半2種目を上手に乗り切った。
 鶴見選手は2種目め平均台となり、試技順1番のYANG〈中国〉は1種目めで失敗したものの平均台はかなり良い内容にまとめていた。鶴見選手は、演技を始める前になかなかランプが緑にならず、少し待たされた状態で演技に入ったが、待たされたことなど感じさせない安定感と正確さで大変素晴らしい演技、この種目も予選以上の出来でパーフェクトな内容であった。
 2種目目を終了して、鶴見選手29.850、SLOAN(USA)29.625、BROSS(USA)29.60となり、依然として鶴見選手が1位にランキングされた!
 3種目め上村選手は段違い平行棒で前半のイエーガー宙返りで残念ながら落下があったが、後半は立て直した。
 鶴見選手はゆかになり、予選時に最後のポーズの前に音楽が余ってしまいなんだかおかしな印象があったが、今日は少し自分で修正をしていた。アクロバットの着地も予選のときより良く動きも少し伸びやかになり、予選の13.225から13.725へと得点を0.5もアップさせてゆかを乗り切った。
 3種目目を終了してBROSS(USA)44.900、SLOAN(USA)43.625、鶴見選手43.575となり、鶴見選手は何とかゆかが終了した時点で3位に踏みとどまった!
 最終種目では、上村選手が平均台、鶴見選手が跳馬になり、なんと2人の演技が同時に行われたためにどちらを見てよいのか・・・。
 鶴見選手は着地でやや乱れたものの跳馬も予選より良い跳躍を実施した。この時点で鶴見選手は2位にランキングされており、MITCHELL(AUS)のゆかの演技の評価が鶴見選手の順位に影響するため、日本選手団の注目はMITCHELL選手の演技に集まった。そして、その得点が表示された時点で鶴見選手が2位にランキングされているのを確認した。
 最終演技者はBROSS(USA)で、会場中の注目を集めての演技となったが、最終アクロバットで大過失があり、1点減点! この時点でひょっとしたら鶴見選手の銀メダル獲得もあるのではと頭の片隅に置いて見守りましたが、SLOAN(USA)57.825、BROSS(USA)57.775、鶴見選手57.175が表示され鶴見選手の銅メダルが確定した!日本女子にとって価値あるメダル獲得となった。