北京オリンピック女子団体予選レポ

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 まずはこの団体予選制度になってから初めての決勝進出を達成した選手、そしてそれを支えてきた方々を労いたい。
 最初の種目、段違い平行棒。もっとも緊張する最初の演技を任されたのは主将の上村だが、出だしのシュタルダー1回ひねりの部分で回転が不足し1/2ひねりになってしまう。その後もバランスを崩す場面がみられたが持ちこたえ、大過失を出さずに演技をまとめた。演技構成が変わってしまい、余分な技を実施すれば心身ともに消耗する。その中にあって、ミスを最小限にとどめた演技から、彼女のこの大会にかける前向きな思いが伝わってきた。その後、黒田、鶴見、大島、美濃部も大きなミスなくチームとしていいスタートを切った。
 平均台では黒田をトップに起用し、いい流れを作る。その後、上村、鶴見、新竹、大島と落下せずに乗り切る。チーム得点59.900は5番目の成績。実施点であるB得点だけをみるとアメリカ、中国、ロシアに次いで4番目の成績だった。
 ゆかは、新竹が平均台同様、落ち着いた演技で演技をまとめた。次の上村が最初の月面宙返りで前に転倒してひやりとさせたが、鶴見、大島、美濃部の3選手が大きなミスなく演技し、3種目を終えた。
 跳馬は、新竹がユルチェンコ1回半ひねりの着地を止めて流れを作り、上村、大島とユルチェンコ1回半ひねりの着地をまとめた。鶴見はユルチェンコ1回ひねりで演技をまとめ、最終演技者の美濃部はユルチェンコ1回ひねりの着地を止めてしめくくった。
 日本女子が初めて経験する団体決勝は13日。国内では6-3-3制の大会がないため、今回の経験は、成功も失敗もすべてが選手自身、そして日本女子体操界にとって非常に貴重な財産となる。その財産を3年後の地元東京世界選手権、ロンドンオリンピックへ向けて生かしていけるか。皆さんには団体決勝にとどまらず、その後も一層の応援をお願いしたい。
演技を終えた女子チーム
(撮影 竹内里摩子)