男子ジュニアナショナル合宿・コーチ講習会報告
■期間 平成25年2月23日(土)~27日(水)
■会場 味の素ナショナルトレーニングセンター
■参加者
ジュニア合宿: 指導者30名(強化、委託、所属、U-12含む)
選手24名(小5~高2、U-12育成含む)
講習合宿: 指導者21名(公認コーチ更新含む)
選手55名(高校生21、中学生20、小学生14)
■日程
2/23(土) 開講式、種目講習(ゆか・あん馬・つり輪)、フリー練習
2/24(日) 種目講習(跳馬・平行棒・鉄棒)、2部練習
2/25(月) W-up・トレーニング講習、2部練習、閉講式(研修)
2/26(火) 2部練習
2/27(水) 1部練習、体格測定(JISS)、閉講式(ナショナル)
■講習内容 「全体講習」2講座(各40分)
1 W-UP、柔軟の意義と実践
2 体幹・脚力トレーニングの意義と実践 「種目講習」6講座(各60分)
3 ゆか:タンブリング(ホップ・前方転回、ロンダート)の基本技術/トランポリンでの前方・後方ひねりの感覚づくり
4 あん馬:旋回系・転向系・セアの基本技術
5 つり輪:前方・後方のスイングづくり、輪の操作
6 跳馬:助走から踏切の重要性と入りの技術
7 平行棒:支持振動系(デイアミドフ・ツイスト)の段階練習および補助法
8 鉄棒:スイングの考え方と身体づくりの必要性
■報告
昨年のアンケート結果を参考に本年度の講習合宿を実施した。「1技講習」を「種目講習」として改め、各種目1時間(計6時間)の講習をメインとした。また、ジュニアナショナル選手との合同練習の時間も多く取り入れ、強化スタッフ、所属コーチ、研修に参加された指導者との情報交換やコミュニケーションの時間を大切にした。技術的な疑問点等を積極的に質問していたほか、ビデオ撮影やメモをとる場面も多く見られ、全体を通して良い雰囲気であり、本合宿の目的は達成できたのではないかと考えている。昨年同様、講習会・合宿の内容をDVDにまとめて、参加された指導者に配付予定であるが、選手・指導者の皆様には、本講習内容等を所属チームや都道府県等で伝達していただき、各所属の練習スタイルに合わせて導入して頂けたら幸いである。
ジュニアナショナルに関しては、1月末のリオ合宿をはじめ、今年度派遣させて頂いた各国際大会の結果や海外ジュニア選手の状況、今後の強化の方向性を強化スタッフ全員で話し合いながら練習を進めた。各遠征の報告書で述べてきたように、海外選手と比較すると全体的なスピートとパワー、各種目の基本技術が不足している事はあきらかである。特に、ゆかのタンブリングのレベルアップや跳馬の強化が必須であり、本合宿でも重点的に練習に取り組んだ。また、基本練習を取り組むなかで、特に肩や胸の柔軟性・各関節の可動域をさらに向上させることがジュニア期には必要であると改めて感じた。倒立姿勢の修正、スゥイングや回転運動における身体の正しいローテーション方法等、様々な課題をさらに追求して指導現場に取り入れていきたいと考えている。
日本体操協会では、4月より、リオデジャネイロ・オリンピックに向けた新しい強化体制がスタートする。ジュニア強化サイドとしては、中長期的な強化プランのなかで、“美しい体操”“正確な体操”を柱とし、前述したジュニア期に必要であるスキルを向上させていく事が求められる。また、種目別のスペシャリストの育成も課題である。これらの目標を達成していくためには、全国のジュニア指導者とのコミュニケーションや共通理解が必要な事は言うまでもない。また、情報化社会である現在、本講習を含め、選手強化に関する情報を発信していくことも重要な役割である。新しい指導法や映像情報等を、いち早く全国のジュニア強化の現場に伝達できるシステムづくりなども今後検討していきたい。日本体操協会の各セクションの皆様方の協力のもと、リオ五輪・東京五輪に向けてさらに精進していきたい。