男子体操競技ジュニア合宿・コーチ研修会報告
■日時 平成24年2月25~29日(研修は27日まで)
■会場 味の素ナショナルトレーニングセンター
■参加者 ジュニア合宿:指導者19名(帯同含)、選手21名
研修合宿:指導者28名、
選手68名(高校生22、中学生26、小学生20)
■日程
2/25(土)開講式(研修・ナショナル)、全体講習、ビデオ研修、フリー練習
2/26(日)ザリ、全体講習、一技講習、ビデオ研修、続行練習、フリー練習
2/27(月)ザリ、フリー練習、閉講式(研修)
2/28(火)ザリ、試技会(環太平洋、アジアジュニア)、フリー練習
2/29(水)フリー練習、閉講式(ナショナル)
■研修内容
「全体講習」5講座(計5時間程度)
1,柔軟 2,姿勢づくり・マットでの基本 3,体幹トレーニング 4,W-UP 5,ひねりの技術
「一技講習」30分×10講座
(ゆか)両足転回・後転とびの技術、ビックタンブリングのためのロンダート~後転とび
(あん馬)転向系の技術、前移動・後ろ移動
(跳馬)入りの技術
(平行棒)支持振動系・後方宙返りの技術、棒下倒立・車輪の技術
(鉄棒)後方伸身宙返りの技術、手放し技(トカチェフ)の技術、アドラー~背面車輪
「ビデオ講習」60分×4講座
1,ひねりの技術 2, W-UP・トレーニング 3,ジュニア期の障害予防 4,海外選手の映像等
■研修会報告
2回目となる研修合宿であり、昨年以上の選手・指導者に参加して頂いた。人数が多かったため運営面が繁雑であったが、NTCの豊富な器具、参加して頂いた指導者の協力のもと、無事にけがなく終了することができた。今回は、講習会を豊富に盛り込み、強化スタッフによる技術伝達や情報提供をできるだけ伝えられるよう務めた。一技講習(技術指導)、ジュニア期の障害予防など新たな講習も盛り込んだ。準備不足、説明不足等まだまだ不手際が多く改善すべき所が多いかと思われるが、日本の男子ジュニア強化としての新たな事業という点をご理解いただき、今後ともご協力、ご参加頂ければ幸いである。また、昨年同様に合宿中の練習、講習内容に関するDVDの配布を予定している。
今回、指導者にご協力頂きアンケートの実施を行った。主な内容を報告させて頂き、今後の合宿の企画、講習内容等に関する貴重な意見として参考にさせて頂きたい。
〈主なアンケートの内容〉
・柔軟の必要性を感じた。肩甲骨の柔軟のバリーエーションが勉強になった。早速取り入れたい。
・マットでの基本の動作(後転倒立など)が多くの種目の技に繋がっていくことを再確認できた。
・体幹のチェックポイントを確認できた。時間をかけて根気強く取り組んでいく必要性を感じた。
・ひねりの考え方やタイミング、補助法など非常に参考になった。難しいが新しい発見であった。
・一技講習の取り組みは良かった。つり輪のスゥイングなど、さらに内容を充実させてほしい。
・障害予防の講習が印象的であった。選手の骨や筋肉の成長に合わせて無理なく指導していきたい。
・W-UPは選手まかせであったが、今回の講習を参考に見直していきたい。
・タントラの必要性は感じた。タントラがない場合はどのように指導すれば良いのか聞きたかった。
・ナショナル選手を見ながら研修できたことが良かった。ナショナル選手とのレベルの差を感じた。
・DVDを頂けることは嬉しい。指導方法や補助方法など、もっとDVDを作成してほしい。
・宿泊がNTCであればさらに良かった。食事中などにも色々な話を伺いたかった。
・選手の人数を制限する必要があると思うが、今後も研修合宿を継続していただきたい。
■ジュニアナショナル合宿報告
ジュニアナショナル選手に関しては、9月コントロール合宿、10月合宿、海外遠征(日韓合宿、カンクン合宿、海外試合)等を経て最後の合宿であった。研修会と並行した日程であったが、選手はナショナル合宿の雰囲気やトレーニング内容にも慣れてきたため、フリー練習でも各自の課題をしっかりと取り組むことができた。
4日目に環太平洋(3月、アメリカ)・アジアジュニア(3月、タイ)に派遣される選手(8名)の試技会(8技のジュニアルール)が行われた。春先の試技会のため、調整段階の演技構成であったが、まずまずの動きであった。特に、神本の動きが良かったほか、腰痛が心配される今林も元気に6種目実施することができた。選抜大会(10技)を控えた大切な時期であるが、さらに調子を上げて好成績を残して頂きたい。
最後に、平日の忙しい時間帯にもかかわらず試技会にご協力頂いた審判部の先生方、日本体操協会の役員およびスタッフの方々をはじめ、多くの体操関係者のご協力を頂き本合宿が無事に行えた事に感謝を申し上げたい。また、来年度以降も男子ジュニアナショナル強化に対するご理解、ご支援をお願い申し上げ報告とする。