第76回全日本体操個人女子予選レポート

報告者:日本体操協会 遠藤

日本の女子をけん引してきた村上茉愛(昨年引退),寺本明日香と畠田瞳(引退を表明しての出場)により,今回の全日本は,日本女子の新しい顔の台頭が期待される予選となった。

予選結果(1~3位)
1位 山田千遥(朝日生命体操クラブ)ナショナル
 段違い平行棒でマロニー~ギンガー,マロニーひねり,フット1回ひねり~月面をまとめる。続く平均台でも安定感のあるバク転スワン。ゆか,ターン,テンポ~後方かかえ込み2回宙,後方宙3回ひねり,後方屈身2回宙。跳馬でユルチェンコ2回ひねりをまとめる。大過失のない演技でトップに。

2位 宮田笙子(鯖江体操スクール)U18
 ゆか,テンポ連続~バク転~後方宙3回ひねり着地であとずさりライン減点。跳馬ユルチェンコ2回ひねり動く。段違い平行棒,イエガー,トカチェフで落下,やリなおしてトカチェフ~パク,マロニー~ギンガー,月面。平均台安定したロンダートスワン,後方屈身2回宙の着地を止める。段違い平行棒の落下の取りこぼしを決勝で修正できれば優勝も視野に入ってくる。

3位 笠原有彩(レジックスポーツ)U18
 跳馬ユルチェンコ1回ひねり。段違い平行棒,マロニー,前振りひねり前方かかえ込み2回宙下り1歩動く。平均台,交差上がり~交差とびひねり~バク転,バク転スワン,側宙。ゆか,月面でライン減点,後方屈身2回宙,後方宙2回半ひねり~前宙1回ひねり,後方かかえ込み2回宙着地1歩。全体的に動揺をみせない落ち着きのある演技。

以下,概要。
4位 楠元妃真(鯖江体操スクール)U18
 段違い平行棒,平均台の終末技の後方宙3回ひねり下りが見どころ。
5位 渡部葉月(中京ジムナスティッククラブ)U18
 ゆかの後方宙3回ひねりやターンで少しミスを出していた。平均台の安定感あるロンダート~スワンなど,メリハリのある演技。
6位 坂口彩夏(日本体育大学)ナショナル
 スピード感ある演技,ゆか後方宙1回半ひねり~前宙1回ひねりでライン減点。
7位 芹田未果子(筑波大学)ナショナル
 ゆか後方宙2回半ひねりでライン減点。平均台,安定感ある側宙スワン。
8位 畠田千愛(セントラルスポーツ)ナショナル
 段違い平行棒でバランスを崩し,倒立で前に倒れて落下。
9位 山口幸空(米田功体操クラブ)U15
 強弱をつけた動きで将来性を感じる雰囲気を持つ。ゆか後方宙2回半ひねり~伸身前宙で転倒。
10位 岡村真(相好体操クラブ/暁高校)U18
 平均台見どころのイリュージョンターンでふらつく。
11位 岸里奈(戸田市スポーツセンター)U15
 跳馬ユルチェンコ2回ひねり。しまった動き。
12位 國府方杏月(日本体育大学)U18
 小さい身体ながら個性的な技を成功。段違い平行棒でシュシュノワとび越し。平均台でコルブト1回ひねり。
 

若干ミスも目立ち,引退した選手たちの穴を埋めるまでに至っていない感じだが,将来性を感じられる選手も出てきているので,予選以上の力が出せるよう決勝の演技を期待したい。

大会情報・結果