第48回世界体操競技選手権大会・男子個人総合決勝レポート

報告者:日本体操協会広報委員会 遠藤幸一/藤井俊明

第1ローテーション

ゆか(1班)

SUN Wei CHN
前方屈身2回宙返り、前方2回ひねり~伸身前宙はラインぎりぎりであったが決めた。かかえ込みルドルフで後ろに細かく2歩動き、最後の後方3回ひねりは大きく前に一歩。最初に少し着地でバタついてしまった。13.633

DALALOYAN Artur RUS
前方1回ひねり~前方2回半ひねり、伸身前宙~前方屈身2回宙としっかり決め、後方2回半ひねり~前方2回ひねりも見事に決めた。最後の後方3回ひねりは後ろに一歩動いた。14.800

MIKULAK Samuel USA
後方2回半ひねり~前方かかえ込み2回宙、前方2回ひねり~前方かかえ込み1回ひねり、シュピンデル~ゴゴラーゼとしっかり決めた。その後も着地をほぼ止めて、最後は後方3回ひねりで後ろ一歩に留めた。14.400

NAGORNYY Nikita RUS
後方3回宙は後ろに両足で一歩弾んだが見事な実施。前方2回ひねり~前方かかえ込み2回宙は着地を止める!かかえ込みルドルフも両足で一歩後ろに弾んだが、最後の後方3回ひねりは着地を止めた。非常に勢いのある演技を見せた。14.733

XIAO Ruoteng CHN
後方3回半ひねりでひねり不足気味の状態で伸身前宙ひねりに繋げた。後方2回半ひねり~前方2回ひねりを決めて、後方伸身2回宙もきれいに決めたが、予選、団体決勝とミスをしている前方2回半ひねりで今日も大きく前に弾かれた。最後の後方3回ひねりは着地を決めた。13.933

白井健三 日本
リジョンソン、前方かかえ込み1回ひねり~シライ2(今日は一番いい実施、後方2回半ひねり~前方2回半ひねり、シライ/グエン(着地は僅かにずれる程度)、後方3回半ひねり~前方1回ひねり(着地まとめる)、後方3回ひねり(後ろ一歩)。この3試合の中で一番きれいに通った演技を見せた。素晴らしい集中力!!14.900

あん馬(2班)

BEVAN(GBR)
逆交差倒立、Eコンバイン、Eフロップ、ブスナリ少し力、開脚横移動、ウゴニアンで落下、開脚前移動、転向3部分移動下り、11.633

ABAD(ESP)
セアひねり、交差倒立、ポメル、マジャール、シバド、倒立で止まりかけるブスナリ、開脚横移動、転向3部分移動下り 13.166

SOUZA(BRA)
交差倒立、逆交差倒立、Dコンバイン、シバド、馬端ロシアン1080、ロスで大きく足割れ、バランスを崩し落下、ロシアン1080下り 11.700

萱(日本)
交差倒立、伏臥、Eフロップ、Dコンバイン、ウゴニアン、ロス、トンフェイ、マジャール、シバド、転向倒立3部分移動下り、スピードに乗った旋回で安定感を表現。14.100

HALL(GBR)
交差倒立、Eコンバイン、Eフロップ、ウゴニアン足割れ、トンフェイ、ロス、マジャール、シバド腰まがり、転向3部分移動下り 13.666

YULO(PHI)
逆交差倒立、転向倒立して2部分ひねり移動したがそのまま前後開脚に下ろしてさばく、伏臥、後ろ移動、マジャール、シバド、転向3部分移動下り 12.600

つり輪(3班)

MOLDAUER(USA)
少し十字が水平に保てていない、新月面着地わずかに1歩。13.466

VERNIAIEV(UKR)
中水平、十字、ヤマワキ連続、ホンマ十字少し高い、新月面着地止める。 14.066

HEGI(SUI)
け上がり中水平、ナカヤマ、後方車輪倒立で少し府ガム、新月面で後ろに転倒 12.400

第2ローテーション

あん馬(1班)

DALALOYAN(RUS)
逆交差倒立、Dフロップ、スピード感あるブスナリ、開脚横移動、マジャール少し向きが気になる、シバド、転向3部分移動下り 13.400

MIKULAK(USA)
ミクラック、ブスナリ、開脚横向きシュピンデル、トンフェイ、ロシアン1080少し止まりそうになるが持ちこたえる、前移動、シバド、転向倒立3部分移動下り 14.300

NAGORNYY(RUS)
逆交差倒立、メリ、Eフロップ、Dコンバインで足が割れてバランスを崩しかけるが立て直す(客席からダバイダバイの掛け声)、ウゴニアン、マジャール、シバド、転向倒立3部分移動下り 13.566

XIAO Ruoteng(CHN)
スピード感ある旋回、シュピンデル、トンフェイ、Eフロップ、正交差倒立、逆交差倒立、Dコンバイン、馬端ロシアン1080、マジャール、シバド、転向倒立3部分移動下り 14.700

白井(日本)
逆交差倒立、Eフロップ、モギリニー、Dコンバイン、マジャール少し重そう、シバド、転向倒立3部分移動下り本来下りる方向に乗り切れずひねりをして逆側に下りる 12.533(インクワイアリー却下)

SUN Wei(CHN)
逆交差倒立、正交差倒立少し力使う、Eフロップ、Dコンバイン、ウゴニアン、馬端ロシアン1080、ロス、マジャール、シバド、転向倒立3部分1回ひねり移動下りE難度 14.766

 

つり輪(第2班)

ABAD Nestor ESP
振り上がり開脚上水平~中水平、かかえ込みヤマワキ~振り上がり中水平、屈身ヤマワキ~振り上がり倒立、かかえ込みルドルフ(後ろ一歩)。前半の力技の捌きは非常にしっかりと見せた。13.433

SOUZA Caio BRA
後転中水平、振り上がり中水平~ナカヤマ、屈身ヤマワキ~かかえ込みヤマワキ~振り上がり倒立(肘曲がる)、振り上がり開脚上水平(少し足先が下がる)、ホンマ、ほん転倒立、かかえ込みルドルフ(後ろ一歩)。13.933

萱和磨 日本
後転中水平(少し上に上がってしまう)、振り上がり中水平~あざリアン、かかえ込みヤマワキ~屈身ヤマワキ~ホンマ、ほん転倒立、振り上がり倒立(何とか耐えた)、伸身ルドルフ(着地止める!)14.000

HALL James GBR
後転中水平、振り上がり中水平、ホンマ十字懸垂、かかえ込みヤマワキ~屈身ヤマワキ~振り上がり開脚上水平、脚前挙~伸腕力開脚伸肘倒立、振り上がり倒立、ほん転、かかえ込みルドルフ(ほぼ止める)14.066

YULO Carlos Edriel PHI
け上がり中水平(その後少し躊躇あり)、け上がり十字懸垂、ホンマ、振り上がり倒立(肘曲がる)、屈身ヤマワキ~かかえ込みヤマワキ~振り上がり開脚上水平(上がり切らず崩れてしまう)、ほん転倒立(前の技で崩れたまま上げようとしたのでかなり肘が曲がる)、車輪~かかえ込みルドルフ(着地止める)。緊張からか、普段の演技ではなかった。12.000

BEVAN Brinn GBR
振り上がり中水平(位置が高い)、屈身ヤマワキ~振り上がり開脚上水平、脚前挙~伸腕開脚伸肘倒立、ほん転倒立、かかえ込みヤマワキ~振り上がり倒立、車輪~かかえ込みルドルフ(着地は前一歩)。少し力技の実施がよくなかったのが勿体ない。13.666

跳馬(3班)

VERNIAIEV(UKR)
ドラグレスク着地止める!14.966

MOLDAUER(USA)
ドリッグス前にとぶ 14.400

第3ローテーション

つり輪(1班)

MIKULAK Samuel USA
振り上がり中水平~ナカヤマ、振り上がり上水平、かかえ込みヤマワキ~振り上がり十字懸垂、屈身ヤマワキ~振り上がり倒立、ほん転倒立、車輪、かかえ込みルドルフ(体を開いて十分に下を見ての着地。見事に止めた。)14.166

NAGORNYY Nikita RUS
後転中水平、後方け上がり中水平~ナカヤマ、屈身ヤマワキ~かかえ込みヤマワキ~ホンマ、振り上がり開脚上水平、ほん転倒立、振り上がり倒立、かかえ込みルドルフ(着地止める)。ほぼミスを見せず、きれいな実施であった。14.500

XIAO Ruoteng CHN
振り上がり上水平~中水平~アザリアン、かかえ込みヤマワキ~振り上がり中水平、屈身ヤマワキ~振り上がり十字懸垂、ほん転倒立、車輪~かかえ込みルドルフ(着地止める)。非常に安定した実施。力技も十分に見せた。14.333

白井健三 日本
振り上がり中水平~アザリアン、かかえ込みヤマワキ~屈身ヤマワキ~振り上がり開脚上水平、ホンマ十字懸垂、ほん転倒立、振り上がり倒立、グチョギ~車輪~かかえ込みルドルフ。手をぐるぐる回しながらではあるが着地は止めた。力技の実施は予選よりもよかった。13.666

SUN Wei CHN
振り上がり上水平~中水平、アザリアン、かかえ込みヤマワキ~振り上がり中水平、かかえ込みヤマワキ~ホンマ十字懸垂、振り上がり脚前挙~伸腕伸身伸肘倒立、ほん転倒立(肘が少し曲がる)、かかえ込みルドルフ(前に大きく一歩)。ほん転倒立で少しだけ乱れたのが着地に影響したか。13.900

DALALOYAN Artur RUS
後転中水平(非常に低い位置でいい実施)、後方け上がり中水平~ナカヤマ、屈身ヤマワキ~かかえ込みヤマワキ~ホンマ十字懸垂、振り上がり開脚上水平、ほん転倒立、振り上がり倒立、伸身月面。これも非常に力強い実施。力技の収めも十分。14.533

跳馬(2班)

SOUZA(BRA)
ロペス左足1歩小刻むに動く 14.616

萱(日本)
ドリッグス着地わずかにとぶ 14.366

HALL(GBR)
リッグス着地右足大きく1歩前に 14.366

YULO(PHI)
ロペスでひねり切れず両手をマットについて支える大過失 13.100

BEVAN(GBR)
屈身ツカハラ宙返り後ろにしりもちをつき後転してしまう 13.533

ABAD(ESP)
アカピアン左足1歩後ろに 13.833

 

平行棒(3班)

MOLDAUER(USA)
開脚前宙、棒下、棒下ひねり、ディアミドフ手をずらす、車輪、車輪ディアミ、ハラダ、前方かかえ込み2回宙ひねり着地前に 14.500

VERNIAIEV(UKR)
前宙、棒下ひねり、シャルロ倒立瞬時静止でヒーリー、マクーツ途中の倒立で少し停滞が長い、チッペルト、バブザー、ヒーリー、ピータース、前方かかえ込み2回宙ひねり下り着と止める! 15.666

第4ローテーション

跳馬(1班)

NAGORNYY(RUS)
ドラグレスク宙返りの足割れが目立つが、着地は少し弾む程度でまとめる。14.766

XIAO Ruoteng (CHN)
ロペス着地左足1歩後ろに動かすが、完成度の高い実施 14.866

白井(日本)
シライキムヒフン着地ピタリと決める! 15.166

SUN Wei(CHN)
ロペス着地左にとぶライン減点 14.533

DALALOYAN(RUS)
ブラニク着地ほぼ止める 15.133

MIKULAK(USA)
ドリッグス手を回すが着地止める 14.600

平行棒(2班)

萱和磨 日本
ホンマ、ヒーリー、棒下宙ひねり(うまい!)、棒下宙、開脚前宙腕支持、バブザー、ティッペルト(予選同様足がバーに乗ったように見える)、ピーターズ、前方2回宙返りひねり。着地を見事に止める!!ティッペルト以外はいい実施!!14.766

HALL James GBR
ホンマ、棒下宙、車輪、車輪ライヘルト、アームライヘルト、ピーターズ(前に動く)、ヒーリー、開脚前宙支持、ツイスト倒立、前方かかえ込み2回宙ひねり(高い!!)着地は僅かに一歩ずれる。14.500

YULO Carlos Edriel PHI
ホンマ、マクーツ、ヒーリー、車輪、バブザー、伸肘倒立で少し緩む、ティッペルト、ディアミドフ(かなり前に動く)、後方屈身2回宙(着地をしっかりと止める)。今日は緊張感が隠せない演技が続いている。14.166

BEVAN Brinn GBR
ホンマ、棒下宙ひねり(少し詰まる)、棒下宙、車輪、開脚前宙腕支持、ティッペルト、ヒーリー、棒上宙、ツイスト倒立、前方かかえ込み2回宙。少し重たい印象だがしっかり決めた。14.600

ABAD Nestor ESP
ヒーリー、棒下宙ひねり、棒下宙、車輪、カット倒立、バブザー、ティッペルト(少し低い)、前方かかえ込み2回宙(前一歩)。少し物足りない構成。ティッペルトは振りが大きいだけに高さはもっと欲しいところ。14.000

SOUZA Caio BRA
ホンマ(少し詰まる)、棒下宙ひねり(前に2歩動く)、棒下宙、車輪、ルンブティス、ヒーリー、開脚前宙腕支持、モイ、ティッペルト、前方かかえ込み2回宙ひねり(低い着地で前一歩)。細かいミスが非常にもったいない演技。14.383

鉄棒(3班)

MOLDAUER(USA)
アドラーひねり倒立はずす、伸身月面着地止める。13.033

VERNIAIEV(UKR)
ヤマワキひねり、ヤマワキ、トカチェフ肘まがり、リンチ、アドラー1回ひねり倒立で戻ってしまう、アドラーひねり倒立を外し足割れ、伸身新月面着地で前に倒れこんでしまう。 11.500

第5ローテーション

平行棒(1班)

XIAO Ruoteng CHN
リチャード、ドミトリエンコ、ヒーリー、棒下宙ひねり、車輪、棒下宙、ベーレ、脚前宙腕支持、ティッペルト、後方屈身2回宙(着地をほぼ止める)。体のばねを感じるような切れ味鋭い演技を行い、ミスもほぼなかった。新しい時代を感じる演技。15.333

白井健三 日本
ホンマ、マクーツ(肘をかなり曲げてしまう)、棒下宙、ベーレ、ティッペルト、ヒーリー、ツイスト倒立、アームライヘルト~開脚前宙腕支持、前方かかえ込み2回宙ひねり。マクーツのところが実に勿体ない!!14.266

SUN Wei CHN
ドミトリエンコ、棒下宙ひねり(前に動くが僅かなミスにしか見えない)、棒下宙、車輪、開脚前宙腕支持、ティッペルト、ヒーリー、前方かかえ込み2回宙ひねり(完全に体を開いて下を見て余裕を持った着地)。着地は見事に止めて余裕を感じさせる演技。14.800

DALALOYAN Artur RUS
横向き逆上がり倒立1/4ひねり倒立(きれいにはまる!)、リチャード、アームツイスト、ティッペルト、バブザー、開脚前宙腕支持、ヒーリー、ホンマ、ツイスト倒立、前方かかえ込み2回宙ひねり(着地止める!)。一つ一つの実施が素晴らしかった。15.566

MIKULAK Samuel USA
ホンマ、ヒーリー、棒下宙ひねり(少しずれる)、棒下宙、車輪ライヘルト~開脚前宙腕支持、バブザー(すごい幅のある実施)、ティッペルト、ツイスト倒立、前方かかえ込み2回宙ひねり(着地止める)。高さ、幅のある、迫力あふれる演技。15.441をマーク。ここにきて高得点連発!

NAGORNYY Nikita RUS
ホンマ、シャルロ~単棒ヒーリー、棒下宙ひねり、車輪、マクーツ、ヒーリー、ディアミドフ、ディアミドフひねり(横にぶれるが戻す)、前方かかえ込み2回宙ひねり(着地止める)。Dスコアは高いものを持っているだけにディアミドフひねりのミスが痛い!!14.866

鉄棒(2班)

HALL(GBR)
カッシーナぎりぎり、コバチ、コールマン、ヤマワキ足割れと肘まがり、アドラー1回ひねり両逆手倒立大きく外す、アドラーひねり、伸身新月面着地とぶ 13.600

YULO(PHI)
ヤマワキ、屈身コバチで落下、コールマン懸垂前振りで倒立回り切れず倒れる、コバチ、ホップターン、リバルコ方大逆手、アドラー倒立外す、伸身新月面着地動く。10.933

BEVAN(GBR)
アドラーひねり倒立外す、コバチ、コールマンで落下、アドラー倒立外す、逆背、伸身新月面着地動く。11.766

ABAD(ESP)
シャープな伸身トカチェフ、モズニク、アドラーひねり、トカチェフ前振り車輪で止まりかける、リンチ、伸身月面着地止める。13.733

SOUZA(BRA)
伸身トカチェフ~リンチ、ホップターン、コールマン、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、アドラーひねり、伸身新月面着地1歩。すべての技で足割れが目立つ。13.600

萱(日本)
アドラーひねり倒立少し外す、伸身トカチェフ、トカチェフ、チェコ式車輪、アドラー1回ひねり、ホップターン、伸身新月面着地を止める。13.733

ゆか(3班)

VERNIAIEV(UKR)
着地止めきれず、前宙2回半ひねりで前に倒れこむ 12.966

第6ローテーション

鉄棒(1班)

白井(日本)
ヤマワキ、エンドーひねり、屈身コバチ、アドラー、ポゴレロフ、コバチ、シュタルダー、ホップターン、アドラーひねり、伸身新月面低いがじっくり着地を止めた余韻に浸る。14.000

SUN Wei(CHN)
アドラー1回ひねり両逆手、伸身トカチェフ~リンチ、アドラーひねり倒立外す、モズニク、ヤマワキ、伸身新月面後ろにとぶ。 14.266

DALALOYAN(RUS)
屈身コバチ、コールマン、モズニク、アドラーひねり、伸身トカチェフ、アドラー倒立決める、ヤマワキ、伸身月面着地止める。14.166

MIKULAK(USA)
カッシーナ、コールマン、伸身トカチェフ、トカチェフ~リンチで片手が離れ、ぶら下がってしまう、ツォリミン、アドラーひねり、伸身新月面着地前にとぶ。団体決勝で6種目演技し、相当疲弊していると思うが力を出し切った感じ。12.366

NAGORNYY(RUS)
ヤマワキ、伸身トカチェフ、モズニク、アドラー1回ひねり倒立で瞬時肘を曲げる、アドラーひねり、トカチェフ、リンチ、ツォリミン、伸身新月面着地わずかに動く。13.900

XIAO Ruoteng(CHN)
14.233が優勝へのターゲットスコアと表示されての演技開始。団体決勝で落下したリューキンをつかむ、伸身トカチェフ、トカチェフ、リンチ、アドラー1回ひねり~ヤマワキ腰まがり、アドラーひねり、アドラー1回ひねり、伸身新月面着地1歩。特に大きなミスがなく、得点が期待される中、14.233でターゲットスコアと同点、すなわちDALALOYANと同点となったが、タイブレークルールで、6種目中、トップ5の得点の合計点でDALALOYANが上回り、ロシアに18年ぶりの金メダルをもたらした。

ゆか(2班)

YULO Carlos Edriel PHI
前方屈身2回宙ひねり、後方2回半ひねり~前方2回半ひねり(後ろに2歩)、後方3回半ひねり~伸身前宙ひねり、後方2回ひねり、十字倒立、前方2回ひねり~前方伸身1回ひねり、後方3回ひねり(着地僅かに前に一歩)。これまでのミスを忘れさせるいい演技で今日の試合を締めくくった。14.666

BEVAN Brinn GBR
伸身前宙~前方屈身2回宙、後方伸身2回宙、前方屈身2回宙ひねり、アラビアン前方屈身2回宙、フェドルチェンコ、十字倒立、前方2回ひねり~伸身前宙ひねり、後方3回ひねり。最後の後方3回ひねり以外はすべて着地を止めるという素晴らしい着地を見せた。14.366

ABAD Nestor ESP
伸身前宙~前方屈身2回宙、かかえ込み月面、後方2回半ひねり~前方1回ひねり、アラビアン前方2回宙(後ろ一歩)、シュピンデル~ゴゴラーゼ連続、十字倒立、後方3回ひねり(後ろに大きく2歩)。13.800

SOUZA Caio BRA
伸身前宙~前方かかえ込み2回宙(前一歩)、かかえ込みルドルフ(後ろ一歩)、後方2回半ひねり~伸身前宙ひねり、フェドルチェンコ、十字倒立、前方1回半ひねり~前方1回ひねり、後方3回ひねり(後ろ一歩)。13.566

萱和磨 日本
前方かかえ込み2回宙ひねり、前方屈身2回宙、前方2回ひねり~前方かかえ込み2回ひねり(前一歩)、フェドルチェンコ、十字倒立、後方2回ひねり、後方2回半ひねり~伸身前宙ひねり(前一歩)、後方3回ひねり(わずかに前一歩)。予選よりも堅い演技となった。13.800

HALL James GBR
前方屈身2回宙(着地止める)、アラビアン前方2回宙ひねり、前方2回ひねり~伸身前宙ひねり、前方2回半ひねり、後方2回半ひねり~前方1回半ひねり、フェドルチェンコ、十字倒立、後方3回ひねり(前一歩)。非常に丁寧に実施した印象。14.100

あん馬(3班)

VERNIAIEV(UKR)
交差倒立、メリボディタッチ、転向倒立3部分移動開脚座、Eフロップ、Eコンバイン、シバド、ロスで勢いがなくなり落下。

 

かつて、1985年の世界選手権で女子の同点優勝があったが、今回は同点でありながらタイブレークで順位を分けるという初の結末となった。そして、激しい優勝争いをしたのは前回チャンピオンのXIAOと2017年ヨーロッパ選手権銀メダリストのDALALOYAN。両選手ともにリオ以降に出てきたスター選手であり、難度も追いつつ、力強さも感じる選手である。特にXIAOは中国の世代交代が順調に進んでいることを十分に感じさせる選手で、今大会は団体優勝に続く金メダル獲得こそならなかったが、東京オリンピックでも優勝候補の一角にいることは間違いない。優勝したDALALOYANは、3位に入った同僚NAGORNYYと同様にロシアの急躍進の中心にいる選手で、この勢いは日本に対して最大のインパクトを与えた。また、奇しくもこの3名と日本の黄金世代と言われている白井、萱、谷川は同学年であり、この世代が今の体操界をリードする存在となったのを印象付けた結果となった。

個人総合のメダルを逃したのが1995年鯖江大会以来となった日本。東京オリンピックに向けて新たな課題を見つけることになった結果となった。