2016リューキン国際招待報告

報告者:

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<選手団>
監督・コーチ 梅本英貴,蒲原彰吾,室井聖史
<選手>春木三憲,山根直記,谷川翔,中川将径
<派遣先>アメリカ・ダラス 競技会場:WOGA GYMNASTICS CLUB FRISCO
【参加国・地域数、チーム数、参加人数】
・参加国  8か国 日本、メキシコ、ウクライナ、ロシア、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ
・チーム数 12チーム
・参加人数 25名(International Elite)

【競技結果】
・団体総合 優勝日本/2位ロシア/3位ウクライナ
・個人総合 優勝谷川翔/2位春木三憲/3位山根直記/5位中川将径
・種目別  谷川翔:ゆか2位,あん馬2位,平行棒1位
春木三憲:つり輪2位,平行棒3位,鉄棒2位
山根直記:ゆか3位,跳馬2位,鉄棒3位
中川将径:あん馬3位
【競技会報告】
■競技会概要
リューキンカップ(International Elite)は、各国のナショナル選手が参加しており、非常にレベルの高い大会となっている。今年度もリオデジャネイロオリンピックのウクライナ代表Vladislav Hrykoや、ロシアナショナル選手のArtur Dalaloyanなどが参加していた。
・競技規則:採点規則2017年版を適用
・使用器具:AAI社製の器具を使用
・各チーム4名(団体総合は4-4-2制)
・日本チームは18:45~ ゆかスタート

■大会レポート
□12/7 (水)出国
成田空港から予定通り出発した。約11時間30分のフライト経て、現地時間8:00頃に到着。WOGA関係者の送迎により、本会場まで約1時間で到着した。移動の疲れを考慮し、1時間程度のストレッチ・柔軟を行った。その後、宿舎に移動し、昼食を摂り午後の練習に備えた。午後に再び本会場へバスで移動し、翌日のチーム練習に備え3時間程度の各自調整練習を行った。

□12/8(木)本会場練習
本会場で練習を行えるのが、本日が最後のためチームで一本通しを行った。10:30に宿舎を出発し、11:00~16:00まで日本チームのペースで続行練習をすることができた。それぞれミスはあったものの、まだ時差が抜けきらない状態の中、積極的に練習し良い雰囲気で調整できた。各自、続行練習で失敗のあった個所は入念に確認していた。跳馬のメジャーはフィート標記の物しか用意されておらず、日本から持っていった物で対応した。

□12/9(金)サブ会場練習
本会場は試合準備の為、使用できず別会場(WOGA GYM Plano)での練習であった。10:30に宿舎を出発し、11:00~14:00までのフリー練習を行った。時差にも慣れ、翌日の試合へ向けて順調な仕上がりを見せた。

□12/10(土)競技団体総合・個人総合・種目別
15:00      宿舎出発
17:00~17:30  オープンストレッチ
17:30~18:20  会場練習(平行棒のみNEXT種目から10分の割り当て)
18:30~18:45  オープニングセレモニー
18:45~20:45  競技(ゆかスタート)
21:00~     表彰式
《コーチミーディングでの確認事項》
①会場練習が60分から50分に変更(5組編成の為)
②平行棒のみNEXT種目から10分の割り当て練習
③オーダーはゼッケン順に繰り上がり
④跳馬種目別参加者の確認

【競技会内容】
日本チームは床からのスタートであった。スタート種目で着地がまとまらない演技もあったが、大過失を出すことなく順調なスタートを切ることができた。6種目を通して、日本らしい美しく安定した演技は審判団の評価も高く、Eスコア9.0を超える種目もあり、高得点を積み重ねていくことができた。特にあん馬では高難度の技を組み込みながら勢いのある減点の少ない演技を披露し、谷川選手D5.8E9.4=15.2、中川選手D5.8E9.3=15.1と高得点を獲得した。また、日本のウィークポイントでもあり海外選手と力の差が大きいつり輪であるが、春木選手がF難度の力技を取り入れD5.9E8.7=14.6と質の高い力技を披露し、会場は歓声に包まれた。跳馬では山根選手が着地をほぼ止める素晴らしいロペスを実施しD5.6E9.25=14.85と1跳躍では全選手中トップとなる高得点を獲得するなど、各選手得意種目で高得点を積み上げていくことができた。

【総評】
今大会は2017年度から採用される新ルールでの大会となっていた。選手たちもまだ情報が明確でない中、新ルールでの演技を組み少し不安を持って今大会に望んだ。
そんな中、日本チームは金3個、銀6個、銅5個、計14個と素晴らしい活躍をし、最大の目標であった4年ぶりの団体優勝を果たすことができた。また、個人総合も1位谷川・2位春木・3位山根・5位中川と上位を占め、改めて日本のジュニアトップ選手達のレベルの高さや総合力の高さを示すことができた。しかし、諸外国選手の種目別の強さには見習うべき点が数多く、特につり輪の力技では手首の巻き込みは皆無であり、日本も今後さらに強化していかなければならない課題だと痛感させられた。これは今までなかったことだが、跳馬において今回参加した日本選手全員が2跳躍とび種目別にエントリーした。ここ数年ジュニア強化で取り組んできていることが成果となって現れてきていることを実感した。しかしまだまだ1跳躍では海外選手と同等の勝負ができるものの、日本では回転系の跳躍を実施できる選手が少ない。今後種目別で争っていくためには、ジュニア世代から回転系の跳躍を強化していく必要があると感じた。
今回、海外特有の競技会の雰囲気で選手全員がその実力を十分に発揮し、4人28演技(跳馬1人2演技)で大過失なく演技ができたことは、各選手がしっかりと本大会に備えた成果でもある。競技会終了後には、審判団や各国コーチ陣から日本のジュニア期における基本技の質の高さが賞賛され、その育成方法にも高い関心が寄せられていた。
この経験を活かし、選手たちには今後も自分の良さを更に伸ばしながら苦手な部分を克服し、次世代を担う選手への成長を期待する。選手コーチともに今回学んだことを現場に持ち帰り日々の強化に活かしていきたいと考える。
最後に、大会参加にあたりご尽力いただいた日本スポーツ振興センター、JOC、日本体操協会をはじめ、各関係者の皆様に心より感謝を申し上げ本大会の報告とさせて頂きます。

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