第71回全日本体操個人総合選手権トライアル女子

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全日本選手権への切符を1位で手にしたのは森蒼佳選手(ZERO体操クラブ)。
まだ中学3年生だが、長い手足と身長の高さを生かした迫力のある演技が持ち味の森選手。
段違い平行棒では閉脚シュタルダー、イエガー等を雄大に決め、ムーンサルトの着地をしっかり狙って止めにくる。
平均台では派手な大技こそ入っていないものの、前半はほとんど減点なくこなす。
ゆかでは最終タンブリングにキレの良い3回ひねりを持ってきたり、跳馬で豪快に転回~屈身前宙ハーフ決めEスコアを9.0に乗せる等、まだまだ伸びしろの伺える選手。表現力が今後の課題。
2位で通過したのは中学1年生文堂日南子選手(ならわ体操クラブ)。
なんと言っても跳馬のユルチェンコ2回ひねりが武器。
文堂選手は小学生の頃からこの技に取り組んでおり、今回の結果も跳馬での貯金(14.85)で段違い平行棒の構成要求で足りない部分をさらにプラスで補い、跳馬の強さがものを云った形となった。序盤の平均台で緊張からか、少しフワフワしたような演技になってしまったが、ゆかでは個性が引き出された曲で動き(踊り)もしっかりと演じ切り、全日本選手権への切符を手にした。東京2020世代。
3位は坂口彩夏選手(ジム・ネット体操教室)。
跳馬ではユルチェンコ1回半ひねりを実施しており、ゆかでも持ち味のタンブリングと、表現力を組み合わせ、本日の最高得点(13.15)を出している。4種目そつなくこなした結果、3位という順位で通過。
そしてなんと言っても会場の注目を集めたのが4位で通過した畠田千愛(ちあき)選手(セントラル目黒)。大学生の選手と並ぶとその小柄さがより際立つが、小学6年生とは思えないほどの度胸で堂々と演技をこなす。跳馬では自分の身長とあまり変わらない高さの器具を跳び越える伸身ツカハラ1回ひねりを見せ、Eスコア8.6!
段違い平行棒はやはりまだ移動技が入れられず、構成要求が一つ足りない形だが、イエガー、ムーンサルトをしっかりと決めEスコア8.2と実施で点数をあまり落とさずに平均台へ。
ここではロンダート~伸身宙返り1回ひねり(B+G)の組み合わせに果敢に挑戦するが、惜しくも落下。しかし動揺を見せず最後まで通しきる。ゆかでも抱え込みダブル、1回半ひねり+前方1回ひねり、終末技に3回ひねり!シルクドソレイユの曲に乗せ、ダンス系でも色々な種類のターンでDスコアを稼いだ。ここでも堂々と年齢を感じさせない表現力を見せたのだが、演技後、恥ずかしそうに歓声に応えて手を振る姿があどけなく、会場から「かわいい~!」の声。こちらも有望な東京2020世代。
5位には跳馬でEスコア9.0のユルチェンコ1回ひねりを見せた佐藤涼香選手(ZERO体操クラブ)が入り、6位杉田しずか選手(日本女子体育大学)、7位福家直子選手(筑波大学)、8位に2ミスしながらも通過を果たした古賀ほのか選手(日本体育大学)等、大学生の頑張りも見えた。
以下、9位柿崎沙樹選手(日本女子体育大学)、10位に膝の怪我から復帰の安井若菜選手(玉川体操クラブ)、11位古山葵選手(レジックスポーツ)、同11位三田涼乃選手(ZERO体操クラブ)までがトライアルを通過し来年の全日本選手権個人総合へ駒を進めた。