第46回世界体操競技選手権レポート・男子予選5班

報告者:

<第1ローテ>
ウクライナつり輪
HRYKO:け上がり十字懸垂、振り上がり十字懸垂、ヤマワキ、屈身ヤマワキ、振り上がり開脚上水平、シンピ倒立、後方車輪倒立、後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り。
YERMAK:アザリアン、引き上げ中水平、け上がり十字懸垂、ヤマワキ、屈身ヤマワキ、屈腕力倒立、前方車輪倒立、後方車輪倒立、後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り。
RADIVILOV:後転中水平、振り上がり中水平、アザリアン、振り上がり倒立、屈身ヤマワキ、ヤマワキ、振り上がり上水平、ほん転倒立、後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り。
VERNIAIEV:後転中水平、振り上がり中水平、ナカヤマ、ヤマワキ、屈身ヤマワキ、ホンマ十字懸垂、振り上がり上水平、ほん転倒立、前方車輪倒立、後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り。
OKACHEV:アザリアン、振り上がり上水平、ほん転倒立、振り上がり十字懸垂、ヤマワキ、屈身ヤマワキ、振り上がり倒立、後方伸身2回宙返り下り。
確実な演技構成で一種目をミスなく終える。
<第2ローテ>
ウクライナ跳馬
HRYKO:アカピアン、着地で大きく動く。
RADIVILOV:1本目、ドラグレスク、足の乱れが目立つが雄大な実施。2本目、ルーユーフ、大きな跳躍。
VERNIAIEV:1本目、ドラグレスク、大きい跳躍だが着地で数歩後方へ動く。ロペス、着地でわずかに跳ねる。
YERMAK:アカピアン、着地で後方へ動く。
つり輪に続き、順調な演技をみせる。
<第3ローテ>
ウクライナ平行棒
YERMAK:棒下宙返り倒立、ケンモツ、モイ、ヒーリー、ディアミドフ、ツイスト、カット、後方屈身2回宙返り下り。
OKACHEV:チッペルト、棒下宙返りひねり倒立、シャルロ~ヒーリー、棒下宙返り倒立、ツイスト、前方開脚5/4宙返り腕支持、ヒーリー、ヒーリー腕支持、カット、後方屈身2回宙返り下り。
VERNIAIEV:ホンマ、棒下宙返りひねり倒立、シャルロ~ヒーリー、棒下宙返り倒立、チッペルト、バブサー、ヒーリー、ピータース、前方かかえ込み2回宙返りひねり下り。
SEMIANKIV:ホンマ、棒下宙返り倒立、モイ、チッペルト、ヒーリー、ディアミドフ、ツイスト、後方屈身2回宙返り下り。
HRYKO:ホンマ、棒下宙返り倒立、モイ、チッペルト、ヒーリー、ディアミドフ、ピータース、ツイスト、後方屈身2回宙返り下り。
この種目も失敗なく終える。
HIDVEGI(HUN)あん馬、セア倒立、Eフロップ~Dコンバイン足割れ、シュピンデル、ウゴニアン、ロシアン1080、マジャール~シバド、転向倒立3部分移動1回以上ひねり下り。
BERKI(HUN)あん馬、セア倒立、Eフロップ~Eコンバイン、ポメル間ロシアン1080、ウゴニアン、シュピンデル、マジャール~シバド、転向倒立で力を使ってそのままC難度下りに。14.966・・・。
<第4ローテ>
ウクライナ鉄棒
YERMAK:コスミック、トカチェフ、シュタルダー、シュタルダーひねり大逆手、大逆手車輪、1回ひねり大逆手、エンドー1回ひねり、エンドー、後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り。
OKACHEV:伸身トカチェフ、モズニク、開脚モズニク、アドラー倒立、大逆手エンドー、エンドー1回ひねり大逆手、1回ひねり、シュタルダー、後方伸身2回宙返り2回ひねり下り。
VERNIAIEV:モズニク、アドラーひねり~開脚モズニク、アドラー1回ひねり~コスミック、エンドー1回ひねり大逆手、大逆手エンドー、1回ひねり大逆手、エンドーひねり、後方伸身2回宙返り2回ひねり下り。
HRYKO:コスミック、トカチェフ、シュタルダーひねり大逆手、大逆手車輪、大逆手エンドー、エンドー1回ひねり、1回ひねり、シュタルダー、後方伸身2回宙返り2回ひねり下り。
SEMIANKIV:アドラーひねり~開脚モズニク、アドラー1回ひねり~コスミック、エンドーひねり、トカチェフ、シュタルダーひねり大逆手、エンドー1回ひねり大逆手、1回ひねり大逆手、後方伸身2回宙返り1回ひねり下り。
現時点で9位。
フランス・跳馬
WILLIG:アカピアン。着地僅かに一歩。
ZONA:ユルチェンコ2回ひねり(前に両足一歩)。膝の緩みなどの姿勢欠点が目立つ。
AUGIS:ローチェ。足割れこそあるが高い位置で回り切り、着地は両足で一歩大きく弾んだ。
AIT SAID:ローチェ。こちらも高さ十分。姿勢もまだよかったが、着地で大きく前に二歩動く。
TOMMASONE:ロウユン。着地は前に小さく一歩。高さがもう一つといったところ。
Dスコアで劣る部分をEスコアで補い切れず、もう一つ得点を伸ばせず。
SELIGMAN(CRO)あん馬、セアひねり移動、横向きシュピンデル、シュピンデル、Eフロップ、Dコンバイン、ウゴニアン、ロシアン1080、マジャール、シバド、下向き1080度転向下り、15.400を獲得して暫定2位に。
UDE(CRO)あん馬、セアひねり移動、ポメル旋回、ブスナリ、シュピンデル、ぽ得る間ロシアン1080、ベレンキ、ウゴニアン、マジャール、シバド、ここまで素晴らしい実施、最後転向倒立移動下りで大きく腰を曲げて崩れ落ちそうになり、なんとか足から着地。前回あん馬銀メダリストが決勝進出を逃す。
<第5ローテ>
ウクライナゆか
RADIVILOV:後ろとびひねり屈身2回宙返り、前方宙返り2回ひねり~前方宙返りひねり、フェドルチェンコ、十字倒立、テンポひねり~前方かかえ込み2回宙返りで転倒、後方かかえ込み2回宙返り1回ひねり。
HRYKO:前方宙返り2回ひねり、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返りひねり、前方宙返り2回半ひねり、前方宙返り1回半ひねり、十字倒立、側宙、後方宙返り2回ひねり、後方宙返り3回ひねり。
VERNIAIEV:伸身トーマス、後方宙返り3回半ひねり~前方宙返り1回ひねり、前方宙返り2回ひねりでバランスをくずし、続けて前方宙返り1回ひねり、前方宙返り2回半ひねり、シュピンデルゴゴラーゼ、十字倒立、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返りひえり、後方宙返り3回ひねり。
YERMAK:後ろとびひねりかかえ込み2回宙返り、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返りひねり、トーマス、フェドルチェンコ、後方宙返り2回ひねり、後方宙返り3回ひねり。
SEMIANKIV:前方宙返り転、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返りひねり、後方宙返り1回半ひねり~前方宙返り1回ひねり、十字倒立、後ろとびひねり宙返り、シンピ倒立、後方宙返り2回ひねり、後方宙返り3回ひねり。
塚原(AUS)あん馬、逆交差倒立少し勢いがとまる、Eフロップ~Dコンバイン、ロス少しバランス崩しかける、C前移動、シバド、Bシュテ、転向倒立下り。
SELLATHURAI(AUS)あん馬、セア倒立、ポメル間ロシアン1080、ポメル間縦向き旋回、Eフロップ、シュピンデル、ウゴニアン、ロシアン1080少しゆがむ、マジャール、シバドで勢いが止まり落下。2006、2009、2010あん馬のメダリスト決勝進出ならず。
フランス・平行棒
WILLIG:逆上がり倒立、車輪、腕支持から振り上がり倒立、ヒーリー、ピーターズ、ディアミドフ、モイ、ティッペルト、後方屈身2回宙(後ろ一歩)
TOMMASONE:逆上がり倒立ひねり、棒下宙、車輪ディアミドフ、車輪、ホンマ、モイ、ツイスト、ピーターズ、後方屈身2回宙(ほぼ止める)
ZONA:ホンマ(肘を曲げて倒立)、棒下宙、車輪、開脚前宙腕支持、ピーターズ(外に出れず)、モイ、ティッペルト、ヒーリー、ツイスト、後方屈身2回宙(着地止める)。前半が重たい印象の演技。
SABOT:マクーツ、シャルロ、棒下ひねり(一歩前)、棒下宙、ドミトリエンコ、ヒーリー、モイ、ティッペルト、後方屈身2回宙(着地前一歩)
AUGIS:シャルロ(完ぺきに止める)、棒下ひねり、棒下、車輪、モリスエ、ドミトリエンコ、開脚前宙腕支持(この後の倒立で肘が緩む)、ヒーリー、ツイスト、前方かかえ込み2回宙ひねり下り(高さ十分、着地は一歩前)。非常に熟練性を感じる演技。細かいミスが勿体なかった。
フランスはこの種目のチーム得点で60点を超え、ウクライナを上回ってこの班のトップに立った。
<第6ローテ>
ウクライナあん馬
OKACHEV:リーニン、Eフロップ、Dコンバイン、2/3後ろ移動、マジャール移動、シバド移動、1080°下向き転向下り。
HRYKO:リーニン、バックセアー倒立、Eフロップ、Dコンバイン、ワンポメル旋回、マジャール移動、シバド移動、Aシュテ倒立3部分移動1回ひねり下り。
YERMAK:セアーひねり移動、Eフロップ、Dコンバイン、ワンポメル旋回、馬背1080°下向き転向移動、2/3後ろ移動、マジャール移動、シバド移動、ウゴニアン、1080°下向き転向下り。
VERNIAIEV:リーニン、バックセアー倒立、Aシュテ倒立3部分移動1080°ひねりから開脚支持、馬背1080°下向き転向、Eフロップ、Eコンバイン、ウゴニアン、マジャール移動、シバド移動、Aシュテ倒立3部分移動下り。
チームとしては10位に終わる。他方、個人総合での内村選手のライバルと考えられるVERNIAIEV選手は、ゆかでミスを出したものの、現時点で2位につける。内村選手との差は、わずかおよそ0.4点。
WILLIG:アドラー1回ひねり~ヤマワキ、アドラーひねり、ホップターン、シュタルダー、シュタルダーひねり、エンドー1回ひねり大逆手、大逆手エンドー、伸身新月面(腰取りありで、最後は膝も曲がる。前に一歩)
TOMMASONE:ツォウリミン、アドラー1回ひねり~ヤマワキまではよかったが、エンドーで上がりきらずそのまま落下。最後はストローマンかかえ込み1回ひねり。
ZONA:伸身トカチェフ、トカチェフ~モズニック、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、ホップターン、シュタルダー1回半ひねり片大逆手、エンドー、シュタルダー、伸身月面(着地前に小さく一歩弾む)。
SABOT:アドラー1回ひねり~ヤマワキ、シュタルダー、シュタルダー1回半ひねり片大逆手、アドラーひねり、ホップターン、リバルコ、伸身月面(前に一歩)
AUGIS:アドラーひねり~コールマン、カッシーナ、ホップターン、アドラー1回ひねり(戻る)、ヤマワキ、シュタルダー、伸身新月面(後ろに小さく一歩)。アドラーひねり~コールマンは内村よりもよかったが、ほかの部分で減点を出してしまった。
KUMAR(IND)ゆか、後方宙2回半ひねり~前方2回宙、後方宙1回半ひねり~前宙2回ひねり着地1歩、テンポ~アラビア前方2回宙着地止める、十字倒立、前宙1回ひねり~前宙1回半ひねり、後方宙2回ひねり、後方宙3回ひねり大きく後ろに左足1歩、ライン減点とタイム減点。
この結果、フランス、ウクライナはそれぞれ9位と10位になり、五輪団体出場権はテストイベントで最後の望みにかけることになった。また、個人総合は、VERNIAEVが0.433差で内村に2位と肉薄する結果になった。VERNIAEVもゆかでラインオーバー二回のミスがあり、鉄棒も大過失はなかったものの点が伸びなかったということで、個人総合決勝では両者がノーミスの演技を続けば拮抗した争いになるのは確実となった。団体優勝で勢いに乗り、個人総合もそのまま優勝というストーリーを今から願いたい。