第6回アジア体操競技選手権男子ポディウムレポート

報告者:

日本
ゆかは各選手無難に演技をまとめており、白井も一本目の後方3回半ひねり~前方2回ひねりは最初の一本は失敗したものの、その後からはしっかりと決めていた。早坂も難度を抑えた構成ではあったが白井の次のポイントゲッターとしての演技を行っていた。
あん馬は早坂の落下があり、その他も田中が終末技で乱れてしまい、ヒヤリとする場面があるなど、全体的に不本意な出来ではあったが、種目別優勝の期待のかかる萱は唯一クリーンな演技をした。
つり輪でも白井、加藤の出来はよくなかったものの、萱、田中、山室、早坂とうまくまとめていた。特に一番最後に今大会の代表入りが決まった山室の力強い演技は、この種目における日本の救世主となるので本番でも期待が高まる。
跳馬は各選手、着手面に炭マを念入りに塗りこみ滑るのが気になる様子であったが、何名か最初のうちは着手で苦労している印象であった。最後の方は着地を全員まとめることが出来た。加藤はロペスを安定して跳んでおり、白井と並んでポイントゲッターになる。白井はシライ/キムヒフンでなかなか立てなかったが最後はしっかりと跳んで、種目別2本目のドリッグスも練習1本で見事に決めた。
平行棒に関しては、各選手ある程度の得点が期待できる種目であり、無難に演技を通していた印象。一つ前の中国の練習が長引いたアクシデントがある中、落ち着いて調整を行っていた。
鉄棒に関しては、通しきるよりも、手放し技の確認や、着地の確認に徹した練習を行い、感覚を掴むところまでしっかりと確認をした印象。
会場内が非常に温度が上がり、コーチ陣すら汗をかく中、後半になればなるほど厳しい条件にはなっていたが、各自のチェックポイントは何とか確認でき、本番に向けて調整を完了させた。内村、長谷川と世界選手権代表が不在ではあるが、その中での日本の層の厚さ、チーム力が試される機会となる。昨年の世界選手権での雪辱を果たすべく、地元開催の今大会でしっかりと勝利を掴みたい。
萱(JPN)
山室(JPN)
白井(JPN)
中国
ゆか
Xiao Ruotengが後方宙返り4回ひねり(シライ/グエン)を実施、第1 タンブリングで使う模様。
Wu Diが前方宙返り3回ひねり(シライ2)~前方宙返りひねりを実施。
その他には目立った技は見受けられなかっ たが、全選手ともゆかのバネにもしっかり順応できているようだった。
あん馬
全選手とも基本となる旋回の質は高いが、 技差履きに若干強引さが目立つ。
しっかり通したのは2人だけ、後の選手は 若干苦労している模様。
Xiao Ruotengは2015中国選手権あん馬のチャンピオン。マジャールシュピンデ ル、ロス、Dコンバインの 後、中盤でブスナリを実施する構成に挑んでいたが通しには至らず。
つり輪
Xiao Ruotengが伸身ルドルフを実施。他には特に目を引く技、組み合わせ、実施は見 られなかった。
今日の練習を見る限り、力の強い選手は1 名、全体として振動倒立など基本的な技の実施に難のある実施が目立った。
跳馬
ロペス2人、ヨーⅡ1人、ドリッグス2 人、この種目ではチーム得点を稼いできそうな練習内容だった。
平行棒
Zhu Xiaodongがリチャード、ドミトリエンコ、バブサー、Ji Lianshenがチホンキフ、Wu Diがツォラキディス、さらにHe Youxiaoがタナカ、ドミトリエンコ、屈身ベーレ、バブサーを入れるなど内容の 濃い構成を組んでいた。
実施も安定しており、跳馬に続きこの種目 でも高いチーム得点が期待される。
鉄棒
Sun Weiがモズニク、エンドー1回ひねり大逆手~伸身イエガー、2015中国選手権鉄 棒チャンピオンのXiao Ruotengがリューキン、アドラーひねり~伸身トカチェフ、モズニク、フェドル チェンコを実施。
Wu Diはエンドー1回ひねり~伸身イエガーを実施。
コールマンやカッシーナを実施する選手は おらず、全員が言ってみれば中国的な構成で臨んでくる模様。
今日の練習を見る限り、ゆか、あん馬、つ り輪は我慢の演技、跳馬、平行棒で得点を稼ぎ、鉄棒を無難にまとめるといった戦略だろうか。
HE(CHN)
ZHU(CHN)
その他
第1班の香港のSHEKが、昨年のアジア大会金メダリストとしての実力を見せ、ドラグレスクなど、高さのある実施を見せて、優勝候補の力を見せていた。ベトナムはNGUYENが、白井と並んで2013年に発表したシライ/グエンを決め、PHAM、DINHといった実力者を擁する平行棒も他の種目と比べて際立っていた。種目別決勝では複数の選手が活躍する予感。韓国はベテランYOOがチームを引っ張っていたが、全体的に元気がなかった印象。昨年のアジア大会で2位に入っているが、ベトナムも今年の東南アジア大会のチーム得点がかなり上がっており、油断が出来ない状態。上位争いのうち、メダル争いも非常に興味深い大会となりそうである。
第1班動画
第2班動画
YOO(KOR)