第45回世界体操競技選手権現地レポート3
現地10月1日、女子1~6班ポディウム練習レポート。
【1班】
いきなりロシアが登場。朝一番の班で、けが人も多く、ベストメンバーが組めていない印象あり。ゆかはテンポ連続から後転とび~後方宙返り系、そしてY字ターンに多くの選手が取り組んでいた。ターンではMUSTAFINA選手もバランスを崩すなど、このあたりの実施が得点に影響しそう。跳馬ではユルチェンコ2回ひねりに取り組むのが最高難度で物足りない感じがする。ただ、トップを争う国として十分期待のできる演技内容かと思う。
カナダは平均台から。最初の班の最初の種目ということでまずは落下せずに乗り切れるかがチーム決勝進出の鍵となるだろう。BLACK選手は平均台で後方宙返り1回ひねり、ゆかで後方宙2回半ひねり~ロンダート~横転とび~後方宙2回ひねりを成功させるなど好調な様子。ゆかと段違い平行棒の終わりで、チームで円陣を組んで掛け声をかけていたのが印象的。
【2班】
2014ヨーロッパ選手権8位のスペインと9位のオランダが登場。スペインは平均台から。エースのPOPA選手を中心に仕上げてきた感じ。カナダ同様、最初の種目で大過失なくチーム得点を稼げるかが決勝進出に不可欠だろう。オランダはゆかから。後ろとびひねり前方2回宙に、積極的に取り組んでいた。振り付けも個性的で十分に練られていた感じを受けた。平均台では側宙連続~開脚前宙、複数のターンの組合せなど、独創的な構成に取り組むなどオランダもチームとしてしっかり仕上げてきた感じ。どちらの国も日本の好敵手になるだろう。アジア大会で2つのメダルを獲得したベトナムのPHAN選手、跳馬で前転とび前宙1回半ひねり、ユルチェンコ2回ひねりを念入りに確認していた。
【3班】
ヨーロッパ選手権6位のスイスは平均台から。エースSTEINGRUBER選手は落下したが、他の選手はミスなく通す。エースと他のメンバーが互いに支えあい、ミスを重ねなければ決勝進出も見えてくる。なお、STEINGRUBER選手はゆかで伸身月面と伸身2回宙、跳馬でチュソビチナを成功させ、跳躍力の強さを示していた。日本で事前合宿をしていたブラジルは跳馬から。難しい技に取り組み選手がなく、しっかり着地を止めてEスコアを伸ばす戦略。ベテランのHYPOLITO選手が中心となり、若い選手を引き上げている発展途上のチーム。若手が自分の実力を果たせば、来年の団体出場権24位以内は確保できるだろう。ロシアから移ったALEXANDROVコーチの手腕にも期待したい。
【4班】
GARCIA選手を中心にメキシコに勢いが感じられる。段違い平行棒では積極的に手放し技に取り組み、平均台でもしっかりポイントを押さえた練習となっていた。GARCIA選手はゆかで、後方伸身2回宙、月面など、高難度タンブリングを実施し、健在ぶりをアピールしていた。跳馬では、チュソビチナとツカハラ2回ひねりを跳んでいる選手もいた。
【5班】
アメリカが平均台から登場。最初から宙返りひねりを入れてくる選手が3名続き、大過失なく、BILES、ROSSにつなげる。非常に強い印象を与える。ゆかも豪快なタンブリングを全選手が構成。SKINNER選手が伸身新月面、BILESの後方伸身2回宙ひねりなど、希少性のある高難度技は非常に見ごたえがある。跳馬は、ユルチェンコ1回ひねりが1名で、それ以外は2回ひねり、2回半ひねり、チェンフェイなど高難度の技ばかり。それも高い完成度で他を寄せ付けない強さを示した。段違い平行棒も力強い動きで圧倒。他国を大きくリードしている感がある。
【6班】
本日最終版においては段違い平行棒から開始したハンガリーがミスはあるもののチームとしてのまとまりある動きだった。平均台では片手倒立から片手の浮腰に持ち込む選手がいた。ウクライナは跳馬においてユルチェンコ1回ひねりを全員が行うなどまとまりをみせたが、とびぬけて力を持った選手は見当たらなかった。ウズベキスタンは平均台からスタートしたが、注目のCHUSOVITINA選手は、練習を行わなかった。ミックスグループゆかの演技で残念ながら脚を負傷し、担架で運ばれた選手が出てしまった。