第52回NHK杯体操・女子2日目~総括

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今日の点数次第で世界選手権、東アジア大会の代表が決定するということで、昨日とはまた違った緊張感の中での試合になった。選手それぞれが昨日の失敗等からきちんと修正をしてきており、最後まで誰が優勝するかわからない見ごたえのある試合になった。そんな中、オリンピック経験者の寺本明日香選手(レジックスポーツ)は持ち前の「失敗しない」精神的な強さを見せ、優勝。
笹田夏実選手(帝京高校)は不調の中で我慢の試合となったが、最後まで全日本チャンピオンの意地を見せた。追う側ではなく、追われる立場を経験した笹田選手、今回のNHK杯で得るものは大きかったのではないか。
村上茉愛選手は(池谷幸雄体操倶楽部)平均台に課題が残った、全日本からNHK杯の4日間となってしまった。オールラウンダーとしてチャンピオンになるためにはなんとか修正が必要になってくるので、次は期待したい。しかしながら、やはり彼女の伸身ダブル、抱え込みルドルフの入った迫力のあるゆかの演技は日本チームとしてはかなり頼もしい存在であるのは間違いない。
今回全日本選手権から劇的な飛躍を遂げたのが井上和香菜選手(水鳥体操館)。全日本はミスに泣いたが、特にNHK杯2日目の出来はすばらしいものであった。少し姿勢欠点が目立つのが気になるところだが、これからしっかりと修正をし、持ち前の脚力を生かして国際の舞台で活躍してほしい。
上位を見るとベテランの美濃部ゆう選手(朝日生命)のような社会人から大学生、高校生、中学生とミックスされた顔ぶれがそろい、選手層が昨年までより少し若くなった印象をうける。今月末に東京体育館で開催される全日本種目別選手権では種目のスペシャリストがどう代表に絡んでくるか、また、杉原愛子選手(羽衣体操クラブ)、松村泰葉選手(中京ジムナスティッククラブ)、土橋ココ選手(レジックスポーツ)や今回NHK杯には出場していない若手選手にも今後注目していきたい。


最終順位
1  寺本明日香(レジックスポーツ) 82.500
2 笹田夏実(帝京高等学校) 82.150
3 村上茉愛(池谷幸雄体操倶楽部) 81.875
4 井上和佳菜(水鳥体操館) 80.525
5 美濃部ゆう(朝日生命) 79.975
6 野田咲くら(朝日生命) 79.925
7 内山由綺(スマイル体操クラブ) 79.100
8 湯元さくら(ならわ体操クラブ) 78.400
9 関口未来(群馬ジュニアスポーツクラブ) 78.100
10 大瀧千波(国士舘大学) 77.550
11 杉原愛子(羽衣体操クラブ) 77.325
12 新竹優子(羽衣国際大学) 76.975
13 松村泰葉(中京ジムナスティッククラブ) 76.800
14 富永ありさ(国士舘大学) 76.750
15 杉村美奈(国士舘大学) 76.525
16 永井美津穂(日本体育大学) 75.675
17 土橋ココ(レジックスポーツ) 74.875
18 小山愛(筑波大学) 74.200
19 長谷部晴子(大阪体育大学) 74.025
20 前田早知子(中京大学) 73.600
21 池尻麻希(日本体育大学) 72.525
22 ダンコ絵里香リン(大阪体育大学) 72.250