第67回全日本体操個人総合女子1日目2班

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Ⅰ班に比べてジュニア選手の比率が高くなり、中学生などの若い選手の顔ぶれが揃う。
中でもジュニアナショナル強化選手の湯元さくら選手(ならわ体操クラブ)は目の使い方など、すばらしい表現力を持っており、さらに、平均台では縦向き浮き腰倒立上がりで強さを見せ、終末技は屈身ダブル。ゆかでは伸身ダブル、3回ひねり、後方1回半ひねり~前方伸身1回ひねり、抱え込みダブル等、大きなアクロバットの実施が印象深いが、その割にダンス系要素の実施が少し弱いかなという印象。
期待の若手だけに平均台の側方抱え込み宙返りでの落下が悔やまれる。
さらに目を引いたのが、杉原愛子選手(羽衣体操クラブ)。
跳馬のユルチェンコ1回ひねりでは、第2空中局面の初めから終わりまでつま先までまっすぐ伸びた美しい伸身姿勢での実施。小柄だが大きさもすばらしく、この跳躍では最高点の13.95を出した。
さらにゆかでは表現力豊かな元気いっぱいの演技。美しい姿勢での後方2回半ひねり~伸身前宙、後方1回半ひねり~前方伸身1回ひねり。最後の3回ひねりでひねり不足かと思われたがなんとか着地でカバー。3回ターンもすばらしい実施で、Ⅰ・Ⅱ班合わせて一番高いDスコア(5.5)で13.75。
137センチと小柄ながら体線を生かした美しく正確な演技が印象的なこれからが楽しみな中学2年生。Ⅱ班終了時点で土橋ココ(レジックスポーツ)、Ⅰ班で演技を終えた永井美津穂選手(日本体育大学)と共に個人総合同点1位に並ぶ。
松村泰葉選手(中京ジムナスティック)も印象に残る選手の一人である。
段違い平行棒の終末技でムスタフィナ(抱え込み2回宙返り1回半ひねり)を実施
する等、攻めた構成で、かつ、美しい姿勢、表現しよう、魅せようとする気持ちが伝わってくる見ていて気持ちの良い演技を行なっていた。跳馬でもユルチェンコ1回ひねりでEスコア8.95を出し杉原選手と並び13.95。
Ⅱ班終了時点で4位タイ(同点1位が3人いるので実際の得点は2位)につけている。
ユニバーシアード組は大瀧千波選手(国士舘大学)が全種目に渡ってDスコアが飛び抜けて高いわけではないが、一つ一つ丁寧な実施でまとめているという印象。
Ⅱ班終了時点でユニバ有資格者の中で2位につけた。
この班の中で特に芸術性の面で印象に残ったのは丸山珠代選手(武庫川女子大学)である。ゆか、平均台に 表情までこだわったすばらしい表現力と個性的な振り付けで「これぞ大学生」といった演技を見せていた。


暫定順位
1位 永井美津穂 52.850
1位 杉原愛子 52.850
1位 土橋ココ 52.850
4位 湯元さくら 52.600
4位 松村泰葉 52.600
6位 大瀧千波 52.350
7位 古賀ほのか 51.350
8位 夏目侑香 51.300
9位 山本夢夏 51.200
10位 寺尾唯 51.150