2013アメリカンカップ現地レポート1

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 2月27日(水)。試合に出場するため、成田空港に男女選手団が集合し、ボストン行き日本航空に乗り込む。日本女子は、鶴見虹子(日体大)が突然の怪我で棄権したため、寺本明日香(レジックスポーツ)のみの参加となった。飛行機は、成田を飛び立ち12時間40分の飛行後、マサチューセッツ州ボストン空港に到着。車でウースター市のヒルトンガーデンインホテルまで1時間の移動。ホテル到着後、休む間もなく地元の体操クラブで練習するため、車で30分の移動。寺本と男子の石川大貴(順大)ともに2時間程度の軽い練習をした。先週、雪が降ったとの事で、町のあちこちにまだ雪が残っていた。気温1度、時差マイナス14時間、この日は、雨が降っており、外気は非常に冷え込んでいた。
 2月28日(木)練習1日目。
女子出場選手の決定
 1、Elisabeth Seitz(GER)
 2、Katelyn Ohashi(USA)
 3、寺本明日香   (日本)
 4、Simone Biles (USA)
 5、Maegan Chant (CAN)
 6、Vanessa Ferrari(ITA)
 7、Victoria Moors (CAN)
 8、Gabrielle Jupp (GBR)
9:30~10:00女子オリエンテーションミーティング
10:30~11:00ウォームアップ
11:00より22分ローテーション練習①イタリア+日本②カナダ③イギリス+ドイツ
④アメリカの各班2名での練習、①組は跳馬から②組段違い③組平均台④ゆかよりの開始。
昼食後、午後の練習
13:00~13:30ウォームアップ
13:30より22分ローテーション、午前の1種目ずれたスタート、日本+イタリアは、跳馬からのスタート。
 寺本は9月に左手を怪我してからの復帰第1戦となる。ルールも改正され、リオ・オリンピックのルールとなって初めての試合でもあり、わからない点もあるが、とにかく試合の感触を取り戻す事が第一の目的である。左手の怪我が大分よくなり、段違い平行棒の練習をやりはじめたのは、1月に入ってからであり、3カ月のブランクは大きく、ロンドンオリンピックの演技にはまだ戻せていない状態である。午後の練習で、段違い平行棒はなんとかリオ・オリンピックルールDスコア5.7の演技ができた。跳馬もユルチェンコ2回ひねりは完全ではないので1回半で行く予定である。平均台は、最高Dスコア6.2だが、毎回シリーズの取れないことが多く、下りも3回ひねりが2回半になったりするので5.6~6.2の間を想定。ゆかは、最高Dスコア5.7だが、これも毎回不安定なところもあって5.5くらいの演技となるであろう。
 アメリカのOhashi選手は、バレリー・リューキンコーチが指導している選手で日系の選手である。脚が強く跳馬ユルチェンコ2回ひねりDスコア―5.8、平均台も高橋洋子審判の話だと最高7点ありそうだという。段違い平行棒は5.9。そしてゆかは、屈身サルト、後方1回半ひねり~前方伸身宙返り2回ひねり、交差輪とび~リープジャンプ1/2、後方屈身2回宙返り、脚を持った2回ターン、リープジャンプ1回ひねり、後方2回半~前方伸身1回ひねりという演技で最高6.0の構成である。日本であればオリンピック代表候補まちがいなしの選手だ。もう一人のアメリカ代表選手も脚が強く、跳馬ユルチェンコ2回半を楽々跳ぶ余裕を見せ、ゆかも新月面や後方伸身2回宙などが入っていて圧倒される。ただ、芸術性の視点では未熟な一面もみられた。