ロンドン五輪レポート19種目別③

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 現地8月7日、種目別決勝最終日(平行棒、鉄棒、平均台、女子ゆか)。日本からの決勝進出者は平行棒の田中佑典、田中和仁。
■平行棒
1番目 ZHANG Chenglong (CHN)
 ホンマ、リチャード(新しく加える)、棒下、棒下1回ひねり倒立外れる、棒下ひねりでバランスを崩し落下、車輪ディアミドフ、車輪、前宙開脚抜き腕支持、ヒーリー、後方屈身2回宙着地動く。
2番目 SABOT Hamilton (FRA)
 棒下単棒倒立静止~単棒ヒーリー、棒下ひねり少しバランス乱れる、棒下、ドミトリエンコ、ヒーリー、車輪、モイ、チッペルト、後方屈身2回宙着地前にとぶ。全体的に姿勢欠点あり。
3番目 FENG Zhe (CHN)
 ドミトリエンコ、屈身モリスエ、棒下ひねり、棒下1回ひねり、棒下、前宙開脚抜き支持(支持姿勢が低くなるがこらえる)、ヒーリー、車輪、屈身ベーレ、後方屈身2回宙着地止める。ところどころで小さな足割れ。
4番目 NGUYEN Marcel (GER)
 逆上がり、棒下1回ひねり、棒下ひねり、車輪ディアミドフ、車輪、ベーレ、ツイスト、ドミトリエンコ、ヒーリー、月面着地弾む。数か所足割れあり。
5番目 CORRAL BARRON Daniel (MEX)
 ホンマ、棒下ひねり、棒下肘曲がり、ディアミドフ手をずらす、車輪、ベーレ、チッペルト支持から懸垂バータッチ、チッペルト、ヒーリー、前方かかえ込み2回宙着地止める。
6番目 TSOLAKIDIS Vasileios (GRE)
 け上がりカット、ツォラキディス2、棒下、リチャード、ツォラキディス、ヒーリーひじが曲がる、前方屈身2回宙腕支持少し小さくなる、ディアミドフ、後方屈身2回宙着地小さく1歩。
7番目 田中和仁(JPN)
 前振り開脚抜き、棒下ひねり、棒下1回ひねり、ドミトリエンコ少し小さくなる、棒下左手を握り損ねるが修正、屈身ベーレ、モリスエ、ツイスト、ピータース、閉脚上がり、後方屈身2回宙着地を止める。
8番目 田中佑典(JPN)
 ホンマ、棒下ひねり、棒下1回ひねり、棒下ひじを曲げる、車輪バランスを崩し手をずらす、ピータース、閉脚上がり、ヒーリー、ツイスト、後方屈身2回宙着地大きく前に1歩。
9番目 GARIBOV Emin (RUS)
 ホンマ、棒下、棒下単棒倒立静止、棒下ひねり、車輪、チッペルト、ヒーリー~前宙開脚抜き腕支持、ツイスト、後方屈身2回宙後ろにとぶ。
 種目別の争いは、大きくなくとも明らかな技術的なミスを出したか出さなかったかの差によって導かれた。田中兄弟はともにメダルのチャンスがあったものの、それを出してメダルに届かなかった。なお、8位が同点でタイブレイク規則によっても分けられなかったZHANG(CHN)はE難度のリチャードを新たに加えてミスを出したが、SABOT(FRA)は丁寧な演技で行い、銅メダルを獲得した。
■平均台
1番目 SUI Lu (CHN)
 屈身前宙、コルブト、グリゴラス着地止める、交差輪とび、開脚前宙~後転とび~後方屈身宙着地1歩動く、片足水平あげターン、かかえ込み側宙、羊とび、交差とび~後方宙、ロンダート~後方屈身2回宙着地1歩。着地をしっかり止め切り
2番目 PONOR Catalina (ROU)
 交差輪とび、片足上2回ターンさらにひねりが加わりバランスを崩しかけるが修正、オノディ~後転とび~後方閉脚宙、開脚前宙~後転とび~後方開脚伸身宙、交差とび~コチェトコワ大きくバランスを崩しかけるが持ちこたえる、ロンダート~月面着地で大きく動く。
3番目 DENG Linlin (CHN)
 前宙、後転とび連続~閉脚伸身宙~コルブト、交差とび、交差輪とび、開脚前宙~屈身コルブト、かかえ込み側宙、羊とび~後方宙、後転とび連続~後方屈身2回宙着地1歩、SUIとともに台上での着地を見事に決める。
4番目 IORDACHE Larisa Andreea (ROU)
 後転とび~後方宙返り1回ひねりバランスを崩しこらえるが落下、片足上2回ターン、開脚前宙~後方宙、開脚前宙両足着台~後方屈身宙、交差とび、かかえ込み側宙、ロンダート~後転とび~後方宙3回ひねり着地で弾む。
5番目 AFANASEVA Kseniia (RUS)
 手支持なしロンダートバランスを崩しかけるがすぐに修正、開脚前宙~後転とび~後方屈身宙、交差とび1回ひねり、交差とび、オノディ~かかえ込み側宙、片足水平あげターン~片足上1回ターン、ロンダート~後方かかえ込み2回宙足開きと着地後ろに大きくとぶ。 
6番目 DOUGLAS Gabrielle (USA)
 開脚前宙(途切れる)、後転とび~後方開脚宙、後方宙1回ひねり右足を大きく上げバランスを保つ、交差とび~後方宙、交差とびひねりで足を踏み外して落下、前宙、後転とび連続~後方屈身2回宙着地少し弾む。
7番目 KOMOVA Victoria (RUS)
 片足水平あげターン途中でバランスを崩す、開脚前宙~後方宙~羊とび(少し流れが途切れる)、後転とび~後方開脚宙、後ろとびひねり前宙、前宙で落下、かかえ込み側宙、後転とび連続~パターソンで尻もち。
8番目 RAISMAN Alexandra (USA)
 前宙、閉脚後転とび~閉脚後方伸身宙、屈身前宙バランスを崩しかけるがすぐ修正、後方開脚宙、交差とびひねり~後方屈身宙、側宙ひねり、交差とび~後方宙、片足水平あげターン、ロンダート~パターソン前に大きくとぶ。
 落下した選手が3名と荒れた試合展開。アップなしという種目別決勝特有の緊張感の中、正確な演技を堂々と実施した中国の2選手がメダルを獲得。なお、最後のRAISMANの得点が表示され、順位が映し出されてから得点照会がアメリカチームから出され、Dスコアが0.1アップに修正しされ、4位から3位へ。RAISMANが銅メダルを獲得し、一度、3位と表示されていたPONORは4位となりメダルを逃した。
■鉄棒
1番目 LEYVA Danell (USA)
 アドラー1回ひねり~ヤマワキ、リューキン、伸身コバチ、アドラーひねり少しぶれる~伸身トカチェフ、アドラーとび持ち換え、エンドー1回ひねり大逆手、伸身新月面右足大きく後ろに1歩。
2番目 ZHANG Chenglong (CHN)
 伸身トカチェフ~リバルコ、アドラーひねり~伸身トカチェフひねり、アドラー1回ひねり両逆手~ヤマワキ腰曲がり、シュタルダー1回半ひねり大逆手少し握り損ねるが修正、エンドー1回ひねり大逆手~伸身イエガー、伸身新月面着地動く。
3番目 GARIBOV Emin (RUS)
 伸身トカチェフ少し遠くなるが懸垂~リバルコ、アドラーひねり~屈身トカチェフひねり、アドラー1回ひねりで倒立戻る、ヤマワキ、シュタルダー1回半ひねり大逆手、エンドー1回ひねり大逆手、アドラー、伸身新月面着地前に動く。
4番目 ZOU Kai (CHN)
 アドラーひねり~伸身トカチェフ~リバルコ~伸身イエガー、シュタルダー1回半ひねり大逆手、エンドー1回ひねり~ヴィンクラー、アドラー1回ひねり両逆手流れ止まりかける~ヤマワキ腰曲がり、伸身新月面着地動く。
5番目 HAMBUCHEN Fabian (GER)
 アドラーひねり、コールマン、伸身トカチェフ~リバルコ~ヴィンクラー、シュタルダー1回半ひねり大逆手、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、ホップターン、伸身新月前にとぶ。着地以外は非常にスピード感ある素晴らしい実施。
6番目 ZONDERLAND Epke (NED)
 エンドー1回ひねり大逆手、カッシーナ~コバチ~コールマン独創的で迫力のある手放し技連続を決める!、シュタルダー1回半ひねり大逆手、アドラーひねり~伸身ゲイロード2、アドラー1回ひねり両逆手、伸身新月面着地止める。会場大歓声。
7番目 HORTON Jonathan (USA)
 ツォリミン、カッシーナ、伸身コバチ、コールマン、リバルコ片大逆手、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、シュタルダー、片手車輪、伸身新月面着地数歩動く。
8番目 KIM Jihoon (KOR)
 エンドー1回ひねり大逆手、コールマン、コバチ、後方とび車輪2回ひねり、リバルコ~伸身イエガー、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、ホップターン、伸身新月面着地で前に数歩動いて乱れる。
 平均台とは異なり落下のないしまった戦いに。この規則最後のビッグイベントとしてはハイレベルな戦いで、上位選手はDスコア8点に近づく見ごたえのある内容だった。姿勢欠点のあることを承知で高い難度を目指す方向性がいいのかわからないが少なくとも本日もっとも会場が盛り上がった演技は優勝したZONDERLAND選手のものだった。
■女子ゆか
1番目 AFANASEVA Kseniia (RUS)
 後方伸身2回宙数歩小さく動きライン減点、テンポ連続~後転とび~後方宙3回ひねり、ターン、後方宙1回半ひねり~前宙1回ひねり前に出てライン減点、後方屈身2回宙着地まとめる。 
2番目 WIEBER Jordyn (USA)
 新月面、後方宙1回半ひねり~ロンダート~後転とび~後方宙3回ひねり~鹿とびライン減点、3回ターン傾く、後方宙2回半ひねり~ジャンプ、交差とび1回半ひねり着地で乱れる、後方屈身2回宙着地動く。
3番目 RAISMAN Alexandra (USA)
 後方宙1回半ひねり~ロンダート~後転とび~後ろとびひねり前方2回宙~伸身前宙ようやく成功、後ろとびひねり前方屈身2回宙~ジャンプ、後方宙3回ひねり着地足開き、後方屈身2回宙~ジャンプ大きさ表現。
4番目 PONOR Catalina (ROU)
 伸身2回宙着地止める、テンポ連続~後転とび~屈身月面~後方宙少し流れが途切れるが新しい取り組み、片足上4回ターン少し傾く、後方宙3回ひねり着地まとめる、後方屈身2回宙着地止める。
5番目 MITCHELL Lauren (AUS)
 テンポ~後ろとびひねり前方2回宙~鹿とび少しけりが抜けたがうまくまとめる、屈身月面~ジャンプ小さくなる、コサックターン、交差とび1回半ひねり着地少し動く、後方宙2回半ひねり~伸身前宙高さなく後ろに、後方屈身2回宙~ジャンプまとめる。
6番目 FERRARI Vanessa (ITA)
 新月面右に少しとぶ、月面~後方宙少し流れが止まる、後方宙1回半ひねり~前宙1回ひねりわずかに動く、交差輪とび、交差とび1回半ひねり、後方屈身2回宙着地動く。
7番目 MUSTAFINA Aliya (RUS)
 後ろとびひねり前方2回宙~鹿とび高さ出せず、後方宙2回半ひねり~前宙1回ひねり着地止める、Y字2回ターン、後方かかえ込み2回宙着地動く、後方宙3回ひねり着地1歩。
8番目 IZBASA Sandra Raluca (ROU)
 屈身月面着地止める、後方宙1回半ひねり~ロンダート~後転とび~後方宙3回ひねり~鹿とび、雄大な交差とび1回半ひねり、足を前に水平に保つ2回ターン軸足が途中で動く、月面次に宙返り行けず、後方宙2回半ひねりけりがうまくいかず、前宙ひねりで崩れながら両手両膝をつく転倒。
 Eスコアの高い順に順位が決まった。Dスコアは抜きにしてこの序列になることは、見ている関係者にとってもわかりやすく納得ができる。女子は平均台といい、ゆかでもミスがでていた。しかし、けがから復帰した選手がトップレベルの演技を見せてくれたこと以上に、改めて高いレベルで戦っている選手に対する身体への負担を気にせざるをえない。