ロンドン五輪レポート11男子団体決勝

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 現地7月30日、男子団体決勝スタート。決勝進出はUSA/RUS/GBR/GER/JPN/CHN/UKR/FRAの8カ国。
■第1ローテ前半
ゆかアメリカ、緊張が見られる中、MIKULAKが後方宙3回ひねりで手をついてしまうミス。予選1位のスタート種目でまさかの失速。
あん馬イギリス、昨日失敗したPURVISが通し、流れがいい。
つり輪日本、内村がまとめ、田中佑、山室ともに着地を止めて流れを作る。
跳馬ウクライナ、予選チーム得点1位の種目がスタート。Dスコア7.0二人が得点を稼ぐ。
■第1ローテ後半
ゆかロシア、素晴らしい集中力で最初の種目を乗り切る。
あん馬ドイツ、倒立技で手を前に動かす、下りがC難度になる、2番手BOYが落下するなどスタートで出遅れる。
つり輪中国、緊張感漂う中、世界チャンピオンのCHENにつなげる。
跳馬フランス、TOMMASONEがローウンで手をつくミス。
■第2ローテ前半
あん馬ロシア、2番手BELYAVSKIYが下りで崩れ、下りなしに。
つり輪ドイツ、HAMBUCHENが素晴らしい演技であん馬の流れを払しょく。
跳馬中国、ドリッグス、ロペス、ロペスの跳躍をまとめる。
平行棒フランス、大きく着地で後ろに数歩動くなどしたが、最後のSABOTがいい演技をする。
■第2ローテ後半
あん馬アメリカ、LEYVAが転向で落下、MIKULAKはその失敗を補う演技をしたが、OROZCOがフロップで馬体に座り下りがB難度になる。
つり輪イギリス、OLDHAMが振動倒立でひじを曲げ、着地で数歩前に。緊張の中、後続はまとめる。
跳馬日本、内村シューフェルト、加藤ドリッグスをまとめる。山室跳躍や着手でミスし、ロペスができずアカピアン(ローウン)になり前のめりにつぶれる。
平行棒ウクライナ、STEPKO棒下で倒立にあがらず、前宙開脚抜き支持で支持できず。後続は演技をまとめる。
■第3ローテ前半
つり輪アメリカ、元気はないが大きなミスなく乗り切り、気持ちの切り換えを図る。
跳馬イギリス、THOMASが屈身メリサニディスの着地を見事に決め、16.550の高得点をマーク。
平行棒日本、田中佑、田中和、内村と着地は止められなかったが、大過失なく乗り切る。
鉄棒ウクライナ、足割れなどの乱れもあるが、コールマンなど手放し技を成功させ、大過失なく乗り切る。
■第3ローテ後半
つり輪ロシア、ケーブルが揺れるシーンもあったが、BALANDINが力強い演技でけん引。
跳馬ドイツ、BOYがローチェで数歩、HAMBUCHENはシューフェルトでライン減点をして得点を伸ばせず。
平行棒中国、集中した非常に丁寧な演技。予選で失敗したGUOが素晴らしい演技で着地も止める。
鉄棒フランス、演技の難易度、実施の質ともに高くないが大過失なく乗り切る。
■第4ローテ前半
跳馬ロシア、1番手PAKHOMENKOがドリッグスで尻もち。ABLYAZINが屈身ツカハラ宙返りで着地を止めて盛り返す。
平行棒ドイツ、KRIMMERがディアミドフで乱れるが、HAMBUCHENとNGUYENが大過失なく演技する。
鉄棒中国、緊張感漂う中、平行棒に引き続き、大きなミスなく演技。ZOU Kai最後の伸身新月面の着地を止め、流れが中国に。
ゆかフランス、豪快なタンブリング技などないが、旋回技などを含めて堅実にまとめる。
■第4ローテ後半
跳馬アメリカ、OROZCOが前転とび前方伸身宙2回ひねりで尻もち
平行棒イギリス、それぞれ緊張した面持ちで完璧とはいえないが、観客の大声援を受けて大きなミスなく得点を加えていく。
鉄棒日本、田中和、アドラー1回ひねりで力を使うが持ちこたえて最後の伸身新月面の着地を止める。田中佑、その流れでコールマン~リバルコを決め、着地をまとめ、内村につなげる。内村も落下せずに通す。
ゆかウクライナ、失敗のないように丁寧な演技で終える。NAKONECHNYIは終末技を後方宙2回ひねり(C難度)で着地を止めた。
■第5ローテ前半
平行棒アメリカ、それぞれ選手全員、開き直っていい演技を繰り出す。
鉄棒イギリス、2番手のOLDHAMがトカチェフひねりで落下したが、PURVISとTHOMASはいい演技で大歓声にこたえる。
ゆか日本、1番手の田中和が後方宙2回半ひねり~前宙1回ひねりでよろけて左手で床を支えるミス。加藤、いい流れで最後の後方宙3回ひねりの着地を止める。内村、前宙2回半ひねりと後方宙3回ひねりの着地を決め切れなかったが、あとはしっかりした演技。
あん馬ウクライナ、全員が堅実で非常にしまった演技で流れを作る。
■第5ローテ後半
平行棒ロシア、倒立の収めや振動倒立でのリズムなど実施面でのマイナスもあったが大きなミスなく終えて最終種目へ。
鉄棒ドイツ、最初のBOYが手放し技で落下したが、NGUYENとHAMBUCHENが着地こそ止めきれなかったが、まとめる。
ゆか中国、ひとつひとつの技の着地をしっかり止めようとする意識が現れた実施。ZOU Kaiも丁寧な演技でチームを盛り上げる。
あん馬フランス、しっかりした堅実な演技でTOMMASONEにつなげる。
■第6ローテ前半
鉄棒ロシア、2番手のPAKHOMENKOがエンドー1回ひねりで振れ戻る。
ゆかドイツBOY、NGUYEN、HAMBUCHENがそれぞれ着地を決め切れなかったが、演技をまとめる。
あん馬中国、予選で失敗が続いていた種目だが、緊張感を保ちながら丁寧に旋回を繰り返し、落下することなく演技を終える。
つり輪フランス、堅実な演技を繰り返す。
■第6ローテ後半
鉄棒アメリカ、HORTONがアドラー1回ひねりからの連続ができない等、構成面で変更した部分はあるが、着地を決める。OROZCO、LEYVAともに実力を出し切る。
ゆかイギリス、WHITLOCKが後方宙3回半ひねり~前宙1回ひねりでライン減点となるが、大過失なく演技を終える。大歓声を背に受け、PURVIS、THOMASともに堅実な演技で最後を飾る。
あん馬日本、山室にかわって田中和がトップで急きょ出場、フロップの途中で落下。フロップをやり直してE難度を獲得し、演技を最後までやり遂げる。緊張の中でも加藤が演技を通す。最後の内村の演技、前半は安定した演技だったが、最後の終末技でバランスを崩す。審判員の判定は終末技を全く認めないものだったが、その後、質問書をFIG技術委員長に提出して終末技の難度が認められた。
つり輪ウクライナ、しまった演技を展開。RADIVILOVが最後の演技者として、静止不足の部分もあったが、演技をまとめる。
内村のあん馬の得点が最初に表示された際は、1位中国、2位イギリス、3位ウクライナ、そして4位日本となっており、場内は騒然となったが、前述した質問書によるIRCOS(インスタント・リプレイ・コントロール・システム)によって得点が修正され、日本は最終的に銀メダルを獲得することになった。
期待された金メダル獲得を達成できなかったが、身体にもっとも負担のかかる難しい演技構成で全種目を演じきった内村、そして失敗しても最後まであきらめずに戦った選手とスタッフに対してまずは労いの言葉を贈りたい。