第8回フューチャーカップ報告
●派遣期日 2011年11月23日(水)~11月28日(月)
●大会会場 オーストリア・リンツ Tips Arena Linz
●スタッフ
監督 小倉雅昭(強化部員・四天王寺スポーツクラブ)
コーチ 池ノ谷力(高島平体操教室)、木下紘一郎(健伸スポーツクラブ)、神埼俊(フジスポーツクラブ)
●参加選手
松見一希(四天王寺スポーツクラブ)
横田拓也(高島平体操教室)
谷川翔(健伸スポーツクラブ)
鈴木海斗(フジスポーツクラブ)
●大会概要
出場グループ
AgeGroup1(1994~1994生れ)→松見一希
AgeGroup2(1995~1996生れ)→横田拓也
AgeGroup3(1997~Younger)→谷川翔・鈴木海斗
3つのグループの点数を合わせた得点で団体総合の順位を決定(グループの中に2名出場している場合は良い方の点数が採用される)
ルール
3つのグループともユースルール
跳馬の高さ
AgeGroup 1・2→135㎝
AgeGroup 3 →125㎝
器具
SPIETH
●大会レポート
<11月23日(水)>1日目移動
昼12時に成田空港を出発し、ウィーンでの乗り継ぎを含め14時間かけてリンツ空港に到着した。明日からの行程にそなえ夕食を摂った後、早々に就寝した。
<11月24日(木)>2日目サブ会場練習
サブ会場練習を9:00~12:30まで行った。選手達は、日本であまり練習した事の無いSPIETHの器具にもすぐに慣れ、調子がよさそうに感じられた。しかしながら、反発力の少ないゆかだけは、全員苦労していたが、なんとか対応する事ができた。午後からの練習を行う事も考えられたが、調子が良かった事と、疲労を蓄積しない為に休むことにした。
<11月25日(金)>3日目試合会場練習
午前は2時間程度サブ会場で身体を動かした。その後昼食を宿舎で早めに摂り、午後から試合会場であるTipsArenaLintで練習を行った。始めて使うこの会場は、室内陸上競技場でタータントラックの上に器具が設置されていた。サブ会場のゆかより、本会場のゆかの方が反発力があり、選手達の順調な仕上がりが感じられた。
<11月26日(土)>4日目試合
午前中は、宿舎周辺と宿舎でウォーミングアップを行い、少し早めに昼食を摂り、午後からの試合に備えた。日本チームは第2グループの出場で、会場練習が13:15~14:45まで、試合は15:00~17:30であった。全ての器具を昨年団体優勝のイギリスと回り、ゆかからのスタートで、2分アップの後、試技開始。日本チームが終わると、イギリスチームがアップを行い試技の形で試合が進行された。
◆第1ローテーション(ゆか)
第1演技者→鈴木海斗:前宙~前宙1回ひねりも無難にこなしラストは後方2回ひねり。D4.2/13.00
第2演技者→谷川翔:前方2回ひねりは着地を決めるが、ラストの後方2回半ひねりで大きく動きラインオーバーD4.7/13.20
第3演技者→横田拓也:後方宙~後方半ひねり~前方半ひねり後方1回半~前方1回ひねりと全て着地をきめる。ラストの後方2回ひねりだけ一歩動くが素晴らしい出来であった。D4.6/13.95
第4演技者→松見一希:前方2回ひねり後方2回半ひねりラスト2回ひねり全て着地一歩動くD4.6/13.30
◆第2ローテーション(あん馬)
第1演技者→鈴木海斗:前移動は成功するが、その後3回停滞してしまう。D3.1/8.25
第2演技者→谷川翔:なぜか、始めの外向き旋回で落下してしまうが、その後はシバド移動も倒立下りもまとめる。D4.0/11.00
第3演技者→横田拓也:マジャール移動は成功させるが、1回落下し下りでも足をぶつけてしまう。D4.0/10.95
第4演技者→松見一希:シバド移動、前移動、逆リア倒立下りを無難に実施する。D4.3/13.35
◆第3ローテーション(つり輪)
第1演技者→鈴木海斗:6年生なので、静止不足、肘の曲がりはあったが、伸身ダブルはまとめる。D2.3/10.15
第2演技者→谷川翔:振り上がり開脚上水平、伸腕倒立、と無難にまとめ伸身ダブルも半歩でまとめる素晴らしい出来であった。D4.1/13.20
第3演技者→横田拓也:ヤマワキは成功させるがホンマからの浮き腰で停滞してしまう。D3.8/11.20
第4演技者→松見一希:ジョナサンからのヤマワキで停滞しかけるが、着地は半歩でまとめる。D4.7/13.45
◆第4ローテーション(跳馬)
第1演技者→鈴木海斗:伸身ツカハラで着地を止める素晴らしい出来であった。D4.6/13.60
第2演技者→谷川翔:伸身ツカハラで後ろに一歩。D4.6/13.40
第3演技者→横田拓也:屈身ツカハラで着地をとめる素晴らしい出来であった。D4.0/13.35
第4演技者→松見一希:伸身カサマツで前に一歩動く。D5.4/14.35
◆第5ローテーション(平行棒)
第1演技者→鈴木海斗:チッペルト、車輪、ツイスト、ラストの後方2回宙返りで二歩動く。D3.8/12.30
第2演技者→谷川翔:モイ、車輪、ツイスト、デアミ、後方2回宙返りで一歩動く。D3.9/12.65
第3演技者→横田拓也:棒下宙返り、モイ、チッペルト、デアミ、車輪、後方2回宙返りで一歩動く。D4.7/12.80
第4演技者→松見一希:車輪、チッペルト、モイ、ツイスト、デアミ、後方屈身2回宙返りで一歩動く。D4.8/13.70
◆第6ローテーション(鉄棒)
第1演技者→鈴木海斗:アドラー、エンドー、と無難にまとめ、着地も止める。D2.6/11.95
第2演技者→谷川翔:アドラー、エンドー、と無難にまとめ、伸身サルトで着地一歩動く。D3.6/12.70
第3演技者→横田拓也:ボローニンからの倒立移行の持ち込みで危なかったが、下りの伸身ダブルの着地を止める。D3.9/12.60
第4演技者→松見一希:ボローニン、アドラー、エンドー、伸身サルトで小さく一歩動く。D4.2/13.20
◆総評
毎年の事ではあるが、諸外国の上位チームと日本チームのエントリーが、各エッジグループとも2~4才の年齢差があった。その為、体の大きさが違い、大人と子供が試合をしている様で、身体的な能力の差を、圧倒的に感じながらの試合となった。そのような状況で、個人総合は、グループ1の松見選手が優勝、グループ2の横田選手は6位入賞、グループ3の谷川選手は5位入賞であった。鈴木選手は、入賞は出来なかったものの、最年少の6年生にも関わらず、全ての種目で緊張する1番手を務め、堂々と演技し団体2位に貢献する活躍をした。
今回のフューチャーカップで感じた事は、諸外国の、特に上位チームのあん馬の旋回が良くなっていたことだと思う。力でねじ伏せるのでは無く、遠心力で身体を伸ばし、フロップやコンバインを安定して実施している選手が増えた様に感じた。選手達には、本大会で感じ学んだことを活かし、将来の日本代表選手として成長してくれることを願いたい。
最後に、このような貴重な機会を提供していただいた日本体操協会、並びに関係者の皆様に心から感謝を申し上げ、本大会の報告とする。