2011世界体操選手権男子予選第8班レポート
中国はゆかからスタート、一番手のCHEN YIBINGはかかえこみ月面宙返りから入り、中水平~十字倒立(D)、前方かかえ混み宙返り転、前方宙返り1回ひねり~前方宙返りひねり、中水平、フェドルチェンコ、十字倒立、側方伸身宙返り、後方宙返り2回半ひねりという自身の特性を活かした演技構成。終末技の着地で前に大きく1歩動き14.100。
TENG HAIBINは、前方宙返り2回ひねり~前方宙返りひねり、後方宙返り1回半ひねり~前方宙返り1回ひねり、開脚旋回360度シュピンデル倒立~ゴゴラーゼ、脚上挙~倒立、側方宙返り1回ひねり、後方宙返り2回ひねり、かかえこみ月面宙返りという演技構成。終末技の着地で膝・手を着くミスが出て14.100。
ZHAN CHENGLONGは、後方宙返り1回半ひねり~前方宙返り2回半ひねり、前方宙返り1回半ひねり~前方宙返り1回ひねり、ツルバノフ、テンポ~伸身ニシキイ、後方宙返り3回ひねりという演技構成、丁寧な演技実施だったが終末技の着地で少しはずむ。得点は15.166。
ZOU KAIは、伸身ルドルフ、後方宙返り1回半ひねり~バンローン、前方宙返り2回ひねり~前方宙返り1回ひねり、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返り1回半ひねり、フェドルチェンコ、テンポ~ツルバノフ、かかえこみルドルフという内容の濃い演技構成ほとんどの着地を止め、15.700のこの種目暫定1位の得点を獲得。
FENG ZHEは入りの伸身月面を止め、前方宙返り2回ひねり~前方宙返り1回ひねり、後方宙返り1回半ひねり~前方宙返りひねり、伸身ニシキイ、フェドルチェンコ、十字倒立、前方かかえこみ宙返り転まで順調に演じたが、最後のかかえこみ月面宙返りの着地が大きくはじかれ、14.383にとどまる。
あん馬の1番手CHEN YIBINGは正交差倒立から入ったが倒立が上がりきらず、その後、ポメル旋回、ウーグォニアン、ロス、フェドルチェンコ、マジャール、シバド、シュテクリA倒立ひねり移動下りまで無難に通したが、得点は13.500。
GUO WEIYANGは、正交差倒立、逆交差倒立、コンバイン、Dコンバイン、マジャールシュピンデル、フェドルチェンコ、マジャール、シバド、Eフロップ、ポメル旋回、シュテクリA倒立ひねり移動下りというDスコア6.40の演技構成だったが、コンバインで落下し14.033にとどまる。
ZHAN CHENGLONGは、逆交差倒立、Eフロップ、Dコンバイン、フェドルチェンコ 、マジャール、シバド、ポメル旋回、シュテクリA倒立ひねり移動下りという演技構成、無難に通したが13.366にとどまる。
TENG HAIBINは、マジャールシュピンデル、ウーグォニアン、Eコンバイン、フェドルチェンコ、マジャール、シバド、Eフロップ、正交差ひねり、ポメル旋回、シュテクリA倒立ひねり移動下りというDスコア6.40の演技構成で実施も良く15.300を獲得。
ZOU KAIは、Dコンバイン、ウーグォニアン、マジャールバランスを崩す、シバドバランスを崩し姿勢を崩す、Eフロップ、下向き720度転向、正交差ひねり、ポメル旋回、シュテクリA倒立ひねり移動下りで13.166
つり輪の1番手FENG ZHEは、けあがり十字懸垂~中水平、ナカヤマ、ヤマワキ連続、伸身月面宙返りという演技構成で14.233。
GUO WEIYANGは、振り上がり中水平、ホンマ十字懸垂~中水平、ナカヤマ、伸身ヤマワキ~屈身ヤマワキ、振り上がり開脚上水平、伸身月面宙返りという演技構成で14.466。
TENG HAIBIは振り上がり中水平は良かったが、続くホンマ十字懸垂~中水平のホンマが上がりすぎのように見えた、その後はヤマワキ連続、伸身グチョギー、伸身月面宙返り下りを行ったが、後半の振動倒立で肘をゆるめて調整するなどの減点もあり、得点は14.133。
得点が伸び悩む中、この種目の王者CHEN YIBINGは貫禄の演技を見せた。
アザリアン~中水平~十字倒立、屈身ヤマワキ、振り上がり上水平、ホンマ十字懸垂~十字倒立、振り上がり中水平、伸身月面宙返り下りという内容の濃い演技構成で実施も素晴らしく、15.700の最高点を獲得。
跳馬は1番手TENG HAIBINがアカピアン、美しく正確な跳越で着地は両足で後ろに小さく1歩、15.600。
ZOU KAIはドリッグス、若干ひねり不足気味だったがほぼ着地を止め、16.066。
CHEN YIBINGもドリッグス、着地で左に大きく動き-0.30のラインオーバーもあり、15.333.
ZHAN CHENGLONGはロペス、低い着地姿勢になったが両足をずらす程度の着地に押さえる、16.300
FENG ZHEもロペス、跳越自体はZHANより良かったが後ろに大きく1歩、16.333。
平行棒
ZOU KAIは、前振り上がり開脚抜き倒立、チッペルト、ヒーリー、ディアミドフ、棒上宙返り、屈身2回宙返り下り。無難にまとめたがDスコアが4.80と低く、13.266。
GUO WEIYANGは、前振り上がり開脚抜き倒立、棒下宙返りひねり、棒下宙返り、屈身ベーレ、車輪、チッペルト、ヒーリー、ツイスト、開脚前宙、屈身2回宙返り下り止める、15.241。
ZHAN CHENGLONGは、ホンマ、棒下宙返り1回ひねり、棒下宙返り、棒下宙返りひねり、車輪ディアミドフ、車輪、ディアミドフ、開脚前宙、ヒーリー、屈身2回宙返り下り、大柄な身体を十分にコントロールした安定した演技実施で15.400を獲得。
TENG HAIBINは、屈身モリスエ、棒下宙返りひねり、棒下宙返り、車輪1回ひねり、屈身ベーレ、チッペルト、ヒーリー、開脚前宙、屈身2回宙返り下りという演技構成でほぼ完璧な演技実施に見えたがチッペルトでバータッチがあったようで、得点は15.100と思ったほど伸びなかった。
FENG ZHEは、ドミトリエンコ、モリスエ、棒下宙返りひねり、棒下宙返り、棒下宙返り1回ひねり、開脚前宙、ヒーリー、車輪、屈身ベーレ、屈身2回宙返り下りという演技構成でほぼ完璧な演技実施、着地も止め15.508。
鉄棒の1番手GUO WEIYANGはアドラー1回ひねり~ヤマワキ、シュタルダー1回ひねり大逆手、アドラーひねり~伸身トカチェフ、エンドー1回ひねり大逆手、ここまでは順調に演技をこなしてきたが終末の伸身ルドルフで前のめりの着地になり両手をつき、13.766。
TENG HAIBINは、アドラーひねりで戻ってしまい、うまくひねって演技をつなげ、その後は伸身トカチェフ、シュタルダー1回半ひねり片大逆手、アドラー1回ひねり(逆手)~ヤマワキ、シュタルダー1回ひねり片大逆手、エンドー1回ひねり大逆手、伸身ルドルフという内容着地まで止めたが、最初のミスが響き13.533。
ロッテルダム大会におけるこの種目のチャンピオンZHAN CHENGLONGは、最初の伸身トカチェフ~リバルコの予定がホップターン片大逆手になってしまい、伸身イエガーも抜ける演技構成になってしまった。その後のアドラー1回ひねり~ヤマワキ、アドラーひねり~開脚モズニク、エンドー1回ひねり大逆手は成功させ、伸身ルドルフの着地も止め、ガッツポーが出たが、全体的に荒い演技実施も減点対象となったようで15.133と得点を伸ばせなかった。
ZOU KAIは、アドラーひねり~伸身トカチェフ、リバルコ、シュルダー1回半ひねり片大逆手、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、シュタルダー1回ひねり大逆手、エンドー1回ひねり大逆手~伸身イエガー、伸身ルドルフというDスコア7.30の演技構成で無難に通した着地も止めたが、今回の鉄棒採点の傾向である細かな減点が厳しく行われたらしく15.166にとどまった。
FENG ZHEも、アドラーひねり~伸身トカチェフ、シュタルダー1回半ひねり片大逆手、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、ホップターン、ホップターンひねり片大逆手、伸身ルドルフという演技構成でミスなく演じたが、14.433。
前述したとおり、今大会の鉄棒は角度、姿勢など採点規則に忠実に非常に厳格に減点がなされているようである、この傾向が決勝でも継承されれば日本にとっては有利に働くものと思われる。
中国のチーム得点はアメリカに届かず、359.126で3位。日本は中国に5.165、2位アメリカに2.700の大差をつける364.291で予選をトップ通過した。
韓国はあん馬からのスタート。最初の二人にあん馬得意のKIM Soo MyungとKIM Ji Hoonが演技をして、KIM Soo MyungはEフロップ、Dコンバイン、ウゴーニャン、下向き転向720度と最初に続け、KIM Ji Hoonも同じ入りでそれぞれ14.800と14.633をマーク。この後、HAがEコンバインを入れて、ウゴーニャンのところで大きく足が乱れて、更に最後のシュテクリA倒立ひねり下りでも完全にバランスを失いながら着地。しかし、何とかEスコアを8.333に保ち、14.633とした。最後のCHOIは下向き転向で落下したが、トップ4は14点台中盤で揃えて、チーム得点としても58点越えを果たした。
つり輪でもKIM Soo Myungがトップで、力技の難度が足らず、Dスコアが高くなかったが14.125とまずまずのスタート。その後、YANGは、Dスコアは上げたものの十字倒立などでやや減点があり、KIM Seung Ilは伸身ヤマワキの実施でスムーズにいかず、点数が伸びなかった。CHOIで何とか14.566まで上げたものの、最後のHAはほん転で乱れて14.133に留まった。
跳馬になると、3人は6.2の跳躍技で15点台中盤に留まったが、跳馬得意のYANGがKOREA CUPで披露した前転とび前方伸身3回ひねりを行わず、ヨーIIに留めたが、余裕のある捌きで16.433を出し、二本目にはロペスを跳んで、着地が低くなりしりもちを着きかけたかに見えたが16.000で留めた。最後のKIM Soo Myungはかなり距離の出るドリッグスを跳んで15.900をマークした。
平行棒は大過失こそなかったものの、KIM Seung Ilが棒下半ひねりで倒立にはまらなかったり、HAも途中の倒立で乱れたり、着地で数歩動いたりと、細かいミスを重ねて、思うように点を伸ばせず。
鉄棒も同じくアドラーで倒立位からかなり外れるなどで13点台を続けてしまい、何とか鉄棒得意のKIM Ji Hoonがコールマン、大逆手からの伸身イエーガー、アドラー一回ひねり~ヤマワキ、ホップ2回ターンと豊富なバリエーションの技を構成したが、やはりアドラーの部分で決めが甘く、14.466に留まった(D7.1)。
ゆかでは3人目のKIM Ji Hoonが一本目のテンポひねり~前方伸身2回ひねりで手を着き、最後の3回ひねりでも同じく手を着くミスをしてしまったが、その他はノーミスの演技を続け、一人目のYANG、二人目のCHOIは最後が後方2回ひねりであったものの、14点台中盤にまとめ、昨年のアジア大会金メダリストであるKIM Soo Myungはテンポひねり~前方2回ひねり、後方1回半~前方1回~前方1回半、後方2回半~伸身前宙ひねり、フェドルチェンコ、伸身トーマス、後方3回ひねりという構成で14.633とチーム最高点をマーク。15点台こそ出なかったものの、万遍なく点数を重ね、無事6位で団体決勝進出と五輪団体出場権を獲得した。
団体予選順位上位8位は以下のとおりとなり、12日の決勝に進出およびオリンピックロンドン大会の団体出場権を確定した。
1位 日 本 364.291
2位 ア メ リ カ 361.583
3位 中 国 359.126
4位 ド イ ツ 354.132
5位 ロ シ ア 353.725
6位 韓 国 351.331
7位 ルーマニア 350.900
8位 ウクライナ 350.434
(以上が五輪団体出場権獲得)
9位 フランス 349.818
10位 イギリス 348.742
11位 スペイン 348.725
12位 カナダ 347.076
13位 ブラジル 346.626
14位 プエルトリコ 344.460
15位 イタリア 343.642
16位 ベラルーシ 342.575
(以上が五輪テストイベントに出場。残り4枠を狙う。)