2011世界体操選手権男子予選第3班レポート
この班では、チームよりも各種目のスペシャリストに注目が集まった。
まずはオランダのWAMMESが跳馬で登場、種目別決勝をねらって後ろとびひねり前転とび前方伸身宙返り2回ひねりとドリッグスの2本を跳び、2本ともうまくまとめた。
あん馬ではスロベニアのBERTONCEが馬端から正交差とびひねり開脚入れで入り、メリーゴーランド、Eコンバイン、ウーグォニアン、マジャールシュピンデル、前移動(馬背のみ着手の3/3移動)、シバド、Eコンバイン、シュテクリA倒立ひねり移動下りという演技構成でDスコア6.50、Eスコア9.00が表示され、得点は15.500。
続いてオランダのZONDERLANDが平行棒に登場、チッペルト、ディアミドフ1回と1/4ひねり(F)、マクーツ、ヒーリー、開脚前宙支持(E)というユニークな技を織り込んだ演技構成で屈身2回宙返り下りの着地もうまくまとめ14.900を獲得、鉄棒以外にも強い種目があるところを見せてくれた。
ゆかではブラジルのHYIPOLITOが登場、テンポ~後ろとびひねり前方屈身2回宙返り、後方宙返り1回半ひねり~前方宙返り2回半ひねり、後方宙返り2回半ひねり~前方宙返り2回ひねり、トーマス転、ツルバノフ、後方宙返り3回ひねりという演技構成でそれぞれの着地もうまくまとめ、15.500を獲得。DRGULESCUと内村の間に割り込み暫定2位につけた。
いよいよZONDERLANDが鉄棒に登場、エンドー1回ひねり大逆手、伸身コールマン、コールマン、シュタルダー1回半ひねり大逆手、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、伸身ルドルフという演技構成で着地は後ろに1歩。大技が入り迫力ある演技だったが、荒さも目立ち、結局日本の田中(佑)、内村の得点を下回る15.133となり暫定4位につけているが、決勝進出は微妙かもしれない。ただ、練習では伸身コールマン~コールマンの連続を成功させており、種目別決勝に残れば披露してくれることだろう。
跳馬ではチリのGONZALEZが1本目シューフェルト、2本目ルーユーフーをうまくまとめ平均15.899で暫定8位、決勝進出は厳しい状況か。
また、ブラジルのHYPOLITOが1本目ドリッグスをわずかに動いたがうまくまとめ、2本目は後ろとびひねり前転とび前方伸身宙返り2回ひねりをピタリと止め、平気16.200を獲得し、この種目での暫定6位につけた。
つり輪では次の3選手が注目された。
まずは、イタリアのMORANDI、30才ながら、後転上水平、後転中水平、後振り上がり十字倒立、後ろ振り上がり上水平、屈身ヤマワキ、後ろ振り上がり中水平、ナカヤマ、アザリアン、伸身月面という内容の濃い演技構成を力強く実施し、15.366を獲得し暫定3位につけた。
ブラジルのNABARRETEも見せてくれた。
演技内容は、後転中水平、背面水平経過中水平、後ろ振り上がり上水平、アザリアン、屈身ヤマワキ、後ろ振り上がり開脚上水平、ナカヤマ、伸身月面という2つのF難度技を入れた構成で、上水平の静止がが若干短かった以外は実施も良く着地も止めてきた。現時点で暫定1位の山室と並ぶ15.533を獲得した。
さらに、オランダのVAN GELDER、ほんてん中水平、背面水平経過上水平、アザリアン~十字倒立、屈身ヤマワキ、後ろ振り上がり中水平、ナカヤマ、後ろ振り上がり上水平と盛りだくさんの高難度技を織り込んだ演技構成を素晴らしい実施で演じていったが、終末技がC難度の伸身2回宙返り。ピタリと止めたが、これが響いたか15.383で山室、NABARRETEには届かず暫定3位となった。
チームでは、最終種目の跳馬で良い演技を連発し大いに盛り上がっていたブラジルが364.626点を獲得し、5位につけた。