2011世界体操選手権男子予選第2班レポート

報告者:

ルーマニアは平行棒からスタート、第1演技者DRGULESCUが棒下宙返り、棒下宙返り開脚入れを取り入れた演技構成をまずまずの実施でまとめ、14.333。
続くKOCZIは棒下宙返りが若干はまらなかったが、無難に実施して14.400。3番手BUIDOSOは開脚前宙を成功したあとヒーリーが詰まり腰を大きくまげて力で倒立に持ち込むミスを出し13.566、COTUNAは棒下宙返りひねりをやろうとしたがひねれず戻ってしまう(棒下宙返りになってしまった)、さらに棒下宙返りを実施し、バブサーチッペルトなどはうまくまとめたが、Dツイストで詰まり、屈身2回宙返りの着地は前に大きく1歩動き、13.833。
最終演技者BERBECARは棒下宙返り、棒下宙返りひねり、ベーレ、バブサー、チッペルト、ヒーリー、Dツイスト、屈身2回宙返り下りの演技構成で実施もまずまず、得点は15.366、現時点で内村につづきこの種目2位につけた。
鉄棒は、1番手BUIDOSOは無難な演技で14.000。2番手COTUNAは入り技のシュタルダー1回ひねり大逆手で鉄棒を握れず落下、やり直しの演技は成功したが失敗が響き13.100。
続くKOCZI、DRAGULESCU、BERBECARは大きなミス無く演技を実施したが、全体的にDスコアがあまり高くなく、大逆手になる技の角度、リズムなど難の多い演技実施のためチームの最高得点が14.333にとどまった。
注目された技としては、DRAGULESUCUがアドラーねり~デフ、さらにコールマンも成功させていた。
ゆかでは1番手から3番手まで14点前半から中盤までと得点が伸び悩んだが、4番手DRAGULESUCUは伸身月面で入り、かかえこみ新月面で終わる演技構成で終末技でわずかに両足をずらす着地となった以外すべての着地を止める素晴らしい演技で15.566を獲得。
さらにKOCZIは後方宙返り2回半ひねり~バンローン、前方宙返り2回ひねり~前方宙返り1回半ひねり、トーマス転、後方宙返り3回半ひねり~前方宙返り1回ひねり、後方宙返り3回ひねりという内容の濃い演技構成をきれいにまとめ15.400を獲得し、チーム得点を押し上げた。
あん馬では、落下などの大きなミスを出す選手はいなかったが、全体的に脚のバラツキなど姿勢の乱れが目立ち、また2選手が終末技C難度となってしまった。
BERBECARは、若干脚のバラツキが目立つ演技だったが、無難にまとめた。Dスコアが低く13.266。
BATAGAは、ベレンキ、コンバイン、マジャール、シバド、シュテクリA倒立ひねり移動下り(E)の演技構成でまずまずの実施、得点は14.225。
BUIDOSOは、Eコンバイン、マジャールシュピンデル、メリーゴーランド、マジャール、シバド、と順調に演技してきたが、シュテクリA倒立下りでひねり移動ができずC難度となってしまい、14.333。
DRAGULESCUも、後半にフロップ、コンバイン、マジャール、シバドを配置する演技構成の演技で順調に演技したが、旋回の大きさが無く、終末技がC難度になってしまい13.400。
KOCZIは、逆交差倒立、正交差倒立、ウーグォニアン、フロップ、コンバイン、マジャール、シバド、シュテクリA倒立ひねり移動下り(E)の演技構成を安定した実施で演技し14.900を獲得したが、この種目で得点を伸ばすことはできなかった。
つり輪では、全体的にDスコアが低く、静止時間など不正確さが目立つ演技が多かった。4番手まで13点台後半から14点台前半の得点にとどまり、エースKOCZIは比較的良い演技実施で演技していたが、終末の前方かかえこみ2回宙返りでしりもちをつきチーム最低の12.733という得点になってしまった。
跳馬
1番手のBOIDOSOは伸身ユルチェンコ2回ひねりで着地が低くなり前に大きく1歩、得点は15.166。2番手BATAGAはドリッグス、脚のバラツキが目立ったが腰高の着地で前に1歩に押さえ、15.741。
3番手BERBECARはローチェで高さのある素晴らしい跳越だったが、前に大きくくずれ、さらにライン減点もあり14.833にとどまる。
4番手KOCZIは若干ひねり不足気味の跳越だったが、うまくまとめ16.366。さらにもう1本ヨーⅡを跳んだが、低い跳越となり、前に大きく1歩でてしまい15.700。種目別決勝進出は微妙なところか。
最終演技者DRAGULESKUは雄大なドラギュレスクを実施、惜しくも着地で後ろに大きく1歩動き16.400。種目別をねらいもう1本跳んだのはリシャオペン、こちらは若干着地が低くなり膝をつきかけたがこらえ、16.266。種目別決勝進出は堅いところだろう。
結果、ルーマニアはチーム得点350.900を獲得日本、アメリカに続き暫定3位となった。
ウクライナは最初の種目はゆか。全員ほぼノーミスで、KUKSENKOVがかかえ込みアラビアン2回宙、前宙2回ひねり~伸身前宙ひねり、そして最後に3回ひねりと決めて14.9(D6.1)をマークした。
あん馬でも全員がきれいに通す会心の出来であったが、足先の乱れの細かい減点を重ねてEスコアが伸びず。その中でもやはりKUKSENKOVがEフロップ、Dコンバイン、ウゴーニャン、マジャール、シバドと盛り込んで14.400(D5.8)を出した。
つり輪では3人目のRADIVILOVが逆上がり中水平~ナカヤマを決め、最後のZOZULYAが逆上がり中水平~ナカヤマ~中水平を入れて力技で高難度を見せたが、ZOZULYAの14.666が最高で、15点台が出なかった。
跳馬は二人目のSTEPKOがローチェの着地をピタリと止め、RADIVILOVはドラグレスクを開いて着地する余裕を見せた。RADIVILOVは2本目に屈身ツカハラダブル(ルユーフー)を実施したが、後ろに大きく動いて手を着いてしまった。KUKSENKOVはシューフェルトで後ろ一歩。RADIVILOV以外は15点台に留まったが、出来自体は悪くない演技であった。
平行棒は全員が入り技でホンマを実施。そして、一人目のZOZULYA、二人目のSTEPKOと屈身ダブルの着地をピタリと止めて波に乗ったが、KUKSENKOVはツイスト倒立で前に動いてしまい、VERNIAIEVはモイで手を滑らせて崩れてしまった。最後のNAKONECHNYIは何とかノーミスで通し、3人はミスなしの得点で留まった。
最後の鉄棒では、一人目のZOZULYAがアドラー1回ひねりで姿勢が乱れ、最後のNAKONECHNYIもコールマンでの足の乱れや、アドラー系の技での倒立のはまり方に甘さがありEスコアが伸びず。しかし、KUKSENKOVはアドラーひねり~モズニク、コールマン、アドラー1回ひねり~ヤマワキと決めて、14.666(D6.8)をマークして、一人ダントツの力を発揮した。
ウクライナはKUKSENKOVをエースにして、ベテランのZOZULYAがほとんどの種目でトップバッターになるなどしてチームを引っ張ったが、全体的に価値点が不足し、粗さが目立った印象だ。