ロッテルダム世界選手権現地レポート(女子団体決勝インタビュー)
塚原千恵子女子監督
今日はチームにつかなくてはと思い、(アリーナの外側で立って)一緒に回った。とにかくミスをしないというのがすごい。みんなミスをする中、難度はまだまだだが、競技力という点では日本が一番だったと思う。鶴見選手のゆかの前方2回ひねりを1回半にしたのと、段違いのトカチェフをしなかったのは予定通り。北京と同じように(予選は)ようやく(8位に)入り、決勝で5位。選手層が薄くて、8位は無理だと思っていたが、最後まで諦めないで頑張ったのが一番であった。今日は確実性のある選手を3人ずつ選んだのと、一番バッターに確実に13.5以上を取れる、そして年齢の高い選手を起用した。鶴見選手にはもう一度最高の演技をしてもらいたいと3日くらい前から練習について、なぜうまく出来なかったか本人にじっくりと聞き、練習はばっちりと指導した。まだ演技は不安であるが、個人総合は段違い平行棒で倒立が外れた箇所、平均台のシリーズが続かなかったところは落ち着いて出来るように出来ればいいなと思う。(今日は)一緒に付いていてあまり頼られるのも困るなと思ったが、選手の不安は大きな大会ではあるし、付くようにした。日本の課題は難度を上げないといけない点であり、跳馬、ゆかの内容、そして、段違い平行棒でも15点台を取れる選手が二人くらいいないとメダルは取れないと思う。
鶴見虹子選手
今日は自分の演技もきちんとできたし、勝てると思ってなかったイギリスにも勝ててすごく嬉しい。順位については最後の最後までどうなるかわからず、ビリじゃないなというくらいしかわからなかった。結果に対してではなく、自分自身がしっかりやることに対して緊張した。結果についてはあまり意識してなかった。段違い平行棒は(団体の予選で失敗したので)緊張して、倒立で流れたものの、着地を決めることができたのでそこはよかったかなと思う。
田中理恵選手
チームの雰囲気もよかったので、演技をやりやすかったし、しっかり(みんなの)声も聞こえてきて、力に変えれた。途中は順位は見ていたが、前半後半とローテーションが分かれていたのでよく分からなかった。失敗なくやればビリではないだろうと思っていた。練習してきたことをそのまま出したいと思ってこの舞台に立った。ゆかではラインオーバーしてしまったけど、練習通り出来たと思う。(鶴見選手から「明後日もう一度チャンスがあります」といわれ)「リベンジします。ゆかはラインオーバーしません!」
新竹優子選手
個人的には緊張してしまい、細かいミスが出てしまったのが悔しいが、いい雰囲気の中でチームが団結して、大きなミスなく、いい感じで演技が出来たのはよかった。今回は故障もあって練習がうまくってなかったこともあり辛かったが、北京と同じようにいい雰囲気の中で出来たので、いいチームでよかったと思う。平均台は(予選の失敗を)気にしすぎて緊張してました。順位については見ていたら気を取られるのでそんなには見ていなかった。また、トップバッターだったので、自分がミスなく次に繋げたいという思いがあったので緊張した。(北京五輪から落下をしてない点について)練習がしっかり出来ているかにかかっていると思うので、練習で失敗しなければ本番でも自信を持ってやれる。今回は出来る範囲のことはやっていたが、もっといっぱい練習をした方が不安が小さくなる。今回はそれが反省点だった。
小沢茂々子選手
予選では緊張して思うように跳べなかったが、決勝ではそんなに緊張せず結構よかったと思う。(予選との違いは)ロンダードに入ったときの角度というか、入りの突き手で勢いがないと後半が持ってこれないというのがあるので、決勝では速いスピードで起こして、自分がいつもやっているリズムで出来たのでいいのが跳べたのかなと思う。サブ会場でも跳ね方が違うので、なかなか合わせられず、自分でも不安だったが、決勝は失敗できないというのがあったので、サブ会場でちゃんと合わせてから会場に来て、そして(アップで)合ったので、そこまで不安は残らなかった。跳馬一本だけというのもプレッシャーではあったが、一種目に集中できるので大丈夫だった。
山岸舞選手
予選よりは、自分の点数が絶対入るということで緊張した。予選の方がよかったが、技の高さが出せて、予選と点数が変わらなかったのでまあまあかなと思う。今日は笑顔で、ゆかしか出れないので、しっかりと力を出そうと思って、余裕を持って演技をしようと心がけていい経験になった。ゆかの後は声を出すこと、演技前後の選手への声掛けをして手助け出来るように頑張った。演技が物語っているように、チームワークがあったからこそいい演技が出来て5位に入ったと思うのでよかったと思う。世界選手権で終わるのではなく、先がまだあるので、その第一歩としてアジア大会は頑張りたいと思う。
大島杏子選手
今日はみんなが持っている力を100パーセント出し切れるように自分が出来ることを精一杯やって、みんながやりやすいようにした。みんなが演技をしている最中は失敗しないようにやってというい気持ちで願っているような気持ちであったが、終わってみると北京のときの美濃部さんの気持ちがわかったというか、自分が一つでも演技が出来なかったというのが悔しい。5人の為に働けたのは誇りに思う。本当は演技で引っ張るのが一番。今回はこういう形でしか引っ張ることが出来なかったが、みんながいい演技をしてくれて、5人のメンバーに出会えてよかったと思う。決勝のメンバー発表があったのは一昨日で、気持ちが落ち込んでいたが、一人でもそういう人がいると足を引っ張ってしまうので、今日の練習でもしっかりとして、一人で暗くならないようにした。(来年に向けては)悔しいというのはあるけど、アジア大会もあるので、それが終われば次に向けてどういう風にやっていかなきゃいけないか時間をもらって考えて、今後のことは考えたい。(チーム全体としての今回の感想について)北京のときはたくさん練習を積んできて、頑張った結果が5位であった。今回はけが人も多いチームで、あまり練習が出来ず、最終的に皆が一つにまとまって、5位という五輪と同じ成績で・・・五輪の方が嬉しいという気持ちは強いが、また5位が取れたということはまだまだこれから上に行けることだと思うので、ロンドン五輪の一次予選としてはチームのいいスタートが切れたと思う。